高知県北部の緑豊かな山間地、土佐嶺北地方の土佐町にて明治10年(1877年)に創業。銘柄名「桂月(けいげつ)」は、和漢混在の独特な美文の紀行文で知られる、酒と旅を愛した明治〜大正期の高知県出身の文人「大町桂月」にちなんで命名されました。先代までは普通酒のみを造っていましたが、2015年、6代目蔵元に松本宗己(まつもとむねき)氏が就任したのを契機に、地元地域のお米だけを100%使用する特定名称酒(吟醸酒、純米酒等)造りを開始します。祖父の弟にあたる先代から引き継ぐにあたり、一般的な親子の代替わりではなく、自ら志願して親戚の大叔父さんから酒蔵の株を100%買わせてもらい代表取締役に就任するという経緯をたどります。大学卒業と同時にソフトウェア会社を創業した宗己氏は、会社が軌道に乗った頃に出会ったフランスワインに感銘を受け、愛飲家に。ワインに傾倒するなかで培った知識から、原料である葡萄が育つ“土地(畑)”の重要性と、小規模生産者も世界中を相手に自身のワインを売り歩いている事を知ります。それを日本酒で実践しようと思い立ち、継ぐ予定では無かったご実家の酒蔵をお願いして譲り受けました。地元山間地域の棚田で育った酒米を100%使用した地元米の日本酒を、日本国中だけでなく世界へと発信して広めていきます。2016年には、初めて出品した世界最大規模のワイン品評会インターナショナル・ワイン・チャレンジ2016(IWC2016)のSake部門にて、「純米大吟醸スパークリング匠(John)」がスパークリング部門のゴールドメダル(金賞)及びトロフィー(優秀賞)を受賞したのを皮切りに、国内外の酒コンクールで「桂月」は数々の賞を受賞し知名度を高めています。昼夜の気温差が大きく良質な米を産する山間の棚田で育った酒米を100%使用し、ここでしか表現できないSake du Terroir(サケ・デュ・テロワール) “土地の酒” 造りを世界にも認められるレベルでされている酒蔵さんです。