合同会社Ferme36(フェルムサンロク) 代表者 矢野 久江 氏 醸造担当 矢野 喜雄 氏
住所 長野県大町市
創業年 2014年(自家醸造所稼働年2019年)
年間生産量 約-本(国産比率100%)
自社畑 約1.6ヘクタール
大変な人気なため、入荷量が限られております。
ネットに掲載していない銘柄も完売しています。お問い合わせになる前に、このページでご確認ください。
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長野県大町市に2014年より葡萄畑を持つ北アルプス山麓農場「矢野園」さんは、委託醸造での自園葡萄ワイン販売期間を経て同市に自家醸造所「Ferme36(フェルムサンロク)」を2019年新築し、その年の9月20日に果実酒製造免許を取得、ご家族3人の新しいワイナリーを始動されました。ご主人の矢野喜雄氏は、栃木県のココファームワイナリーに2003年に入社後、10年以上在籍し、その間当時の醸造長・ブルースガットラブ氏(現・10Rワイナリー)や農場長・曽我貴彦氏(現・ドメーヌタカヒコ)の元で働き、両氏が現場を離れた後はワイナリーの主力として醸造にあたられていた方です。
キャリア豊富な氏が独立するにあたり、所縁の無い長野県大町市に移住し農園を拓いた決め手は、北アルプスを望む素晴らしい景観の存在もさることながら、実質は葡萄栽培に適する恵まれた気候と土壌にあります。標高800メートルの高地に位置し、寒暖差が大きく、涼しくカラッとした気候。北アルプスが形成した扇状地に由来する、花崗岩と火山岩が交じる水はけの良い土壌。矢野さんが惚れ込んだその土地を一目見ようとお邪魔しました。すると驚いたことに水田地帯のただ中にぽつんぽつんと矢野さんの葡萄畑だけがあり目を惹く風景。周囲が水を湛えた田んぼなので、一見、水はけがよいとは思われません。訪問者がそう考えることを前もって想定してか、矢野さんはあらかじめ携えていた地形図やボーリング調査した地質図等の資料を広げて、水はけの良い事などを太古から連なる土地の成り立ちにまでさかのぼって熱く説明してくださいました。水田から葡萄畑に転換するのに、事前の調査をしたうえで、しっかりした耕起・整地をされており、さすがだなと感じます。実際に見た葡萄樹は、樹齢が若いことを見積もっても幹が非常に細く、実っている葡萄もバラ房で粒が小さく締まっていて、水はけが良い事を物語っていました。今のところ水はけが良すぎて収量が見込めないがゆえに、少量の高級ワイン(質の高いワイン)に成る傾向の葡萄とのことです。そんな個性的な土地の優位性を活かし、化学合成肥料や化学農薬、除草剤を使わない矢野さんの丹念な栽培から生み出される、長き経験に裏打ちされた真のナチュラルワイン。とっても楽しみです。
【〜フェルム36様の案内文より〜】
2014年春、私どもは長野県大町市平新郷(たいらしんごう)に移住し、葡萄の苗を植え始めました。毎年植栽を重ね、現在160アールの圃場に約4,000本の葡萄の木が育っています。親子3人が暮らしていける身丈程の農業、100年後の子供達に誇りをもって引き継ぐことのできる農業を実践できれば幸いです。ワイン造りを通して大町の味を引き出すことが生涯のテーマです。
戦後間もない昭和20年代、松林や雑木林だったこの地が開拓され、先人による想像を絶するご苦労の賜物として農地が生まれました。今では、あたかも大昔からそうであったような田園風景がひろがります。私たちは彼らの開拓魂を受け継ぎ、この大地に立たせていただきます。
●気候
有効積算温度分類によると、大町の気候は長野県では東御市、海外ではライン、モーゼル、ブルゴーニュ北部、シャンパーニュ地方に類似します。標高800mの準高地に位置するため、昼夜の寒暖差が非常に大きく、強い日射量を受けます。夕方には「アルプスおろし」といわれる山からの冷風により日中の暑さが冷まされ、乾燥がもたらされます。大町のポテンシャルを最大限に発揮できるのは天候が安定し昼夜の寒暖差が際立つ9月下旬から10月中旬の期間。このタイミングで収穫を迎える品種を見極めることが「今の仕事」です。
●地質
大町は糸魚川静岡構造線(国道148号線付近)を境界として、東西に異なる地質を有します。フェルム36の圃場が位置する西側はユーラシアプレートの東端とも言えます。北アルプスを形成する花崗岩と、約167万年前の火山活動に由来する火山岩が河川に運ばれ、扇状地を形成しました。近所での掘削調査によると、花崗岩30%、火山岩70%との報告があります。また、北アルプスの花崗岩は世界的に見ると最も若い分類に属すとのこと。平安時代まで鹿島川がこの地域で大洪水のたび流路を変えていたそうです。圃場で10〜15cmも表土を掘れば、まるで川原のような砂礫層が現れます。川の流れを反映して、大きな石がゴロゴロする箇所もあれば、砂が堆積した箇所もあり、土壌の複雑性がわかります。私どもの圃場は、南東方向に伸びる扇状地の尾根を少し北側に入った東向き斜面に位置します。東に面するため午前中の日光によく照らされ、植物の効率的な光合成が促されます。
●栽培
株間1m間隔のグイヨ・サンプル仕立。ヘクタールあたり約3,000本の植栽密度。植栽3年目に樹勢をみながら若干の収穫。4年目から本格的な収穫を始めます。葡萄栽培における防除は、ボルドー液(銅剤による殺菌目的)を中心に対処しています。公的な認証は受けていませんが、自然派ワインのぶどう栽培に適合する防除体系です。
「農福連携」を継続、大町市社会福祉協議会障がい福祉サーピス事業所の皆さん、近所の「ばいはるちゃにみとろ」の皆さんに苗植、葡萄の株元の草取り、防鳥ネットの設置、病果の除去、葡萄の収穫と仕込み、冬の養生として株周り藁巻等シーズンを通してご尽力をいただいています。仕込み時に選果台を持たないため圃場で入念な選果を行うことが重要となりますが、そのような場面でも大いに助かります。
●醸造
ワインの質は葡萄の段階で全て出来上がります。ワインが農産物と言われる理由です。醸造は、自然からいただいた葡萄の大切にストレスなくワインに醸すこと。なるべく人為的な介入を行わず、葡萄がなりたいようになるのを見守ることと考えます。葡萄は大きめのプレス機(搾汁機)でホールバンチ(全房)のまま搾り、液体はグラヴィティ(重力)で移動します。葡萄の果皮にいる野生酵母により発酵された自然な味わいを、清澄やろ過などで引くことなく、酸化防止剤(亜硫酸塩)添加を極力控え瓶に詰め、飲み手の皆様へお届けします。「葡萄がそのままワインになり、そのままグラスに注がれる、そしてワインが葡萄の育った土地のことを語り始める」、ピュアなワインが目指すかたちです。
●「ルメルシマン」自園葡萄使用ワイン銘柄名の由来
ワインは、ぶどうから。ふどうは、天候、大地、人から土地固有の味が育まれます。2017年植栽4年目にして初めての収穫。3度目のヴィンテージ2019年に果実酒製造免許を取得し初仕込みに臨みました。天地はもとより、大町にゆかりのない私どもを受け入れてくだった地元の皆様、葡萄を栽培する過程において助けてくだった多方面の皆様へ心からの「感謝」という意味を込めて、仏語の「Remerciements(ルメルシマン)」と名付けました。
自然を相手にする農業は、なかなか思い通りにいかないものです。大きな自然の力を恩恵としていただき寄り添い生きること。どんなに文明が進歩しても「祈り、感謝する」気持ちを大切にしたい。そんな想いもこめて。
ヴァン・ドーマチは「大町のワイン」の意味。フェルムは「農場」の意味。北アルプス“山麓(サンロク)”ということで「36」。
20歳未満の方へのお酒の販売はしておりません。
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