ハラモワイン 鴨宮かのや酒店 販売店
原茂園 山梨県甲州市勝沼町
HARAMO WINE 原茂ワイン株式会社
原茂ワイン株式会社 原茂ワイナリー代表者 古屋学而氏 管理責任者 古屋真太郎氏
住所 山梨県甲州市勝沼町勝沼3181
創業年1924年
年間生産量 約7万本(国産比率100%)
自社畑1.5ヘクタール 契約畑6ヘクタール
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原茂園ワイナリー入口 | ショップ入口。葡萄棚が屋根の様 | 薄紫色に色付く甲州葡萄棚 | ワインショップ試飲販売カウンター |
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ショップ2階カフェ・カーサダノーマ | カフェのテラス席にて至福の時間 | 1番人気「パンのきまぐれブランチ」 | テラス席の景色・菱山地区の斜面 |
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葡萄の季節。食用葡萄も多種販売 | ワイナリー近くの垣根式自社畑 | 試験畑10種以上 | 自社畑ブドウ房 |
はじめて勝沼に行く友人に、一軒だけワイナリーを紹介してくれ、と頼まれたら、迷わず原茂ワイナリーをおすすめするでしょう。それほど、このワイナリーには、歴史とともに刻まれてきた風土にねざした真実の“勝沼らしさ”が、とても魅力的にちりばめられています。今流行りの、はりぼてっぽいちゃちなモダン和風とは違う、真からいやされる本物の“和”の空間に、上手に本来“洋”であるワインボトルやワイングラスが溶けこんでいます。これも歴史あるワイン産地、勝沼の風土がなせる技でしょうか。いな、このセンスの良いワイナリー経営は、現在原茂ワインを実質的に運営されている専務の古屋真太郎氏の手腕によるところが大きいと思われます。1999年に築130年の母屋を改築。1階には、テイスティングカウンターのあるワイン販売所を、2階には、自社ワインと地の食材を使った料理が楽しめるカフェを併設されました。実はこの母屋、2階建養蚕農家系民家で、独特の高窓がある屋根の構造は、養蚕業のなごりであり、今は衰退してしまいましたが、むかし勝沼は、葡萄とともに養蚕も重要な産業であった歴史をしのばせてくれます。また、時期になると観光葡萄園“原茂園”として生食用の葡萄狩りもでき、庭で野外バーベキューなども楽しめます。ワインショップ入口の甲州葡萄棚は、高さが5メートル近くあり屋根のようです。これは県の条例で定められていて、観光バスが入れる高さに設定されていると聞いた気がするのですが、栽培作業的には、落下する危険も伴ない、効率もすこぶる悪い。ですが、これも山梨、勝沼ならではの景観といえば独自の風情があります(観光葡萄園をやっていない他のワイナリーには5メートル近くある高さの葡萄棚畑は無い、通常、棚仕立の高さは、栽培作業をメインでする人の背丈にあわせる)。ワイン目当てのお客様はもちろん、カフェを楽しむ女性客、葡萄狩りを楽しみながら生食葡萄を購入する家族客、歴史的民家を愛でる観光客、幅広く楽しめて訪れた人を魅了するファンの多いワイナリー。それだけにワインは自家販売も多く、観光ワイナリーにありがちな、一般ウケし易い甘口ワイン中心になりがちなシチュエーションですが、古屋氏は、本格辛口志向であります。グレープジュースの香りがするアメリカ系赤品種のアジロンダック種のワインも辛口に仕立てているほどです。さきほども触れましたが、経営者として、ずばぬけたセンスと決断力、先を見とおす力をお持ちで、2004年には、全量純国産原料100%に切り替えました。楽に入手でき、安くて美味いチリ産輸入ワインをブレンドすることは、日本のワイナリーにとっては、麻薬のような常習性、依存性がある魅惑的で危険なモノですが、特に、原茂ワインさんでは、20年前から売っていたワンカップワイン(180ml270円)の赤を輸入原料にたよっていたため、終売にする事にしなければならなかったのです。JR甲府駅のキヨスクや特級あずさ・かいじの車内でも販売されていた人気のワインをやめる事は、一時なれど売れ上げを故意に落とす事になります(2009年より国産甲州種葡萄の白ワインワンカップも終売。自社ワインをボトル売りにて、大切にしていきたいとのこと。ワインカップの権利を別ワイナリーにゆずったため、さらに一時売上げを落としながらも品質を最重視)。ですが、遠い先を見据えれば、他の幾つかのワイナリーに先駆けて、ばっさり輸入原料を絶ったのは、素早い英断だったと思われます。ここまで書くと豪腕経営者に感じる古屋氏ですが、普段は飾り気がなく、ショップのカウンターでお客様のお相手をしていたり、麦ワラ帽子をかぶって葡萄の手入れをしていたり、身近に感じる庶民派で心地よく迎え入れてくださいます。ちなみに、ワイナリーの2階にあるカフェ・カーサ・ダ・ノーマを切り盛りされているのは、古屋真太郎氏の奥様の真実さんで、毎朝焼かれる天然酵母自家製パンや新鮮な地の有機野菜、塩山市のこだわりおぼろ豆腐、独自スパイスのカリーなど、手作り感のある食事を用意してくださっています。