
機山洋酒工業株式会社 キザンワイナリー代表者 土屋幸三氏
住所 山梨県甲州市塩山三日市場3313
創業年1930年
年間生産量 約3万本(国産比率100%)
自社畑1.1ヘクタール(その他は、契約栽培ではないが塩山市周辺の毎年同じ畑のものを使用)
現在、大変な人気なため、入荷量が限られており、スパークリングワインとマール&ブランデー以外は、インターネットでの販売をみあわせています。ご理解ください。


〔左〕テイスティングルーム入口 〔右〕醸造所外観



〔左〕温度管理された樽・瓶貯蔵庫 〔中〕とても清潔で磨き込まれた醸造場 〔右〕マール・ブランデーの蒸留器
1000円クラスのワインで勝負している家族経営のワイナリーがある。ほぼ1000円台の商品しかラインナップにないため、ご夫婦が手塩にかけた自家栽培葡萄が、おしみなく、このクラスのワインに使われている。美味しくないわけがない。価格的にも、世界のワインと肩を並べ高く評価されるべき水準に達している珠玉のワイナリー。
日本のワイナリーの中にあって、価格構成も特異ですが、商品構成にも驚かされます。アイテム数も少なく、定番6種類、そのすべてが辛口。そして、栽培から醸造、販売までほとんどお二人でやっています。今のところ従業員ゼロ。無駄の無いスリムなワイナリー経営です。
外国産ワインにくらべ、割高感が強かった国産ワイン…。日本の物価、人件費、地価などから考えて、埋めようのないひらきがあるとあきらめていました。特に層の厚いデイリークラスのワインでは…。でも、その価格差は"実際"埋められるのです。外国ワインを飲み続け、10年以上も売り続けてきた私が、キザンワインを一口飲んだ瞬間から"山梨に行こう"と決意したのですから。
ギサンワインを飲んだ一週間後に、私は、機山洋酒工業の土屋さんご夫婦を訪ねていました。耳にしていた通り、お二人だけで切り盛りされており、ご主人の土屋幸三さんはワイナリーの仕事(発酵の終わったタンクの洗浄)をしていて、奥様の由香里さんがテイスティングルームの店番をされていました。お二人とも、それぞれに一流酒造会社の研究員をされていたほどの経歴をもつ醸造家なので、専門用語が飛び出すぐらいの熱い話が展開するのかと思いきや、わかりやすい簡潔な説明を、こちらの質問にも適確に答えつつ、してくださいました。まったくもって、自然体で気負いがなく、ユーモアもまじえて話題も豊富。奥様が案内してくださった醸造所、貯蔵庫などは、清潔で整然と配置されており、すべてに目が行き届いている感じがうかがえました。ご主人の土屋さんに案内していただいた近くの自社畑は、垣根仕立でレインカット方式が採用されていました。2004年の収穫はすべて終わっている筈なのに、よく見ると、黄色みがかった葉の間に、まだ葡萄の房がまばらに付いていました。そして地面の上にも、ちらほら房が落ちています。落ちているものは自然に房ごと落ちるわけがなく、切り落とされたものです。木に付いている房は、収穫時、未成熟だったモノで、地面に捨てられた房は、果皮が傷んでいたものらしい。丹精込めた葡萄もすべて使えるわけではなく、そうとうの選果が必要なのを目の当たりにしました。ひと房ずつ吟味しながら手摘みで収穫している証拠です。土屋さんが「食べてもいいですよ」といってくださったので、2、3粒いただくことにしました。カベルネソービニヨンは木についているほうから、メルロは、落ちているものしかみつからなかったので、勇気を出して拾って食べました(笑)。どの粒も適正な収穫期をすぎ超完熟しているので酸が弱く、ものすごく甘く感じましたが、この豊かで深い果実味がキザンワインに通ずると思い、感激したのでした。




1月上旬、剪定前の垣根仕立てメルロ種葡萄自家畑
1月 剪定の作業がある。かかりきりになれば、ご夫婦ふたりで10日で終わる作業を他の仕事をしながら、20日ほどかけてやるそうです。枝を切るだけでなく、その処理もしなくてはならない。チップにしたり、燃やしたり、大変である。



2月下旬、剪定後の垣根仕立てメルロ種葡萄自家畑
2月 剪定の作業が終わっていました。右の写真は、短小剪定された先端部分で、芽がふたつある状態で残されています。今の仕事は、畑の整備。これをしっかりやっておくことが重要とおっしゃっていました。下草や落ち葉、小枝等の排除。ツルをくくりつけるワイヤーの張りなおし調整など。もう少し暖かくなると枝をワイヤーに固定する作業に入るそうです。寒すぎると、枝を矯正するとき折れやすいとのこと。



5月下旬、あと1週間から2週間後に開花を控えた葡萄のツボミと垣根仕立てメルロ種葡萄自家畑
5月 日に日に暖かくなり、樹の活性が高まります。多すぎる芽を間引く作業“芽掻き(めかき)”や、伸びる勢いを増したツルをワイヤーにつなぎとめ形成を整える“誘引(ゆういん)”という作業におわれます。伸び盛りである樹勢をコントロールするこの時期が、収穫期よりも重要で忙しく、目が離せないそうです。


6月下旬、緑色の小さい粒がつく房、垣根仕立てメルロ種葡萄自社畑
6月 開いた葉も大きくなり、結実した緑の房も小粒ながらだいぶ大きくなっています。梅雨に入る前の時期からレインカットのビニールがかかり、葡萄を雨から守っています。水、湿気をカットし、カビや害虫などの被害から葡萄の果皮を守ります。


9月初旬、紫色に色付いた収穫直前の房、垣根仕立てメルロ種葡萄自社畑
9月 いよいよ収穫の時期。キザンさんでは、完熟までまっての収穫。美味しい完熟葡萄は鳥さんなどにねらわれやすいので、ついばまれないようネットがはられています。食い散らかされると、もれた果汁から病気が発生しやすくなる。
良撰酒蔵地酒&味撰銘醸ワイン【日本ワイン・純国産ワイン】
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