観望雑記帳

2004. 8. 8
 休日にスカッと晴れないのに業を煮やし、何となくぼやっとした空ながら、強引に真壁までプチ遠征。しかし3等星がやっとの空。何で夏はこうなんだぁ。前回は蚊の攻撃に閉口したので、今回は虫除けスプレーを持参。たっぷり塗って早速観望を開始。
M57: 天頂付近にあるのでこんな空でもかなり良く見えます。x107でも余裕の明るさ。リングの中心は真っ暗ではなく結構明るいようです。また、リングも円ではなく、楕円であることが容易に分かります。さすがに中心星までは分かりません。
M27: これもx107で余裕の明るさ。x50でも十分にその形が確認できます。バックの微光星の中に浮かび上がるその姿は絶品です。
M11: たて座にある散開星団。結構高度は低かったけれど、個々の星まで分離され、なかなか美しい眺めです。もっと良い状態であれば、きっと素晴らしいでしょう。
観望しているうちにあちこち蚊に刺され、もはや限界。虫除けスプレーでは防ぎきれないようです。空の条件もイマイチだったこともあって、1時間ほどの観望で撤収しました。
2004. 6. 5
 ここのところ、すっきりしない天気や黄砂のため、なかなか観望のチャンスがありませんでした。ほんと、頭にきちゃうなぁ、もう。今日は夜半までは天気も良さそうだし、もうすぐ梅雨入りなので、真壁町までプチ遠征しました。しゃっきりしない空でしたが、4等星までは見えていました。この時期としては、まあまあでしょうか。月はまだ満月近くて21:30頃に昇るので、20時より観望を開始しました。経緯台なので、赤道儀と違ってセッティングが数分で完了できるため、このような短い時間でもそれなりの観望ができます。
M51: 2つの星雲の存在が分かるだけ。やっぱ、系外星雲は5等星以上が見える空でないと駄目ですね。
M57: 有名なこと座のリング星雲。この星雲は明るいので、少々条件が悪い空でも楽しめます。x107で少々ひしゃげた形が分かります。リングの中は真っ暗ではなく結構明るいです。今回の観望は時間的に早いため、高度はまだ低い状態でした。天頂付近に来れば、もっとよく見えるのでしょうが、梅雨明けまでのお預けでしょうか?
M27: これも有名なこぎつね座のアレイ状星雲。アレイの形が何となく分かります。視直径もかなり大きいですね。これももっと空の良い状態で見たい物です。
M13: 透明度のイマイチの日は、球状星団がよいかも知れません。本日のシーイングはイマイチでしたが(木星の模様がユラユラ)、中央付近まで星が分離され素晴らしい眺めです。前回と同様11cmまで口径を絞ると、像はかなり暗くなり星団の広がりもイマイチ。個々の星への分離も不十分です。10cmクラスと15cmクラスでは、やはり見える世界が一ランク違うようです。
M92: これもヘルクレス座の球状星団。M13程大きくありませんが、周辺の星が分離され綺麗です。
M10, M12, M14: へびつかい座は球状星団の宝庫です。M10, M12は周辺の星が分離し、球状星団らしい眺めです。M14は高度が低かったため、個々の星への分離はできませんでした。
M5: へび座の大きな球状星団です。中心部までの星の分離は完全ではありませんが、かなり見応えがあります。
M4: さそり座にある大型球状星団です。しかし高度が極めて低かったため、崩れた雲状天体に、ぱらぱらと星が散らばっているのが見えただけで、あまり面白くありませんでした。これも、梅雨明けの観望が楽しみな天体です。
今回の収穫は、15cmでもかなりの数の球状星団が楽しめることが分かったことです。また、10cmとの差は、歴然としています。1時間半ほど観望しましたが、足をあちこち蚊に刺されたことと、そろそろ月が昇るので撤収としました。帰宅途中、下弦の月が地平線付近にあるのを確認しました。自宅に到着した時、空はすっかり曇っていたので撤収は正解だったようです。次回の観望では、蚊対策を考えなければなりません。
2004. 4. 24
 破損したクレイフォードフォーカサーは結局修理不能とのこと。かなりショック。しかし今更ラックピニオン式に戻れないので、結局もう一個購入しました。えらい出費です。おかげでスケッチ用のデジタイザー購入が遠のきました。まあ、これを機会に、中国製の安物鏡筒をもう少しいたわってやろうかと思います。不幸中の幸いだったのが、対物レンズが無傷だったことです。この望遠鏡、かなりタフなようです。
 そうこうしているうちに、すっかり春霞のシーズンになってしまいました。おかげでディープスカイ観望は絶望的です。その中にあって今日は季節はずれの寒い日。空の状態もいつもよりかはマシに見えます。そこで、筑波山までプチ遠征。シーイングが悪いため、惑星と二重星は駄目なようですが、ディープスカイ系は行けそうです。
M51: おおぐま座にある子持ち星雲。親と子の2つの銀河は確認できるけれど、それだけという感じ。やはり透明度はイマイチ。ガッカリ。
M65, M66: 獅子座にある銀河団。見えると言うだけで特に感動無し。NGC3628は見えませんでした。やっぱり透明度がイマイチか!
M3: 球状星団。x107で周辺部が分離しているのが、そらし目で分かります。そういえば、そろそろヘルクレス座があがってくる季節です。M13でも見てみるか!
M13: ヘルクレス座にある北天を代表する大形球状星団。双眼鏡で簡単に見つかる。早速x107で導入。なんだ〜、これはスゴイ!完全に中心部まで分解しているぞ!そらし目なんか使う必要なし。これぞ球状星団というグレートな姿。感動しました、ハイ。試しに11cmまで口径を絞ると、かなり貧相な見え味になります。15cmという口径の威力が十分に発揮されているようです。
M57: こと座にある有名なリング星雲。まだ高度が低く光害の影響をかなり受けていましたが、楽々リング状に見えるのには驚きました。さすが15cm。これから高度が上がってきますので、観望が楽しみな対象です。
1時間半ほど観望しましたが急激に冷え込んできましたので10時半頃撤収としました。明朝は4時に起きて、ニート&リニア彗星を見るんだと奥様が騒いでいますので。
2004. 3. 26
 ここのところ天気が悪かったため、折角月も無いのに観望の機会に恵まれませんでしたが、やっとチャンスが巡ってきました。早速真壁方面まで遠征。春霞のシーズンにしては透明度は良好。5等星くらいまで見えていました。今回は、先日購入した国際光器の正立ファインダーを実戦投入。いやー楽ですね。いままで倒立像で苦労していたのが嘘のようです。それから、天体導入で大活躍したのがNikonの双眼鏡(8x30EII)です。観望用途には口径不足ですが、8.8°の広視野と575gの軽量性が星々を辿るガイド用ツールとして抜群の使用感です。一晩中首に下げていても疲れませんし。Nikon 8x32HGで出番を失ったかに見えたEIIですが思わぬ活躍場所がありました。
M35、M67: 双子座と蟹座の散開星団です。ウオーミングアップに導入。
M81, 82: 有名なおおぐま座の系外銀河です。前回観望したので今回は楽に導入できました。前回は薄曇りの悪条件にもかかわらずそれなりに見えていたのでかなり明るい天体と思っていましたが、クリアな空で見ると、いや〜本当にスゴイ。タイプの違う2つの銀河が同一視野でランデブーする姿は絶景です。M81は中心部が明るく、その周りをハロが取り巻いています。緩く開いた腕が見えるような見えないような感じ。M82は細長い姿が明瞭に分かります。また、中心部がゴツゴツしたような感じで、何か構造がありそうに見えます。
M97: その形からフクロウ星雲と言われ、北斗七星の水瓶の所にある惑星状天体。丸い雲状には見えますが、フクロウの顔までは分かりません。もっと良い空で見たいところ。
M108: M97のそばにある系外銀河。細長い銀河の姿が分かります。これもちょっとゴツゴツした感じ。
M101: おおぐま座にあり「回転花火」と呼ばれる系外銀河。大きく広がった腕を持っています。眼視等級の割には淡く見つけるのに少々苦労。かなり視直径がありますが回転花火状には見えません。淡くて大きな雲状。これももっと良い空で見たいところ。
M51: 「子持ち銀河」と呼ばれるおおぐま座の系外銀河。明るくて導入は楽。2つの光芒が寄り添っている感じでかわいいです。「子持ち」とはよく言ったものです。親銀河の腕が見えるような見えないような。
M63: りょうけん座αとおおぐま座ηの間にある系外銀河。明るい中心部とそれを取り巻く光芒。写真のイメージ通りです。
M94: りょうけん座αの近くにある系外銀河。M63に似た印象です。
M3: 有名なりょうけん座にある球状星団です。アルクトゥールスから星々を辿るパスを覚えましたので導入は楽勝です。ファインダーでも既に他の恒星と違うことがわかります。Schwarzで覗くとザラザラした大きなボール状。かなり視直径があります。そらし目で観察すると、ボールの周辺が個々の恒星に分離しキラキラ輝いて綺麗です。
M53: かみのけ座にある球状星団。15cmでは、ぼうっとしたボール状にしか見えません。
M64: かみのけ座にある「黒目星雲」と呼ばれる系外銀河。中央が明るい楕円に見えます。当然ですが、15cmくらいの小口径では暗黒帯からなる「黒目」は見えません。
NGC4565: かみのけ座にある系外銀河。銀河系を真横から見たような形を持っています。15cmでは真ん中がふくらんだ細長い姿に見えます。なかなか美しい天体です。
M65,M66,NGC3628: 獅子座にある系外銀河群。x50の視野内にM65とM66の2つの光芒が浮かんで見えます。それぞれは大して見栄えのするものではありませんが、一緒に見えるところが面白いです。この近くにNGC3628があるはずです。前の2つよりも淡いですが簡単に確認できます。中央の暗黒体までは無理ですが細長い姿は良く分かります。
M104: 有名な乙女座の系外銀河。その特徴的形からソンブレロ星雲と呼ばれています。高度が低く光害の影響を受けていますが、もともと明るいせいか簡単に導入できました。UFOのようなユーモラスな姿がよく分かります。暗黒体も見えるような見えないような感じ。


 3時間程度の観望でしたが結構沢山の天体を楽しめました。数を競うのであれば、もっと多くの天体の導入はできますが、今回は対象をじっくり眺めることに主眼をおきました。勿論30cm級のドブソニアンには到底かないませんが、15cmの小口径でも結構見えるものです。対象をじっくり観察する習慣を付けと天体観測の記録を目的として、そのうちスケッチでも始めようかと思います。もう春とはいえ、かなり冷えてきましたので夜12時半頃撤収としました。帰り道、後部座席に載せていた鏡筒が転倒し、クレイフォードフォーカサーを破損(涙)。とりあえず元から付いていたラックピニオン式に戻し、早急に笠井さんの所へ修理に出そうかと思います。久々にラックピニオン式を使って感じたのは、やはりクレイフォード式は使いやすいと言うこと。早く直さなければ!

今後の対策:
 1.鏡筒の積み方に一考の余地
 2.スケッチをするためのアイテム(赤いランプ、PCへのタブレット導入)

2004. 3. 14
 仕事の記者会見やら海外出張やらで忙しく、前回の新月のチャンスはすっかり逃してしまいました。やっと月が無くなりディープスカイを楽しめるようになったと思ったら、春霞のシーズンとなったようです。あまりしゃっきりとした空ではありませんが、久々に筑波山方面までプチ遠征しました。今回はキノコ山頂上のパラグライダー離陸場です。標高が少しはあるため透明度が良いかと期待しましたが、大したことはないようです。それどころか、西方面は真壁の街明かりが直接目に入るため、観望の邪魔になります。また山の頂上のため風通しが良く、軍手では風が通ってしまい手が寒くて仕方ありません。スキー用手袋を持って行くべきでした。
 眼視で確認できたのは4等星くらいまででしたので、決して透明度の高い条件ではありませんでしたが、つくば市内に比べればずいぶんマシです。手始めにM35を導入してみました。しかし、バックが明るいせいか、星の輝きがイマイチでした。M37も同様にぱっとしません。エスキモー星雲は時間をかけたにもかかわらず、確認できませんでした。冬の星座は西の空にありますが真壁の明かりの影響を受けているので、今回は北と東の空に昇っている春の星座に絞って観望することとしました。
 まずはM97(フクロウ星雲)。透明度が悪いせいか、やっと確認できる程度。フクロウ星雲がこの程度では、辛い観望になりそうです。次にM101。7.7等の割には見にくい!何とか存在が確認できる程度。次はM51、おおぐま座η、24、21と辿っていくと...見えました。2つのぼぉっとした固まりが見えます。しばし観望を楽しんだ後、楽しみに取っておいたM81、82へ。おおぐま座γとαを延長した箇所の星々の並びを双眼鏡で確認。その箇所を14mmで覗くと....ああ、2つの銀河がよく見えます。M81は腕が広がった感じで、M82はゴツゴツとした感じが確認できます。この透明度でここまで見えるのであれば、良い条件で是非とも見てみたいものです。この段階で、かなりからだが冷えてきました。最後に、これも楽しみにしていたM3を観望。アルクツゥールスから星々を双眼鏡で辿ると、明らかに恒星とは異なる、ちょっと滲んだ感じの天体が見えます。これに違いありません。今度は望遠鏡のファインダーで同じように辿り導入に成功。x50、x100、x200で観望してみましたが、高度が低いせいか星々までは分解できませんでした。良い条件でもう一度トライしてみたいと思います。
 今回天体位置の確認にNikon 8x30EIIを持っていきました。72°の広視界と500g台の軽量性は、このような用途にはピッタリでした。光学性能では8x32HGには敵いませんが、天体用途には向いているようです。また、双眼鏡で位置確認ができても、ファインダーは倒立像なので、望遠鏡で同じ箇所を導入しにくい点が問題として残りました。なるべく早急に正立ファインダーを導入する必要がありそうです。
 空の条件は良くありませんでしたが、久々にディープスカイを楽しめた一晩でした。
2004. 2. 1
 ここのところ仕事が忙しくて、なかなかディープスカイ観望の機会に恵まれません。自宅で木星を眺めるくらいでしょうか。今日は風もなくポカポカと暖かい最高の日和だったので、双眼鏡(Nikon 8x32 HG)を持って霞ヶ浦まで出かけました。手前から無限遠まで水鳥が重畳して見えます。また湖面は鏡のように穏やかで、本当に素晴らしい眺めです。波を立てて進む遊覧船、群れをなして飛ぶ鴨、のんびりと毛繕いをする白鳥。いろいろなシーンが視野の中に飛び込んできます。僕は研究熱心なバーダーではありませんが、天気の良い冬の霞ヶ浦はとても楽しめます。今度は、宮内の双眼鏡を持ってきて三脚に据え、じっくりと観望してみたいと思います。
2004. 1. 13
 LPS-P2が少々青付くので、青色をキャンセルするため、ケンコーのW2とW4の2種を購入。この2枚を重ねると青色が薄くなるものの、かなり減光する感じがします。説明書では露出倍数が1.7倍になるとのことですので、当然の結果と思います。W2だけであれば、青色のキャンセルは不十分ですが、惑星を見ない限り青色はあまり気になりません。露出倍数は1.2倍程度なので、こちらをLPS-P2と併せて使うこととしました。W2+W4の2枚重ねによる青色カット効果で、青ハロが減るのではないかと期待しましたが、シリウスを見る限り、あまり効果はないようです。Sirius社の優秀な色収差補正フィルタが、笠井トレーディング経由で販売されていますが、11cmまで絞ればあまり青ハロも気にならないこともあって、最近は購入意欲が減退しています。価格も高いですし、かなり優先度は落ちました。O-III等のネビュラフィルタの方が面白そうです。
 フィルタの効果を試しているうち、木星が昇ってきました。まだ高度も低い上、シーイングはあまり良くないですが、しばし観望を楽しみました。木星はかなり明るい天体なので色収差は出ますが、11cmまで絞ればあまり気になりません。縞の内部構造も確認できなかなか楽しめました。
2004. 1. 11
 実家へ帰省のついでに望遠鏡を持って行きました。空は薄曇りでしたので観望は月と土星。父と母に望遠鏡を披露できました。なにしろナリが大きいので、大変高価な物を購入したのでは?と最初心配していましたが、中国製の安価な物であることを聞いて安心したようです。私の両親の世代にとって、カメラや望遠鏡などの光学機器は、大変高価な嗜好品という印象があります。父も母も望遠鏡を覗くのは初めてだったそうで、とても喜んでくれました。母にとって、107倍における少々小さめの土星が、家紋の様に見えたとのことです。天体を初めて視る印象は、人それぞれで、大変面白いものです。とてもかわいいとも言ってました。父は、53倍で見る月面の起伏と大気の揺れが大変印象深かったそうです。 昼間は、近所の神社や見晴らしの良い箇所へ望遠鏡を運び、父と遠景観望を楽しみました。雪をかぶった浅間山がとても印象的でした。少年の頃、しばしば5cmの望遠鏡で観望した赤城山は、雲に覆われていたため残念ながら観望はできませんでした。天気の良い日に再チャレンジしてみたいと思います。赤城山頂上付近の観望はできませんでしたが、麓の街々は見えました。20〜30km離れた建物(鐘の鳴る丘の赤いとんがり屋根や前橋市の向こうの鳥居)が明瞭に見え、今見ている場所は何処に相当するのかなどと考えたりして、父と楽しい一時を過ごすことができました。途中、通りがかりの消防車が止り、「何か面白い物が見えますか?」と尋ねられました。大きな望遠鏡で覗いているため、とても気になったのでしょう。望遠鏡は、人間の持つ「普通見えない物を見たい」という本能をくすぐりますから。「ご一緒にどうですか?」と誘いましたが、微笑を浮かべながら去って行きました。そのうち、空っ風で父が寒くなってきたので撤収しました。お父様がお風邪を召されては大変ですので。
2004. 1. 5
 9時30分頃より、会社の仲間と万博公園で観望。月齢13.1でしたので、観望は主に月、土星。シーイングはまあまあ。特に説明しなくても、皆さんカッシーニ空隙の存在に気が付いていたようです。皆さんの目の良さにちょっと驚きました。月もなかなか迫力で満足していただけたようです。そのうちに薄雲が広がってきたので、10時30分頃撤収と致しました。今度は暗い空で披露したいと思います。
2004. 1. 4
 以前から狙っていた観望用椅子をホームセンターでゲット。\3,900也。コンパクトな上、椅子の高さを6段に変更できる(32cm〜62cm)ため観望に最適です。Lily Chairなる名前が付いていますが意味不明。同様の椅子が国際光器から発売されており、こちらは12段階に変更できる上、スイング機構が付いていて座部が人の動きに合わせて動くそうですが、\17,800もするので却下。
 今日もそこそこの天気でしたので、いそいそと望遠鏡を自宅前に持ち出し観望を開始。早速、Lily chairの座り心地をチェック。う〜ん、これはなかなか良いです。椅子に座り正しい姿勢で観望できると、気分的にも大部余裕が出てくる感じです。もう手放せないグッズとなりました。さて、今日のシーイングはまあまあ。LVW3.5(214倍)で土星のカッシーニ空隙がよく見えます。それから月面を観望し、2重星を楽しんだ後、年賀状の返事を書くため一旦家の中に退却。仕事が済んで観望再会と思ったら、すっかり曇ってました。雨に降られるのもいやなので、今日は撤収と致しました。
2004. 1. 3
 新年あけましておめでとうございます。本年の初アイテムはVixenのLVW3.5です。Vixenのバローの性能が低く、Pentax XL7と組み合わせる満足の画質が得られなかったからです。XL7で見えていた木星の縞が見えなくなったり、北極星の伴星が消えたり、ちょっとがっかりでした。折角高価な方(31.7DX)にしたのに....泣)。ともかく、これで3.5、7、14、32mmが全て、アイレリーフ20mm、見かけ視界65°で揃いました。ちょっと贅沢かも知れません。
 さて肝心の見え味ですが文句なくよく見えます。214倍で土星のカッシーニがぐるりと一周明瞭に確認できます。また、極付近の濃い模様や本体の縞模様も確認できます。但しSchwarz150Sの場合、対物レンズ周辺部は過剰補正になっているようで、高倍率で視る場合は対物キャップの絞りを入れた方がよいようです。実効11cm位になりますが、フレアや色収差が格段に減り、とても見やすくなります。元々はリッチフィールド向け鏡筒として購入しましたので、ここまで見えれば合格でしょう。月面観望の場合も絞りをいられた方が良いようです。フレアと色収差がぐっと減り、月面の細かな起伏が手に取るように分かります。
 フリーストップ型の経緯台ですが、広視界型アイピースのおかげで、200倍でも十分手動追尾可能です。但し、少々振動があり、高倍率では微妙なフォーカシングがやりにくいことも間々あります。これは今後の課題です。場合によっては、三脚を別の物に変更する必要があるかも知れません。
 観望を楽しんでいるうち、急にシーイングが悪化。木星が出る夜半過ぎ(2時)まで粘りましたが、シーイングはいっこうに改善されませんでしたので撤収と致しました。
2003. 12. 28
 天気予報通り快晴。真壁までプチ遠征。10頃現地到着。5等星まで見えるまずまずの空。本日の観測のメインの目的は、光害カットフィルタ(LPS-P2)の効果確認です。XL14を付けM42を導入。背景はかなり暗く落ち、天体写真で見るようなM42の大きな広がりを確認できました。美しい!見とれること数分。フィルタを外すと、これ程大きな星雲の広がりには見えません。しかしM42はネビュラーフィルタでもコントラストが強調できるため、ネビュラーフィルターでは効果のない系外銀河に挑戦。M31は既に南天低く光害の中に埋もれています。3等星がやっとという状況ですがXL14で導入してみます。驚いたことに、かなり見えるではありませんか!しかもM32とM110も確認できます。これには驚きました。このフィルタ、かなり使えそうです。
 フィルタの効果に一安心したところで、観望を楽しみました。まずは、散開星団巡り。お決まりのM35、M36、M37、M38。フィルタ装着によりバックが暗く落ち綺麗です。h-χの美しさにはため息が出ます。次にカニ星雲に挑戦。これも余裕で導入できます。今まで何となくぼんやりとした存在だけでしたが、微光星の中に浮かぶ星雲という感じで、佐渡島形にも見えます。これには満足。この後、M78、M41を流した後、おおぐま座へ。フクロウ星雲(M97)は余裕で確認。しかしフクロウの顔までには見えません。もう少し高度があれば見えるのかも知れませんが。M97のそばにM108の細長い姿も確認できました。試しに望遠鏡のフードを11cmに絞るとM108は確認できませんでした。15cmの威力と言ったところでしょうか。次に前回視ることのできなかったりょうけん座の子持ち星雲(M51)に挑戦。おおぐま座のη星からコルカロリ方向まで辿っていくと....ありました。高度が低いためか腕までは見えませんが、2つの星雲が寄り添っている姿が分かります。春になって高度が上がってきたらとても楽しみです。コルカロリは2重星とのことですが、これは余裕で分離。コルカロリのそばのM94も確認。結構明るいのですぐに分かりました。東の空を視ると、獅子座も結構昇ってきました。γ星を導入し2重星を楽しみました。カストルとよく似ています。そのうちに木星も昇ってきました。高度はまだ低いので縞は2本程度しか確認できません。
 そうこうしているうちに夜も1時になったので撤収と致しました。機材撤収時、機材に霜が降りていたことに気が付きました。道理で寒くなってきたわけです。
 
2003. 12. 27
 何処のショップへ問い合わせても売り切れで入手ができなかった、アイダスの光害カットフィルタをやっと入手できました。都内へ出たついでに立ち寄った誠報社に立ち寄ったところ、午後1〜2時の間に入荷予定と言うことだったので予約を入れました。午後、再度誠報社に立ち寄り、フィルタを購入。フィルターがバージョンアップされたそうで、LPS-P2と型番が更新されていました。変更点は、赤外カット効果、薄膜の耐久性強化のようです。しかも誠報社のセールで、10%オフで購入できラッキーでした。ついでにビクセンの高級2倍バローレンズも購入。本フィルタは、水銀とナトリウムの輝線スペクトル以外の波長を極力透過させる特性を持っており、星団や系外銀河観測にも効果のある稀少なフィルタです。誠報社のある店員は、ほとんど効果がないと言っていましたが、ネット上の信頼できる筋で効果が認められるとの報告がなされています。
 夜に早速フィルタの効果を試してみました。今日は、自宅前の環境でテスト。快晴だけど、街明かりの照り返しで3等星がやっと。フィルタ無しではKonig-32では背景が白んでいますが、フィルタを付けると背景が暗くなりコントラストがあがります。XL14では倍率が高いため、背景はさらに暗くなりとてもいい感じです。早速M32を観測。星雲の淡い領域が明らかに広がり、ワンランク空の暗い場所へ行った感じがします。但しフィルタは若干青い色が付いているので、明るい星を視ると色の変化を感じます。しかし、それほど気になる程ではありません。次に、CL14のままM1を導入。3等星しか見えない空なのに余裕で存在を確認。試しにフィルタを外してみると探すことができませんでした。やはりこのフィルタは効果があるようです。M35、M45を観望して撤収。明日は天気も良さそうだし、真壁までプチ遠征して、フィルタの効果をゆっくり試そう。
2003. 12. 22
 帰宅したのが遅かったけど、そこそこの透明度だったので真壁までプチ遠征。11時40分頃到着。5等星は見えていたように思います。まずはM1、M78、M42、M45、M31、M35-38、h-χ、M44を観望。M35はいつ見ても綺麗です。よく見るとM35の横にぼんやりとした雲のような物が!どうやらNGC2158のようです。15cmでは個々の星までは分解できないようです。次に、これまで視ていなかった天体にも挑戦。まずはウサギ座の球状星団M79に挑戦。α->βと辿り、これを南に延長して行くと雲のような天体。アイピースをXL7(107倍)に変更してみても、低空のせいか個々の星までは分解できそうにありません。次に、おおぐま座に望遠鏡を向けβ星のそばのM97を導入。丸い星雲状天体を確認。残念ながらフクロウの顔までは見えません。ついでにりょうけん座のM51に挑戦するも、低空のため確認できず。次に獅子座に移動し、θ星のそばの銀河群を観望。何となく存在が分かる程度。もう少し高度が高くないと面白くないようです。これから春の星座が見やすい季節になります。春は系外銀河が多く楽しみです。それから木星も。1時間ほど観望した頃、寒くなってきたので撤収としました。
2003. 12. 21
 昨日の強い風が収まったのでプチ遠征でもと思っていたのに、透明度がイマイチ。仕方なしに自宅で観望。シーイングは結構良く、土星のカッシーニは1周確認できました。リゲルとカストルも余裕で分離。M32、M45、M35をしばし眺め今日は撤収。
2003. 12. 19
 まずまずの透明度だったけれど、帰宅したのが遅かったので自宅で観望。時間的に遅かったので、普段は観望できない春の星座が昇ってきました。M44はKonig-32(23倍)でも倍率が高すぎますね。可愛らしい姿は、双眼鏡で十分楽しむのが一番良いようです。そのうち、東の空に明るい天体が昇ってきました。木星です。望遠鏡を買って以来、木星の姿を拝むのは初めてです。しかし高度が低いためシーイングが悪く、模様がはっきりしません。それにしても15cmで視る木星は明るいですね。木星観望はこれからの楽しみになります。眠くなってきたので、春の星座に少々未練を残しながらも、撤収。
2003. 12. 14
 昼は快晴だったのに夜の空の透明度は今ひとつ。ちょっとガスっているようです。3等星がやっと。思い切って真壁までプチ遠征。真壁の空は綺麗でした。5等星まで見えてました。早速観望開始。konig-32とXL14をとっかえひっかえしながら大筒を振り回す。まずは、お決まりのM42。うーむ、さすがに空が暗いとガス雲の広がり面積が違うし、明暗構造もくっきり。中国製とは言え流石15cm、宮内の6cm双眼とは別世界。また、少しだけれど緑色を感じる。次もお決まりのM45。つくば市内で見るのと比べバックの星の数が違いますね。そうだ、まだ時間的に早いので秋の星座も楽しめるはず。秋と言えばM31。M31のある南側はつくば市、土浦市の光害で空がちょっと白けているけれど、堂々たる姿を確認。暗い部分も見えるため、市内で見るよりかなり大きく感じます。M32とM110も余裕で見えました。M31と言えばM33。うーん、こちらはかなり淡いイメージでしたが存在は確認できました。次は高度が高くなってきたM1。佐渡島形に見えるような見えないような....。
 ここでコーヒーで一服。落ち着いたところで、今度は趣向を変え、XL7で高倍率観測。まずは土星。カッシーニを一周確認。まずまずのシーイングのようです。そこで昨日分離できなかったカストルに挑戦。楽勝で分離。綺麗に2つの星が並んでます。もう一度M42を導入。107倍でも結構濃く見える物ですね。M42はどの倍率で見ても楽しめます。
 再びアイピースをkonig-32とXL14に変更し低倍率観測。市内では見ることのできなかった、ウルトラマンの故郷M78を導入。シミのような姿を確認。あまり面白い対象ではありませんね。次は、散開星団巡り。XL14で見るM35は、視野いっぱいに微光星が広がり素晴らしいです。次にぎょしゃ座のM36、M37、M38。双眼鏡で見る姿も可愛らしいのですが、XL14で見るM37は圧巻です。じっと目を凝らすと、雲のような姿が多数の微光星に分離されます。眺めていても本当に飽きません。しかし、まだ観望用の椅子を入手していないので、なかなか落ち着いて楽しめません。早急に何とかする必要がありそうです。そうこうしているうちに、東側の空が明るくなってきました。月が出たようです。明日は会社もありますので、11時前ですが撤収といたしました。
2003. 12. 13
 月齢も進み(19.2)、月が昇ってくるまでちょっと時間があるので観望を楽しみました。鏡筒にHF経緯台のプレートが装着されているため少々重いですが、経緯台付き三脚と鏡筒部を持ち出せばよいので、設置はとても簡単です。アイピースもKonig-32、XL14、XL7の3つになり、とりあえず最低限の物が揃ったという感じです。いずれも、広視界(65°)・長アイレリーフ(20mm)なので、落ち着いて観望ができます。家の前なので、透明度は今ひとつ。4等星が見えるかどうかというところ。ごく最近購入したXL14(54倍)を試してみました。視野の極周辺部で星像は流れるものの、ほぼ視野全域フラットで、十分満足の行く結果が得られましt。広視界のおかげで、h-χも何と視野に収めることができます。54倍で見るh-χはなかなかの迫力です。M45は完全にout of rangeで、Konig-32の方が向いているようです。M35はこのアイピース向きの大きさでとても綺麗です。しまった!M35を見たついでにNGC2158にも挑戦しておけば良かった。今度の課題としておきましょう。ここでアイピースをXL7に替え107倍で火星を狙う。さすがに火星の視直径は小さく、100倍程度では小さな円に少々の黒い模様が見えるだけです。最低でも200倍が必要でしょうか...。そのうち土星も昇ってきたのでトライしてみる。カッシーニが不明瞭。どうも今晩はシーイングがイマイチのようです。そんな状況でも、北極星とリゲルの二重星分離は楽勝でできました。次にカストルの分離にトライしましたが、このころから急激にシーイングが悪化したため、団子状態に見えるだけです。寒くなってきたので撤収。
2003. 11. 21
 EYEBELLに発注していた架台関係のパーツがやっと届きシステムが完成しました。一通りシステムをくみ上げ、期待通りの動作をすることを確認aB但し、EYEBELLに依頼していた部品(鏡筒の重心を下げたり、アリミゾ金具の高さを上げるための金属加工部品)は、アルミを加工しただけの状態であり、塗装や面取りの後処理が全くされていないため、後日何とかする必要があるでしょう。



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