もうひとつの
麻雀大会物語!

 せいちゃんは、毎年大晦日は友人の家で過ごすことになっている。これは、せいちゃんの友人が書いたものであり、すべて実話である。

 高校時代から続いてはや16年。すでに年末年始の風物詩となり、たとえ普通は家族と過ごすであろうと云われようが、ぼちぼち彼女と初詣に行ってもいいんじゃないかといわれようが、恒例行事である。「か」と「し」のつく者(注1)として、もはや逃げることはできない、いわば強制行事の一つ、いや一大イベントである。それは世の中がミレニアムと騒いでいようがまったく関知しない静かな始まりだった。いったい誰がこれからせいちゃんが描く地獄絵図を想像しただろう。。。。。。。。。

 PM8時過ぎ。例年会場となるあっくんの家に集合。十数年目にしてようやくあっくんの母の誕生日前夜ということに気がついたせいちゃんとヒロくんは礼儀正しく、そしてあっくんの母に誕生日プレゼントを用意して現れた。まずは、1900年代最後および2000年最初のご迷惑と挨拶をし、そして、あっくんの息子に一足はやいお年玉。テーマは2000年。やはりせいちゃんにはテーマがあった。こんな細かいことにまでこだわりを見せ、あっくんず‘マザーには2000年ラベルのワイン。あっくんず‘さんには出た!ゴジラ2000のビニール人形だ。彼らしい選択だ。果たしてこの人形があっくんず’さんの支持を得たのかどうか、それは後日談としよう。

 挨拶はあくまでも礼儀正しく、ただし、簡潔に!の見本のような挨拶をすませ、会場となる部屋に進む。とりあえず、1年ぶりのメンバーの集まりを祝してビールで乾杯。これから始まる戦いを前にみな遠慮がちである。仲のいいメンバーが久しぶりに集まったのである。彼女はできたのか、おろしたての新車はどうなのか、仕事の調子はどうなのか、積もる話はたくさんある。しかし、このメンバーにそんな俗世間なみの会話は必要なかった。集まって顔をみればすべて理解しあえる。そう、お互い顔を見ただけですべてを悟ったのであった。おもむろに牌をとりだし、誰がいうでもなくポジションにつく。スタンバイOKである。

 PM8時?分。開始。みんな1年ぶりの牌である。手元がおぼつかず、役もすっかり忘れている。ええと、、どうだっけなんて云っているそばから調子よく上がる奴がいる。ヒロくんである。昔からお茶目な彼は抜け目がなく、それとなく手を育てちゃくちゃくとあがる。あれよあれよという間に半ちゃん終了。まぁ、ファミリー麻雀でドンジャラ(既に死語か)と一緒という彼はトップで終了。例年
悪魔・鬼と呼ばれるせいちゃんは最下位。珍しい。しかし、これがせいちゃんの作戦だとはまだだれも気がついてなかった。

 既に時間はわからない第2回。なんとなくせいちゃんの手のひらで遊ばれているヒロくんとあっくん。平等に勝った気にさせて最後に骨の髄までしゃぶりとる作戦か。ここでなにも知らない無邪気なあっくん。トップでひたすら喜ぶ!

1999〜2000年 恒例年越し麻雀大会結果一覧

 

 啓くん 

 あっくん 

せいちゃん

ひろしくん

 英くん  

第1回

+60

−28

−32

 

2000年
問題対策
のため
欠席

第2回

−31

+56

−25

 

第3回

−50

−60

+110

 

第4回

−38

+51

−13

 

第5回

−90

−50

+111

+29

第6回

−87

−59

+154

−8

合 計

−236 

−90 

+305 

+21

 そして第3回。上の表をみれば分かるようにヒロくん、あっくんとくれば、次はせいちゃんといいながらせいちゃんトップ!紅白歌合戦の美川の憲さんと小林のさっちゃんの衣装対決に気を取られて放ったチャーソウが親の3倍マンにあたった事故があったとはいえ、一撃必殺。一気に取り戻す。

 第4回。Y2K対応で帰省ができなかった英くんにお疲れ電話!そして恒例の年越しそば!Iモードは5分前にはしばらくお待ちくださいの表示で使用不可となる。これはもしかしてY2Kで交換機が落ちたか〜!!交換機が落ちたら呼び出しの電話もかからない。よし、もう安全だ!そしてカウントダウン!!おめでとう。今年もよろしく。そしてよい子のみなさんは真似しちゃいけませんって、掟破りの英くんにおめでとうコール!ってかかるわけがない。 この浮かれ気分のなかちゃっかりもののあっくんすかさずTOP!をGET。

 第5回。ここ数年、業務多忙につき出席できなかったひろしくん到着。ギャップがありすぎたのかペースが思いっきり違う。ペースを乱されたヒロくん撃沈。ペースが崩れたところに追い討ちをかけるせいちゃん。直撃こそ回避するが一人、ツモ上がる。3打ちで一人抜けのひろしくんはさんざんペースを乱したあと、抜けるという格好の場所に座っていたために、被害ゼロ!ここで、例年どおり本領を発揮しだしたせいちゃんは一人勝ちに勝ちを重ねついに8本場に突入。たとえ、リーチイーペーコで上がってもせいちゃんにとっては親の役満という環境を着々と築き上げた。恐れをなしたひろくんとあっくんは直撃を避けようと勝負手でなければべた下り。これが逆手となった。悪運の強いせいちゃんはべたべた下りの二人にこれでもかというツモを見せ、親の役満一発。一気に勝負を決めた。長かった第5回も終わってみればごらんの結果。

 第6回。気を取り直していくぞと気合を入れた二人。そして、自分の番が終わり、せいちゃんが描いた地獄絵図の下絵をなかば寝てみていたひろしくん。僕の番まだ?となんとも気の抜けたスタートであった。思えば、第5回に地獄絵図の下絵は完成していたのであった。何事もなく進むかと見えたこの第6回。ついにせいちゃんの地獄絵図は完成された。あっくんの捨てた「白」「發」を鳴き、だれもがまさか大三元!と恐れをなした。ここは鳴かせたあっくんの責任といわんばかりのヒロ君も視線が冷たい。この時点で150は沈んでいるヒロ君の気持ちは痛いほどわかる。二人して直撃を避けるべく、ひたすら下りる。しかし、通じなかった。あの第5回で見せた彼の鬼づも!24000ALL。みんな持って集まれ!!やってくれた。ミレニアム第1号。役マン。そう。毎年、何回かでる役マン。やっぱりでました。しかも、一番でてはいけない人の下に。。。。ここで、既に箱になったヒロくん少しぐれはじめる。が、初ものでメデタイ!との意味不明な言葉にだまされて再チャレンジ。が、いけません。大三元の直後にスーアンコ。そんなめったにでない役マンが2回連続して出るわけがない。完全に怒り心頭に達したヒロくん、あっくん。ここで強制終了宣言。やっとれるか、そんなもん。素人相手に積み込んじゃぁいけません。本当にいけませんです。が、紳士の二人は最後まで、一応やりました。箱になってリーチ棒がなくなっても、がんばりました。

 毎年、極悪非道な所業をおこし、友達を無くすぞ!といっても一向に答えない、約1名。本当に友達なくすよ。怒り心頭に達したヒロくんの言葉を最後にあっくんの家を去ったのでした。時間にしてAM6時すぎ。あと、1時間ちょっとで初日の出だったのに。。。

 来年は、みんなそろって平和に初日の出が見れるといいな〜。


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