春休みはだまされる…



「だます(騙す)」
 
 @うそを言って、相手にほんとうだと思いこませる。[類]あざむく・たぶらかす・ごまかす・いつわる
 A[きげんをとって]なだめる。[類]すかす
 B[「だましだまし」の形で]こわれないようにじょうずに動かすようすをいう。


 国語辞典には上のように書かれている。別に、生徒に嘘を言われたわけではないので、どうも「だまされる」という表現は適切ではないようだ。けれども、せいちゃんの気分にはぴったりの言葉だ。

 春休みは、1年間の出来事が全部素敵な思い出になる。4月から3月の1年間にどんなに苦労をしていたとしても、どんなに手がかかった生徒がいたとしても、全て素晴らしい思い出になって、時に懐かしく、時にかわいく思い出されるのだ。とにかく、全部いい思い出になって、新しいクラスが本当に楽しみになってくるのだ。そして新学期を心待ちにして、せいちゃんも学級通信を作成したり、教材研究などをしたりして、やる気がみなぎっている!

 ところが、新学期が始まると、服装・頭髪が乱れたままの生徒との出会い・遅刻・欠席・無断早退などの生徒との出会いなどの災難がふりかかってくる。これが、「だまされた…」と気付く瞬間!である。この瞬間が何時くるかが、幸と不幸の別れ目である。この瞬間が遠いほど、教員は幸せなのかもしれない。案外、早めに現実を知るのも幸せなのかもしれないけれど…。

 教員という仕事をしている以上、少々辛抱しろ!とか、プロなんだから・・・という声が聞こえてきそうだ。でも、これは決して楽がしたいとか、手のかかる生徒がいると面倒だとか言っているわけではない。やる気はあるのだ。でも、生徒とのコミュニケーションが上手く図れなかったり、遅刻・欠席・早退などの指導や頭髪・服装指導に取り組んだえいした後に残るのは、充実感ではなく、疲労感なのだ。分かってくれるかなぁ?

 今年度が始まって1週間。せいちゃんのクラスの生徒に、せいちゃんは「だまされたまま」である。ありがたいことだ。このまま1年間「だまされたまま」続くといいんだけどなぁ…。



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