04'春京都 桜編
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 京都の桜は1ヶ月位の期間楽しむ事が出来ます。早咲きの桜から始まり、ソメイヨシノでピークを迎え、少し遅れて紅枝垂桜、4/中旬頃より御室桜や八重桜へと移り咲きます。今年は1週間間隔で、ソメイヨシノ、紅枝垂桜、御室桜を写真に収めました。

渉成園 shoseien

 4月の第1週でソメイヨシノが見頃を迎えていました。約35,000uの広大な印月池を中心にした池泉舟・廻遊式庭園で、江戸初期に石川丈山の作庭と伝わります。これだけ広大な池や庭園がありながら、京都駅からも近く、隠れた桜の名園といえるでしょう。当日は偶然にも粥膳をいただく催しがあり、幸運にも当日券で召し上がることが出来ました。

平安神宮 Heian Shrine

 「あの、神門をはいって大極殿を正面に見、西の廻廊から神苑に第一歩を踏み入れた所にある数株の紅枝垂 - 海外にまでその美を謳われているという名木の桜が、今年はどんな風であろうか、もうおそくはないであろうかと気を揉みながら、毎年廻廊の門をくぐるまではあやしく胸をときめかすのであるが、今年も同じような思いで門をくぐった彼女たちは、たちまち夕空にひろがっている紅の雲を仰ぎ見ると、皆が一様に、「あー」と、感嘆の声を放った。この一瞬こそ、二日間の行事の頂点であり、この一瞬の喜びこそ、去年の春が暮れて以来一年に亘って待ちつづけていたものなのである。」
                                            「細雪」 谷崎潤一郎

 みごとななのは神苑をいろどる、紅しだれ桜の群れである。今は「まことに、ここの桜をおいて。京洛の春を代表するものはないと言ってよい。」 千重子は神苑の入り口をはいるなり、咲き満ちた紅しだれ桜の花の色が、胸の底にまで咲き満ちて、「ああ、今年も京の春に会った。」と立ちつくしてながめた。
                                            「古都」 川端康成

 4月の第2週に訪ねました。ここでは神苑に咲き広がる紅枝垂桜が見頃を迎えていました。私が京都で観る桜の中で一番好きなのが”平安神宮”の神苑です。毎年必ず観に来ています。前記にも紹介したように、昭和の文豪達が愛した京洛一の桜だと思うからです。50年位前の景観を二人の文豪は小説に記していますが、現在とそう大きくは変わっていないと思います。「細雪」のヒロイン四姉妹が毎年芦屋から観に来るのを楽しみにし、「古都」では二人のヒロインが桜見に一緒に歩いた舞台でもあります。この時期に京都を訪ねたら、京都の雅な春を感じられる”平安神宮”をお勧めします。

仁和寺 Ninnaji Temple

 4月の第3週に訪ねました。京都でも遅咲きの桜として知られる御室桜です。ボタンのように大きめの桜で、古寺との景観がとっても似合います。仁和寺は世界遺産にも登録され、平安時代前期に創建されたお寺です。平家物語や徒然草、数々の俳句にも登場します。

 〜撮影後記〜  今年の桜はマニュアル一眼レフとデジカメで撮影しました。マニュアル一眼レフはCanonNewF−1で、今年新たにNewFD85mmf1.2Lレンズが加わりました。このレンズはとってもシャープで明るいです。ポートレートレンズといわれる口径で、手持ちでの撮影が楽しく、何かいい写真が撮れるんではないかと期待してしまうレンズです。最近ではデジタルカメラが普及し、誰でもきれいな写真が簡単に撮れるようになりましたが、マニュアル一眼レフにリバーサルフイルムの組み合わせでこれからも撮り続けていきたいと思います。

 〜撮影器材〜
Canon NewF−1(マニュアル一眼レフ)          
Canon NewFD85mm F1.2L、 NewFD50mm F1.4、NewFD70−210mm F4
Fuji   ベルビアRVP


Canon PowerShotA70(デジカメ)