カラヴァッジョとは?

カラヴァッジョ CARAVAGGIO(1571〜1610)
本名:ミケランジェロ.メリ−ジ   Michelangelo Merisi da Caravaggio

1983年に10万リラの絵柄に採用されたカラヴァッジョ(当時の最高額紙幣)


「消えたカラヴァッジョ」読書感想

カラヴァッジョのポイント
イタリアの鬼才
光と影の巨匠
ベラスケスもレンブラントもフェルメ−ルも。みんなこの男の絵に学んだ
絵画の革命児にして無頼の殺人者
その絵描き、凶暴につき...
10万リラ紙幣(イタリアの現在の紙幣)の肖像画の男
17世紀。ヨ−ロッパ絵画は、フエルメ−ル。レンブラント。ル−ペンス等の巨匠の時代を迎えるが、その先陣を切ったのがカラヴァッジョである。
恐るべき写実手法、強烈な明暗法を武器とした革命児であった。
名声につつまれながらも、無法な時代に生きた者の宿命といえるが、剣を片手に無頼の日々。ついには殺人を犯し、逃亡と流浪のはて、わずか38歳で熱病で死ぬ。

カラヴァッジョの絵が日本に来た。日本初の展覧会である。
フェルメ−ルのファンとしては、これは見落とせない。
愛知県は、岡崎市の「岡崎市美術博物館」に飛んでいった。
(往復500kmのドライブになったが)
【展覧会】
カラヴァッジョ 光と影の巨匠−バロック絵画の先駆者達
  岡崎市美術博物館 2001年12月22日〜2002年2月24日
今回は、東京都庭園美術館と、ここだけ、後で分かったことながら、
岡崎市は東京都より2作品少ないという。
朝日新聞によると東京では東京都庭園美術館の開館以来の新記録18万人を記録したとのこと。
*岡崎市では、展示されなかった作品
  祈る聖フランチェスコ
  エマオの晩餐---残念

岡崎市美術博物館 入り口の看板

1.展示作品

果物かごを持つ少年
Boy with a Basket of Fruit

1593 制作
作品の大きさ 70 x 67 cm
ボルゲーゼ美術館 所蔵
(Galleria Borghese, Rome)
美術博物館に入り、例によって挨拶や説明のパネルを過ぎると、最初の展示が、この作品で、いきなり感動を与えてくれる。岡崎城他市内に張り出されているポスタ−や入場券は、この絵である。美術博物館前の巨大な看板はナルキッソスであった。
背景で光と影が交錯し、背景の明るいところに黒い髪、暗いところには、肩から腕にかかる光の当たっている部分を配した構図。なんと言っても、果物かごの中がスゴイ。写実の極みと言える。拡大図を見ると分かるが、右側のぶどうのキラキラした描写を含め、今でも食べたくなる色である。

果物をむく少年
Boy Peeling a Fruit

1593 制作
作品の大きさ  75,5 x 64,4 cm
個人所蔵 ロ−マ

この作品は、カタログでは、「帰属」と表示されている。カラヴァッジョの作品は、多数のコピ−が出回っていることでも有名なので結論が出ていないということか。又その評価が20世紀に入って見直された為に、今なお新発見もある。現存する本物は60点前後と言われている。(ちなみにカタログには、59点が紹介されている)
この絵には、宗教的な寓意があるのだが、それはともかくとして、背景は闇、少年の前面からの光が、服と肌に当たっているがその微妙な反射の違い、光の中に出来る影。

執筆する聖ヒエロニムス
San Girolamo scrivente

1606 制作
作品の大きさ  112 x 157 cm
ボルゲーゼ美術館 所蔵
(Galleria Borghese, Rome)
聖人が苦悩しながら真実を求める絵とのことだが..。机の上の頭蓋骨、聖人の頭の光、白と赤の布に当たる光。さすが..。
当時は、公開処刑が常に行われるような時代。机の上に、こんなものがあっても不思議はなかったりして...。

瞑想の聖フランチェスコ
St Francis

1606 制作
作品の大きさ  125 x 93 cm
バルベリーニ国立博物館
(Galleria Nazionale d'Arte Antica,Rome)

これまた、頭蓋骨である。聖フランチェスコは偉大な聖職者である。法衣のツギハギや綻びは究極の貧困を表している。写真では分かりにくいが、顔もいかにもというやつれ具合である。

マグダラのマリアの法悦
Maddalena in estasi

1606 制作
作品の大きさ 106x91 cm
個人蔵、ロ−マ

写真では分からないが、左目からは涙が出ている。首筋から肩、胸にかけて光が当たる場所の描写は艶めかしく感じられる。

ナルキッソス
Narciso

1597 制作
作品の大きさ 113.3x95cm
バルベリーニ国立博物館
(Galleria Nazionale d'Arte Antica, Rome)

これは、「ナルシスト」の語源である、神話の一場面。泉に写った自分の姿に恋して泉に落ちておぼれ死ぬ。彼の体は、水仙になったという、良く知られたお話である。良くある素材ながら、ここまで1部分に絞って描かれているのはない。青年の顔もいいし、肩を中心にした光の描き方はスゴイ。
美術館入り口の巨大なポスタ−は、この絵であった。

岡崎市美術博物館の隣のレストラン「セレ−ノ」
今なら、ここで、ランチに、その名も「カラヴァッジョコ−ス」がある。2500円。
生ハムとゴルゴンゾ−ラチ−ズ
手打ちパスタ
和牛モモ肉の煮込みロンパルディア風
リコツタチ−ズのトルタ
エスプレッソ
どこが、カラヴァッジョなのか聞き漏らしたが、なかなかおいしい。座席数が少ないので、早い目に。


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