粉河寺
第五十四番
寺名 粉河(こかわ)寺
山号 風猛山
宗派 粉河観音宗総本山
所在地 和歌山県那賀郡粉河町
青州の里
SPOT
本堂 西国三十三所巡礼の寺の中で最大の大きさを誇る(重要文化財)
粉河寺は、西国三十三所巡礼の第三番札所である。
粉河寺の縁起
宝亀元年(770年)のある日、猟師の大伴孔子古が山中で霊光を発する場所を見た。霊光を見た孔子古はこの地が霊地に違いないと考え、ここに草庵を立てたと伝えられている。
この小堂に童男大士が訪れ、七日間、堂に籠もって仏像を刻み、これを本尊にするようにと孔子古に与えたといわれており、翌日、童男大士が去ると、その仏像は金色に輝く観世音菩薩になったという。孔子古は童男大士こそ観世音の化身と考え、以後、殺生をやめ供養礼拝したといわれ、これが粉河寺の創始と伝えられている。
この縁起は国宝に指定されている「粉河寺縁起」という紙本著色絵巻に描かれているが、原本は京都国立博物館に寄託されている。本堂に複製品が展示されている。
内陣には、伝.左甚五郎作「野荒らしの虎」( 徳川八代将軍吉宗が寄進したと伝わる)もあります。
なお、2008.10.1〜10.31の粉河寺で秘仏「千手観音」開帳はブログをご覧ください。

桜の季節は、それに華やかさが加わり、何とも言えない位にいい。


Snap shot
庭園 国指定文化財 名勝
桃山時代の枯山水の庭園で本堂前の左右崖地に築庭され、日本の庭園の中でも他例のない様式である。
巨石を十分にかつ自由に使いこなし、豪快な造形を呈している。
用いた紀州石は雑賀崎の青石(緑泥片岩)、琴浦の紫石(紅簾片岩)、竜門山の竜門石(蛇紋岩)の名石。雑賀崎、琴浦は和歌山市。竜門山は寺から国道24号に出て、そのまままっすぐ行く。


大門(重要文化財) 大門の金剛力士像 右 (仏師 春日の作)
大門の金剛力士像 左 (仏師 春日の作) 中門(重要文化財)
正面の軒の額には山号の「風猛山」の文字がある。第10代紀州藩主.徳川治宝(はるとみ)の筆。 不動堂
御池坊(本坊) 童男(どうなん)堂 
童男行者を祀っている。朱色と白がいい雰囲気。
仏足石 出現池
本尊千手観音の化身といわれる童男行者が、白馬に乗って、この池から出現したと言われる。
祠の中は、童男大士(童男行者)の像。
童男大士(童男行者)の像 三角堂(千手観音) 出現池の左側
馬蹄石 出現池の右側 露座仏
阿弥陀如来坐像 1862年
太子堂 手水舎
多くは石材の水盤、それを覆う建物で構成されているのが普通だが、ここは鋳物製(粉河鋳物)蓮の形で花托の部分から水が出る(1755年製) 念仏堂
素晴らしい形の剪定 六角堂  本堂から写す
牧水の歌碑
粉河寺
遍路の衆の 打ち鳴らす 鉦々きこゆ
秋の樹の間に

美しい明朝体の文字がすっきりしている歌碑
芭蕉の句碑

ひとつぬきて うしろにおひぬ ころもがへ
丈六堂
丈六とは一丈六尺の略
丈六堂
一丈六尺の阿弥陀如来が安置されている
千手堂
正面に突き出た一間の向拝が優美な形を作っている
本堂の軒裏
整然と並んだ垂木、彫刻が見事
踞木地の楠 町指定天然記念物
寺伝によれば「光仁天皇(宝亀元年、西暦770年)の頃、大伴孔子古はこの木に踞して下を通る鹿などを・・・・・」と記されている。
人が小さく見えます。
踞木地の楠の根元
十禅律院 龍宮造の門
紀州徳川家八代藩主重倫(父)、十代藩主治宝(子)ゆかりの寺。
粉河産土(うぶすな)神社
粉河寺の鎮守
中門の四天王像
中門には、正面と背面と合わせて四天王が安置されている。
正面 背面
【左】 多聞天 【右】  広目天 【左】 増長天 【右】 持国天
青州の里
和歌山が生んだ偉人の一人。医聖 華岡青州の生誕地那賀町は粉河寺から近い。
マンダラゲを使った全身麻酔薬の開発で世界的に有名。往訪した時は、TVドラマの放映中であった。(NHK 華岡青州の妻)
華岡青州像 フラワ−ヒル ミュ−ジアム
黒川紀章設計
会場前
華岡青州とマンダラゲの花
花は造花でした。
春林軒
青州の住居兼診療所兼医学校
展示にいろんな趣向が凝らされている。昔の和歌山弁で話しているのがいい。元々和歌山弁は、京都弁に対抗出来る位に上品だったのよ。
野半の里
青州の里から暫く車を走らせるとJR笠田駅の近くに、野半の里がある。老舗の蔵元が運営している。地ビールを飲み干す・伝統の銘酒に酔う・旬を味わう・天然温泉で癒す。花いっぱい、楽しさいっぱい大自然に囲まれた心のふる里。
食事處「こんにゃく座」
他にも2ケ所の食事処がある。
鰻セット 1575円
なかなかおいしい。

朱印

五木寛之の一言
道教における<道>とは、相反するいろいろな人たちが共に存在しうる場所のことだという。巡礼路は、まさにその意味での<道>なのではあるまいか。粉河寺もまた、西国三十三所の第三番札所という<道>の一部である。その<道>を流動していく人びとは、ここを通過してなにか大きな力を得てきた。そして、また次の寺への道をめざしていく。
kazu_sanの一言
えんじゅの木のふくろう。

「えんじゅ」という木は中心が茶色、周辺が白という変わった木。その特色を活かし、削る厚さによって白と茶色が出る。着色しているのではないところが面白い。目線が合ってないのが手作りの良さ(笑)
青州の里の「ふるさと物産シヨップ」で買った。

*えんじゅの木は古来より魔よけや厄除けなどに使われ、縁起の良い木と言われている。木へんに鬼と書いてえんじゅと読む。堅い材質で年数が経つにつれてきれいなツヤが出る。最近では床柱にも使われる。


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