立体曼荼羅

東寺の講堂には普通は絵画として表現される「曼荼羅」を、「立体表現」した世界が広がっている。

空海(弘法大師)の指導のもと、二十一体の仏像を配置。
その内訳は、五仏(五智如来)と五菩薩・五明王・四天王に帝釈天と梵天を加えたもの。
空海没後4年を経た承和六年(839)6月15日に完成、開眼された。

火災消失・地震倒壊などにより、中央の五仏(重要文化財)及び、菩薩の中心である金剛波羅蜜多菩薩の計六体は後補されたが、他十五体は全て平安前期を代表する国宝。


東寺 講堂の立体曼陀羅配置図

1.東寺の立体曼荼羅における如来、明王、菩薩の相関図

五智如来 五大明王 五菩薩
悟りを開いた人。狭義の「仏」。 如来の化身
人を導く存在
如来の化身
悟りを開くために修行する人のこと
金剛界大日如来 宇宙の中心であり、宇宙の真理そのもの 不動明王 金剛波羅密多菩薩
阿閃如来
(アシュク)
鏡のように全てを映し出す。病を治す 降三世明王 金剛薩菩薩
(コンゴウサッタ)
阿弥陀如来 世の中の事象をよく観察し、その正しい姿を思惟する深い智慧を持つ 大威徳明王 金剛法菩薩
宝生如来 全ての存在には絶対の価値があるということを示し、 総ての民の利益を本願とする平等性智を持つとされる 軍荼利明王
(グンダリ)
金剛宝菩薩
不空成就如来 不空。空しからず。すなわち必ず全て円満成就の徳を司るとされる 金剛夜叉明王 金剛業菩薩

2.四天王
古代インド神話に於ける方位の守護神を起源としている

方角 四天王 説明
持国天 「国土を支えるもの」との意味を持つことから「持国天」と呼ばれる。
経説では、持国天像は片手で宝珠を持つとされるが、 この像は右手に三鈷戟(さんこげき)を執っています。 これは空海が意図的に行った改変であると言われている。 左手には剣、口は喝を入れているように開き忿怒の表情で邪鬼を踏みつけています。
増長天 超人的な成長力をもって仏教を守護することから「増長天」と意訳。
右手に長い槍を持ち、左手には刀。怒鳴りつけたように少し口を開き、 邪鬼を踏みつけ、目を大きく見開き睨みつけ忿怒の表情をしてる。
西 広目天 梵名の意味は「異なった目を持つ」。龍王をしたがえ、千里眼で この世を観察し、仏の教えとそれを信じる者を護る。
右手に三叉戟を持ち、左手を振り上げ、 邪鬼を踏みつけ、口を閉じ、はるか遠方を見渡しています。
多聞天 毘沙門天とも呼ばれ、 財宝・蓄財の神として広く信仰されている。七福神の一人。
右手を高く上げて宝塔を持ち、左手で金剛棒を持つ。地天が両腕で多聞天を捧げ、 尼藍婆、毘藍婆という邪鬼を従えている。

須弥壇の四隅に、向かって右前から右回りに持国天(東)、増長天(南)、広目天(西)、多聞天(北)の順に配置されている。
順番の覚え方として「じぞうこうた(地蔵買うた)」として覚える。なお、方角順は、マージャンと同じく「トンナンシャーペー」です。(笑)
3.二天

   
梵天 インドの古代神話での 宇宙創造の神、バラモン教では梵卵を二つに割り天と地を創造したとされる。仏教では悟りを開いた釈迦に対し、 人々に説法するように促したのが梵天だと言われている。
帝釈天 梵語名の「シャクロー」の音訳「釈」と、インドラの意訳「帝王」から 帝釈天と呼ばれる。 古代神話の戦いの神インドラが元となり、 甲冑をまとい象に乗り金剛杵をとって毒龍と戦い、 阿修羅に勝利し仏門に帰依させた英雄とされています。
一面三目二臂で金剛杵を持ち、白象に乗って半跏踏み下げの姿勢をとっている。


ミニチュアフィギュアによる再現
東寺で立体曼荼羅を見た興奮を何とか表現出来ないかなと思案していたところ仏像のフィギュアがあることが分かった。
早速入手した。
お菓子のカバヤの
『カバヤ・世界の神話 第2集』のオマケである。
東寺の立体曼荼羅21体の内、9体が揃った。
ミニ立体曼陀羅館です。
残りの仏像もカバヤさんがやってくれるとうれしいな。

ganarockさんからの
情報で、19世紀、東寺講堂の21体の仏像のミニチュアを、エミール・ギネというフランス人実業家が京都の仏師にミニチュアを作らせ、1878年のパリ万博に出品したという記録がありますとのことです。
写真の仏像の配置
左端から
増長天、広目天、軍荼利、大威徳、不動明王、金剛夜叉、降三世、多聞天、持国天。
ミニチュアフィギュア
五大明王

京都・東寺の五大明王がモデル?
ganarockさんからの貴重なご意見。
五大明王のうち、不動明王以外は、東寺の仏像がモデルであることは間違いないと思います。唯一不動明王は異なっておりまして、フィギュアの方は儀軌(造像の基準)に則った一般的ものとなっています。また、フィギュアでは五大明王の光背が全て火焔光になっていますが、東寺の五大明王の場合は、不動明王以外は輪光に火焔を付けた形式です。フィギュアでは持物も少し変えています。著作権等の関係でそうしているのかもしれません。
不動明王
大日如来の化身とされ、悪魔を降伏させ、仏道に従わないものを無理矢理にでも導き救済するという役目。炎であらゆる障害と一切の悪を焼き尽くす。そのため、火焔を背負い、目を怒らせ、右手に宝剣を持ち左手に縄、下唇を上歯でかむという大変恐ろしい姿。髪は長く、左耳の前に編んだ髪を垂らしています。人々を救済しようとする厳しくもやさしい慈悲を持つ。
降三世明王
「3つの世界を降伏させるもの」という意味から降三世明王と言われる。阿閃如来の化身として、過去、現在、未来の「三世」における、煩悩を取り除いてくれるとされる。
四面(しめん:顔が4つ)・八臂(はっぴ:手が8本)で、正面の顔には眉間にも目があり三目となっている。左右の第一手で独特の印を結び、第二の右手は金剛杵、左手は金剛戟を持ち、第三の右手は矢、左手は弓、第四の右手は刀、左手は索を持っている。左足下に大自在天(シヴァ神)右足下にその妃である烏摩(ウマー)を踏んでいる。
軍荼利明王
身体の各部に蛇が巻き付いている。宝生如来の化身として、目に見えない外敵・煩悩や障害を除くとされる。一面三目八臂(うでが8本)。蓮華で両足を受けている。右手は三鈷・拳印・施無畏印を左手には金剛杵・戟・金剛鉤を持っている。
大威徳明王
阿弥陀如来の化身として、一切の悪を降伏させる力を有する。六面(顔が6つ)・六臂(腕が6本)・六足、特に多足はこの明王に限られた特徴。左右の4臂には鉾・剣・竜索・宝棒を持っており、水牛に跨っている。この水牛で、あらゆる障害を乗り越えて進んでいくことを表している。
金剛夜叉明王
不空成就如来の化身として、三世(過去・現在・未来)の様々な欲望・悪を金剛杵で打ち砕くとされています。
三面(顔が3つ)六臂(腕が6本)で、最大の特徴は、中央の顔に5つの目(通常の目の位置に、上下2つずつ、眉間に一つ)がある。下の二眼は嘘を見抜く目とされる。中央の手に金剛杵を持ち、ほかに五鈷杵、金剛鈴、弓・箭(矢)、宝剣と宝輪を持ち、ふたつの蓮華座に跨るように立っています。
四天王

奈良・東大寺戒壇院の四天王がモデル?
  持国天 増長天
 
  広目天 多聞天
このシリ−ズの他のフィギュア

このシリ−ズは全11作品+シ−クレット1の計12作品です(2003年3月頃の発売。
コンプリ−ト(完全揃い)の全12作品は、『WANTEDオークション』で、オークション出品者の ganarock さんから入手しました。もちろん未開封で丁寧な梱包で送ってくれました。
上記以外の3作品
シ−クレット分の不動明王 
色違いと言うことです。
奈良・東大寺南大門の金剛力士がモデル?
阿形
梵語の最初の字音「a」を発する口を開けた形
吽形
梵語の最後の字音「hum」を発する口を閉じた形
阿吽(あうん)の呼吸はここから。
「万物の根源」と「一切が帰着する知徳」の象徴


これは、10個入った販売店のディスプレ−用の外箱。
各々の箱には、写真の仏像のカ−ドが入っている。
「?」になっているのが上記の赤い不動明王。

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