酒物語
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お酒を美味しく頂くには
「物語」が有った方がいい。
きっと同じ酒でも物語を知れば美味くなる
ブログ掲載分
日本酒 hajime(はじめ)阪大と荘の郷のコラボ 
正月のお酒 竹鶴酒造 秘傳 
吾唯足知 司牡丹酒造
澪ちゃんのグラス
澪(みお)  松竹梅 白壁蔵
「鐵(てつ)の道」 水間鉄道応援酒
焼酎 牧場の夢
府大の酒 「なにわの育」
新生 一等国 
元旦を祝う酒
非売品の酒
幻の名宰相 小松帯刀 焼酎
和の月
錦の誉の35年古酒
セント.ジェ−ムス
ふれあい港館
ワインオ−ナ−
トルコの酒
もし僕らのことばがウィスキーであったなら
ボジョレヌーボー解禁日
日本人で最初にシングルモルトを飲んだのは「漱石」?
世界一高い日本酒
酒蔵紀行 ミニチュア.フィギュア
アサヒビ−ル工場見学(吹田工場)
天目酒(てんもくざけ)  木綿や
至福の210円 島田商店
酒蔵コンサ−ト(莊の郷酒蔵)
酒蔵見学 (天野酒)
百年の恵み
酒蔵通り煉瓦館  日本盛
立原正秋 「酒との接し方」

日本酒の分類

日本酒は、大きく 普通酒 と特定名称酒 に大きく分けられる。
特定名称酒をさらに分けると次のようになる。
この区分を覚えるのは大切、酒の値段が、この順番になっている。

  名称 追加原料 精米歩合 備考
吟醸酒 純米大吟醸酒   50%以下 吟醸酒は鑑評会用として作られたので
作る方にも力が入っている。    
大吟醸酒 酒造アルコ−ル 50%以下
純米吟醸酒   60%以下
吟醸酒 酒造アルコ−ル 60%以下
純米酒 特別純米酒   60%以下 米と米麹だけで作られた酒 
純米酒   70%以下
本醸造酒 特別本醸造酒 酒造アルコ−ル 60%以下 蔵元を代表する基本的な酒、「本造り」
「本仕込み」。 
本醸造酒 酒造アルコ−ル 70%以下


お酒の用語
用語は、とある居酒屋のテ−ブル敷きに印刷されていたものから抜粋しました。これくらいは知って置いてということ?
なお、掲載にあたり解説は別の資料からも取ったので原文とは違います。
用語 解説
熟成酒 通常2〜7年位冷蔵庫で寝かせると熟成し、荒々しさが消え、落ち着きのあるまろやかで上品な味に仕上がる
秘蔵古酒 醸造後5年以上熟成させた酒。10年以上の常温熟成タイプは独特の古酒香と深い味わいが特徴で、琥珀色に変化する
YK35 Yは山田錦、Kは熊本9号酵母。35は精米歩合35%の意味。この仕込みが金賞受賞酒に多いことから、最高級酒の代名詞
斗瓶囲(とびんがこい) 特にすぐれた大吟醸は斗瓶(10升)に入れて特別に扱う。これも最高級酒の代名詞。
しずく酒 搾る時に、醪(もろみ)を入れた袋を圧力をかけず袋吊りのまま自然にしたたり落ちるの待つ。。鑑評会出品酒に多い。「袋吊り」という表現をしているのも見かける。手間がかかっている
本生(純生)酒 貯蔵時、瓶詰め時、共に火入れ(加熱殺菌)してない生酒、要冷蔵庫である。
生貯蔵酒 生で貯蔵して、瓶詰め時には火入れする酒
生詰酒 火入れ後貯蔵して、瓶詰め時には火入れしないで出荷。
原酒 加水せずに、そのまま出荷。アルコ−ル度は18度〜20度
にごり酒 搾り方を調整して、おりやもろみを残した酒。発酵が続き、炭酸ガスの口当たりが楽しめる
貴醸酒 原料水のかわりに酒を使って仕込む。琥珀色でとろりとした、まろやかな甘口の酒になる。貴醸酒協会の商標
荒走り(あらばしり) 寒造りの季節に、最初に搾られた新酒を火入れせずに、原酒で出荷する。季節限定商品。昔ながらの搾り機で搾り出したのを特に槽口直汲(ふなくちじかぐみ)という
冷やおろし 寒造りした酒を、半年間の熟成後、外気が下がった秋に生詰めで出荷する季節限定酒。単なる生詰酒にも使っているときがある。
(きもと)仕込み  という漢字は、パソコンにはない文字なので以下は、ひらがなで表示します。
麹や蒸米を櫂(かい)ですりつぶす、もと摺りという作業を行い、天然の乳酸菌を使用する仕込み。普通の工程よりも約2週間余分にかかるがボディ感のある味になる。
山廃仕込(やまはいじこみ) 上記の、もと摺りは、「山卸し 」ともいい米・麹・水を櫂棒で何時間もすりつぶすという重労働 をして、酵母を育成するのですが、櫂棒ですりつぶすのではなく、本来麹のも つ酵素の力で溶かすという低温仕込みで酵母を育成する方法があり 、「山卸し」作業を廃止したということから「山卸し廃止もと」 から「山廃」といいます。酒本来のコクが出る。
生一本(きいっぽん) その土地の米とその土地の水を使用した純米酒につける。昔は「灘の生一本」と良く言われたが...。
無濾過(むろか) 普通は搾った酒はおりを取り除くために濾過するが、濾過せずに搾り立てのフレッシュさを楽しむ。


漢詩 山中対酌 について
李白の七言絶句である。漢詩の知識はないが、大変気に入っている句である。
詩の題は、『山中にて、幽人(ゆうじん。浮き世を離れて暮らしている人)と対酌(二人で飲み交わすこと)す』である。
酒を飲むことが、一見、高尚に見える(笑)
山中対酌

   明 我 一 両   
   朝 酔 杯 人   
   有 欲 一 対   
   意 眠 杯 酌   
   抱 卿 復 山   
   琴 旦 一 花
   来 去 杯 開
読み方
りょうじん たいしゃく して さんか ひらく

いっぱい いっぱい また いっぱい

われ ようて ねむらんと ほっす
 きみ(卿) しばらく かえれ

みょうちょう い(意) あらば 琴(きん。楽器) 
を いだいてきたれ

大意
(かなり思い切った大意です。)

花が一杯さいている山中で、二人差し向かいで
酒を飲んでいる。
一杯一杯 また一杯と杯を重ねていると...。
気持ちよく酔っぱらってきて、いよいよ眠くなってきた。
君はしばし帰っていてくれ。
そうだ、気が向いたら明日の朝、
琴を持ってもう一度きてくれ。
又、飲もうじゃないか。
真っ昼間にやる花見宴会を想像すると良くイメ−ジ出来ます。大阪なら、吉野の山がいいですか...イメ−ジ出来ますね。
一杯一杯また一杯
この感じが好きですね。お酒の好きな人なら、解説不要の表現です。
酔うと眠たくなるのも、これ又、普通。まして昼間から飲んでりゃ気持ちよく眠れます。君は、もう帰れという表現も、味がありますね。これは、冷たいのでも、ワガママなのでもなくて、極めて親密な表現だと思います。
そして、明日も来いよなと声をかける。

夢のような世界ですね。


漢詩 曹操の「短歌行」
三国志の曹操の歌です。三国志の登場人物の中では、珍しく「友情」というものを大切にする、彼らしい歌です。
簡単に言えば、志ある者よ、我の元に集まれ、酒を飲みながら天下を語ろう。
  對酒當歌 酒に対しては当(まさ)に歌うべし
  人生幾何 人生幾何(いくばく)ぞ
  譬如朝露 譬(たと)えば朝露の如し
  去日苦多 去る日は苦(はなは)だ多し
  慨當以康 慨して当に以て康すべし
  幽思難忘 幽思 忘れ難し
  何以解憂 何を以てか憂いを解かん
  唯有杜康 唯だ杜康有るのみ
  青青子衿 青青たる子の衿
  悠悠我心 悠悠たる我が心
  但爲君故 但だ君が故が為に
  沈吟至今 沈吟して今に至る
  幼幼鹿鳴 幼幼として鹿鳴き
  食野之苹 野の苹(よもぎ)を食う
  我有嘉賓 我に嘉賓有り
  鼓瑟吹笙 瑟を鼓し笙を吹く
  明明如月 明明たること月の如き
  何時可採 何れの時にか採るべき
  憂從中來 憂いは中より来たり
  不可斷絶 断絶す可からず 
  越陌度阡 陌を越え阡を度り
  枉用相存 枉げて用って相存す
  契闊談讌 契闊談讌して
  心念舊恩 心に旧恩を念う
  月明星稀 月明らかに星稀に
  烏鵲南飛 烏鵲南へ飛ぶ
  紆樹三匝 樹を紆ること三匝
  何枝可依 何れの枝か依る可き
  山不厭高 山は高きを厭わず
  海不厭深 海は深きを厭わず
  周公吐哺 周公哺を吐きて
  天下歸心 天下心を帰す
酒を飲むときには、大いに歌うべきだ。
人生なんかどれほどのものか。
朝露のようにはかなく短く、
過ぎ去る日のみ多いものだ。
思いのままに歌うがいい。
だが憂いは忘れようがない。
何でこの憂いを消し去ろうか、
ただ酒が有るのみだ。
知識ある学ぶ友よ!
わたしの心は、
君たちのなかにすぐれた才能を見いだしたく、
今までひたすら思い続けてきた。
鹿は幼幼(ゆうゆう)として鳴きながら
野のよもぎを食べている。
そんなようにわたしは大事な友人とともに
琴を鳴らし、笛を吹いてみよう。
明るく輝く月の光は、
いつまでも手にとることはできない。
心の中からくる憂いは、
絶ち切ることはできない。
だが君ははるばると遠いところを、
わざわざこうしてきてくれた。
久し振りに飲み語らって、
かっての友情をあたためよう。
*月明らかに星稀な夜、
*かささぎが南に飛ぼうととして、
*木のまわりを三度めぐり、
*依るべき枝をさがしあぐねている。
山は高いほどいい。
海は深いほどいい。
周公吐哺
だから天下の人が心をよせたのだ。   
注記 *の4行は劉備の敗走を表現している。
周公吐哺とは、周公旦が天下の人材登用に熱心のあまり、食事する間も惜しんで、人と面接したという故事。


                                      

酒を讃(ほ)むる歌十三首 (万葉集から、大伴旅人の歌)

大伴旅人は、万葉集の編纂をしたと言われる大歌人の大伴家持の父。この13首は連作と言われている。
酔ったいきおいで詠んだ(?) 同じ言葉や同趣旨が多く、酒飲みらしい、しつこさも窺えて楽しい。
同じクダを巻くにしても、歌なら、なんとなく上品。
解釈
(しるし)なき物を思はずは一坏(ひとつき)の濁れる酒を飲むべくあるらし くよくよと甲斐のない物思いに耽るよりは、一杯の濁り酒を飲む方がよいらしい。
酒の名を(ひじり)と負ほせし(いにしへ)の大き聖の(こと)(よろ)しさ 酒の名を聖人と名付けた昔の大聖人の言葉のなんと結構なことよ。
(いにしへ)(なな)(さか)しき人たちも(ほ)りせし物は酒にしあるらし 昔の竹林の七賢も、欲しがったものは酒であったそうな。

*竹林の七賢:中国・魏(三国時代)の時代末期に、河内郡山陽の竹林で酒をくみかわしながら清談を行なったと伝えられる七人の自由人
(さか)しみと物言ふよりは酒飲みて(ゑ)ひ泣きするしまさりたるらし かしこぶって物を言うよりは、酒を飲んで酔い泣きするようがましのようであるよ。
言はむすべ為むすべ知らず極りて(たふと)き物は酒にしあるらし 言いようもなく、どうしようもない程に、この上もなく貴い物は酒であるらしい。
中々に人とあらずは酒壺(さかつほ)になりてしかも酒に(し)みなむ なまじ人であるよりは、いっそ酒壺になってしまいたい。いつも酒浸りでいられようから。
あな(みにく)(さか)しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む ああみっともない。かしこぶって、酒を飲まない人をよく見れば、猿にそっくりではないか。
(あたひ)なき宝といふとも一坏(ひとつき)の濁れる酒に(あに)まさめやも 値のつけようもない宝であっても、一杯の濁酒にどうしてまさろうか。
夜光る玉といふとも酒飲みて心を(や)るに(あに)しかめやも 暗い夜にも輝く宝玉であっても、酒を飲んで憂さ晴らしするのにどうして及ぼうか。
世間(よのなか)の遊びの道に楽しきは酔ひ泣きするにあるべかるらし 世の中の遊びで一番楽しいことと言ったら、酒に酔って泣くことに決まっているようだ。
この世にし楽しくあらば(こ)む世には虫に鳥にも我はなりなむ 現世が楽しければ、来世には虫だろうと鳥だろうと、俺はなってしまおうよ。
生まるれば遂にも死ぬるものにあればこの世なる(ま)は楽しくをあらな この世に生れれば、結局は死んでしまうのだから、この世に生きている間は楽しく過ごしたいものよ。
黙然(もだ)居りて(さか)しらするは酒飲みて酔ひ泣するになほ(し)かずけり 黙りこくってかしこぶっていることなど、酒を飲んで酔い泣きするのに、どうして及ぼうか

                         


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