プロローグ
 長い旅ですね

ひと休みしませんか?
あなたとあなたのお連れとあなたの愛車はお元気ですか?
足りなくなったもの、減ってしまったもの
そして失くしてしまったもの・・
ここで補給してゆきませんか?

燃料に水、熱いコーヒーにサンドイッチ、
それとも、お茶にクッキー?
長いドライブで疲れ、とげとげしく
無口になってしまった、あなたに補給すれば
ほら「フィリング・アップ」
充たされてゆくでしょう
元気が、優しさが そして希望が!

燃料タンクに、ラジエターに、
そしてあなたとあなたのお連れのお腹と心が充たされたら
サー、もう一走り!

疲れたらいつでもお寄り下さい。
当店は年中無休!! 24時間営業中
それでは、道中気を付けて

ボン ボヤージュ

第8話 ンボンゴの店 [ジャングル・サービス.]
ここらで ひと休みしませんか?
 
昼なお暗いジャングルの奥、
ジャングル1のまじない師がお店を出した。
不思議な燃える水、太鼓よりも速く、遠く
にニュースを伝える道具、
とても甘くておいしい水、珍しいものが
いっぱい!
サーいらっしゃい

第7話 油や [ジャパニーズスタイル・S.S.]

ここらで ひと休みしませんか? [桜の木の下で] ー油やー

春は弥生の終わり頃
桜吹雪のその中で、紺の暖簾(のれん)がかすんでる
紫色にかすんでる
お休み処の給油所はその名も高い「油や」さん

看板娘のはるさんが、ちょっとそこまでお使いに
帰る道々、さくらのシャワー 傘も着物もさくら柄
今日は一日お花見日より

弥生三月、卯月の四月 桜吹雪のその中で
紺の暖簾がかすんでる 紫色にかすんでる

       第6話  レインボー・サービス
ここらで ひと休みしませんか? [雨上がり] ーレインボー・サービスー
雨上がりのあと、戻った日差しにきらめく給油所を見たことがありますか?
頭上の雨雲は切れて明るいのに、向こうの空は濃い灰色に包まれたまま、
木々や家並みは、雨に洗われた空気を通して降り注ぐ、太陽の光を受けて
このうえ無く輝いています
給油所の建物のガラスが、ポンプが、駐車中の車がそしてコンクリートの床
のそこかしこに出来た水たまりが、きらきらとそれはもうまぶしいほどです。
そして青灰色の空にくっきりと浮かび上がった大きな虹・・
雨が上がって日差しが戻ったら急いで外を見てください。太陽を背にしてね・・

第5話      ペントハウス・ステーション
ここらで ひと休みしませんか? [大都会の屋上で・・] 
ーペントハウス・ステーションー
そこは大きなビルの立ち並ぶ大都会。
地上はたくさんの人とクルマが溢れていてブーブー、ガヤガヤ、
それはもうとても騒々しいところです。
でも高いビルの屋上まではその騒々しはやってきません。
訪れるのは爽やかな風と鳥達くらいなものです。
そんなビルの屋上の一つに、その給油所は建ってます。
「そんなところにお客が来るの?」
来るわけ無いでしょ、さっきも云ったようにやってくるのは鳥くらい・・
イエイエ、一度ヘリコプターが来たことがありましたっけ。
燃料切れで墜落寸前だった、助かったと、とても喜んでいたようでした、
わたし?私はこうのとり、
良くここを休憩に使わせてもらっているの
赤ちゃん運んだ後のここのコーヒーはそりゃーおいしいの!
あなたもぜひ試してみて、それじゃまた

第4話     灯油をください・・(クリスマスの夜)
灯油を下さい、
暖かい良いにおいのする灯油を
4分の3リットルください。

私のストーブは小さいので1リットルでは
あふれてしまうんです。
この青いビンの印のついているところまで
そこがちょうど4分の3リットルなんです

雪ですよ
雪が降ってきました。
どおりで冷えると思いました

ア、もう入りましたか、お代はここに、
今夜はクリスマスイブですよね

このぶんだと
ホワイトクリスマスになりそうですね
良いクリスマスを! メリー・クリスマス

第3話        バグダッド・サービス
濃い藍色の絨毯に金の砂をまいたような夜空
鋭い鎌のような月
どこまでも続く砂丘
ここはアラビア、砂の国 アラビアンナイトの世界です
お店の名前はバグダッド・サービス
採れたばかりの新鮮な石油が売り物!
このお店の地下深く1000メートルから湧き出る最高の油!
アラビアンライトの最高級原油!

第2話          緑の森のその奥に・・
朝の8時の太陽が 森の奥まで差し込んだ。
明るく輝く朝日のスポットライト、
深い深い、緑の森に何本も、何本も、

中でもひときわ大きなスポットライト、
小さな給油所 照らし出す。
お店の前の細道は くねくね続く けものみち
森の奥まで続く道
ネズミが通る、タヌキが通る、キツネが、リスが、
ウサギが通る,、

ウズラの親子が1列に、鹿の夫婦がひっそりと、
たくさんの鳥やけものが通るけど
クルマばかりは通れない
森の小道は狭すぎて、自動車なんて通れない
森の小道はけものみち、それでも給油所 建っている
緑の森のその奥に・・

第一話 アウル・サービス
ホー、ホー、いい夜だ

フム・・なんていい夜なんだ
暑くなく、寒くもない 月明かりもちょうどいい

うるさい虫どもも、今夜は飛んでこん、客もこん。

なんて静かでいい夜なんだ

こんなに気持ちのいい風に吹かれていると
夜だというのに眠くなるわい・・

いや、実に、気持ちのいい・・夜じゃ・ワ・イ・・

イヤ、まったく・・気持ちの・・・・ グー・・・

毎月1話ずつ発表してゆく予定です。
何話まで続くか判りませんがご期待下さい。

ぜひ御感想をお聞かせ下さい・・・・・・