みなさまのおたよりより * #02 letter

VOL.35表紙

このページでは、フリーペーパー「献血劇場」VOL.35に寄せられた読者のみなさまのおたよりのなかから、ごく一部をご紹介いたします。

>> 献血劇場 VOL.35 に掲載の記事内容はこちら

2000.03.16.letter

#02 * 久喜市の梨沙さん(18歳)より

今回(VOL.35)の「雨の日の女」に澁澤龍彦がとりあげられていて、私は澁澤のファンなのでとても嬉しかったです。でも、稲村さんのおっしゃる通り「シブサワ系」の人は好きではありません。
「シブサワ系」の人は澁澤龍彦を盾に自分たちの「異端」ごっこに陶酔しているだけで、肝心の澁澤そのものは、実は全く見ていないんじゃないかな・・・と思っているからです。
私は中学生の時からの彼のファンですが、初めて本を手にとった時から、彼の事を「異端」だと思った事は一度もありません。(異端と言われている事もしばらくするまで知りませんでした。)
勿論、私の澁澤の解釈も憶測の域を出るものではありませんが、澁澤龍彦の目的はただ異端をもてあそんで自画自賛してみせる事ではなくて、異端というものの存在がもたらす素晴らしさ、面白さ、大切さを書く事だったのではないかと思います。上手くは言えませんが・・・人々の手あかで汚れていないものとしての「異端」なら、別に人形愛耽美でなくても良かったんでしょう。
だから、彼が時代遅れになる事はないと思います。
彼はエッセイで何度もそういった存在がどんどん侵食されていって、形骸化していくのを嘆いていました。そして自分の存在の持つ記号的意味を真面目に考えていたように思います。
今の世の中で澁澤龍彦が愛してやまなかったような「異端」的存在を見つける事はむずかしいでしょうが、決してそんな存在がなくなってしまった訳ではないと思います。
これからも献血劇場を頑張って下さい。
P.S.三島由紀夫の追悼文、私も読みました。すごく言葉が生きて、立っていた文だったことを覚えています。

点滴堂より

とても丁寧なご感想、ありがとうございました。澁澤龍彦の作品がいまもステキなのは、やっぱりそんな意味で時代を越えたものを目指していたこころざし、そのことを忘れずにいたいですよね。
本誌VOL.34の「万年少女文学館」では澁澤訳の長靴をはいた猫をとりあげて、「手垢まみれじゃない想像力で読んでみたなら、きっともっと豊かな世界が広がるはず」とおすすめしましたけど、そういう意味では彼の思考の紋章学所収の「姉の力」というエッセイもあわせておすすめです。柳田國男の名著妹の力をもじったタイトルのこの文では、森鴎外山椒太夫がオリジナルの説経節にあった残酷な描写をカットしてしまっていることについて、そうすることでもっと別のステキな世界を提示しようとしたのかも、という解釈で弁護していて、それっていまどきの残酷童話指向とは全然別の次元に彼がいたことの証しのようにも思えるんですがいかがでしょうか?

関連ページ→ 雨の日の女#35 ◆ 澁澤龍彦「少女コレクション序説」



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