1 コーナーモジュール

1.1 コーナーモジュールの経緯

鉄道模型を運転しようと線路を組むと、
普通エンドレスになるように組む訳ですが、
そこで使っているカーブレール・・・
不満は在りませんか?

大手鉄道模型メーカーからリリースされているカーブレールは
R280〜500mm位ですね・・・
近年、カーブ半径は大きくなってきているとは言え、
カーブレールを走る車輌・・・如何ですか?
カーブに差し掛かると、編成が折れ曲がるように見えませんか?
それをリアルなカーブと呼べるでしょうか?

これが、私を「大カーブ」の魅力に導いた理由の一つです。

実際の鉄道において、カーブ部分というのは多く存在しますが、
(ていうか、真っ直ぐな部分の方が少ないと思う・・・)
鉄道模型のような急カーブというのは、
ごく僅かであると思います。
例えば、京浜急行の品川を出てすぐ〜北品川間、
JR線を跨ぐ辺りの八つ山橋付近はとても急なカーブですね。


京浜急行 八ツ山橋付近

そこは制限速度も大変低く、鉄道模型だとビュンビュン通過してしまうのに対して、意外な程に速度を落としていると言ます。


実際のカーブは、模型と比べて半径が全然違う

そして、決定的な違いと言えば「カント」。

自動車のオーバルコース等ではバンクとも呼ばれますが、
バンクやカントは遠心力で車が外側に膨らんでいかないように、
そして、カーブでの速度向上が可能です。

鉄道模型においてカントの再現というのは、
遠心力で外側に膨らむのを抑制したり、速度向上が望めたり・・・
と、本来のカントの意味は成さないと思われます。
しかしそれ以上に、視覚的な意味においてカントは有効だと思います。
カントのついたカーブを通過する時、
直線には無い「ダイナミックスさ」が出てきます。

ということで、大カーブを製作することにしました。
これは、雑誌の記事の中でカントのついた大カーブを新幹線が悠々と走行していたシーンに感動し、
それが背中を押してくれたという“勢い”もありました。