1.2 コーナーモジュールの製作
カント付の大カーブレールの製作を決めたのですが、実際どのように作ったらよいか・・・解らないことが多く、
試行錯誤を覚悟して製作することにしました。
製作前のイメージとしては、
・半径は1000mm程度。
・KATOの複線高架レールに接続できるよう、複線間隔は33mmを採用。
・45°を1ピースとし、2ピースの90°を製作する。
これを目標に製作を始めました。
使用するレールは、当然フレキシブルレール。幹線イメージにぴったりのPECOのPC枕木タイプをチョイス。
フレキシブルレールの導床は、KATOのコルク導床を使用しました。
末端部分はユニトラックとし、確実な接合と通電性を確保しました。
いよいよ製作を始めるのですが、一番困った事は、円(弧)をどうやって引くか・・・という事。
とりあえずオリジナルのコンパスを作って、新聞紙に描き、それを板材に書き写してカットすることに。
本来ならユニトラックが採用するカーブ半径の公倍数に合わせられたら良いのですが、
今回の方法だとミリ単位で細かな半径は描けられませんので(いい加減な加工方法だった為)(^^;)、
後で思い返すと、実に大雑把な工作となってしまいました。
結局、カーブ半径は1300mm位が見栄えが良かったので、予定よりも少し大きくなりました。
末端部分は、実際に複線高架のユニトラと現物合わせをしながらの製作となりました。
ケガキの次に悩んだのが、板からカーブの切断・・・
電動ジグソーがあれば加工が容易なのですが、電動ツールを所持していないので、
地道にレザーソーによるカッティング。これが非常に疲れる・・・(−−;)
さりげない歪みなどは、気にしている暇がありません(爆
カントの表現には厚紙を使用。
具体的には、KATOのブックケースの紙スリーブを使用しました。
それを約10mmX30mm程度のチップにカットし、それでカントの高さをつけます。
コルク導床の下の、レールの外側部分に、カーブに合わせてボンド接着していきます。
初めての製作なのでカントの具合が気になりますが、とりあえず、チップを3段重ねにすることに。
3段重ねですと、約2mm程度のカントとなります。
画像の作品は文中のものと異なるが、 KATOのブックケースのスリーブをチップ状に切り出し(左) それを貼ってカントを付けていく(右) 画像はその1段目の様子 |
カント部分の盛り上がりが出来て、コルク道床を敷いて、フレキシブルレールを敷いて、
末端部分をユニトラックに変換する加工を施して・・・出来上がり。
緩やかな編成美が良い感じ。 それもそのはず。 カーブ部分で10両載っても 余るのですから。 |
これも大カーブに載っている車輌。 緩やか過ぎなので直線部分 のように見えますが、カーブです。 コーナー内側からだとカントは それ程感じさせられません。 |
カーブの外側からのショット。 緩やかなカーブにカント。 外側から見る方が カントがついたカーブを 実感できるかと思います。 |
2mmのカントというのは、線路のみを見ている分にはそれ程感じない高さですが、
車輌が載ると、実感的ではないでしょうか?
この時製作した大カーブはver.1.0として、約2年間club583の運転会で実用試験しました。
試験の目的は
1、一般的な範囲で、どの車輌も正常に走行が可能であるか?
2、フリーな規格で作ったレールが、メーカー規格のエンドレスレイアウトに収めることができるか?
という2点。
試験は良好な結果が得られました。
ネジレに弱いTNカプラー、KATOの各種カプラー、自ら車輌を傾けるKATOの振り子車も
自然な通過が可能でした。
大カーブレールの接続もユニトラックをベースにしたお陰で、「なじませ繋ぎ」で問題無く接続することができました。
また、運転会に参加された方からも良好な意見が聞かれ、
これらの結果を元に、Ver.2.0(景色付き)の製作を決定するのでした。