中庭のある平屋の家

〜東京都八丈島〜






<概要>

在来工法木造平家 床面積=86.12u(26坪)

屋根 ガルバリウム鋼板大波
外壁 米杉材南京下見板張り
軒裏 火山性ガラス質複層板

内装床       杉縁甲板及び畳
内装壁    杉相決り板及び和紙貼
内装天井 小屋組あらわし及び和紙貼

構造材・造作材 杉及び桧(国産材)


施工会社 八生建築/東京都八丈島






2015年3月26〜27日 <現地調査>

八丈島は島の中央に空港、北に八丈富士、南に三原山
東に底土港、西に八重根港が位置し、目の前に山も海
も広がる、島ならではの自然があふれています   

調査は建築場所となる敷地及び近隣環境、八丈町役場
東京都八丈支庁等を廻り、他に島の歴史建築物が保存
されている「ふるさと村」にも立ち寄りました   

八丈島の建築では「風が強い」「雨が多い」「シロア
リが多い」といったことを考慮して設計を行います 




2016年2月11日(木・祝) <基礎着工>

建物は平屋、基礎は布基礎、中庭のあるコの字型のプ
ランとしているので、屋外からの奥行きが短くなり床
下の通風・環境が良好なものとなります      

今回の現場監理は、通常の定例的な監理ではなく工事
の進行に応じて要点をチェックする監理としています




2016年2月22日(月) <基礎配筋検査>

コンクリートを打つ前の鉄筋検査です     
使用している鉄筋サイズ、ピッチが合っているか
主要な鉄筋の継手定着長さ、補強の鉄筋の入れ方
コンクリートのかぶり厚さ等を確認します   






2016年3月15日(火) <基礎コンクリート養生> 養生が終わると型枠を外します




 
2016年3月21日(月) <基礎天端> 基礎の上をモルタルで平らに仕上げます





 
2016年3月24日(木) <上棟>

土台=桧、柱=杉、梁=杉、真壁化粧材も特一等材の仕様です
土台・大引・床下地合板28mmについてはシロアリ&防腐対策としてホウ酸加圧注入処理材を使用しています
(秩父市ウッディコイケ 
http://www.woody-koike.co.jp/housan/





 2016年4月20日(水) <屋根・構造>

屋根は寄棟の形態で中心部(中庭)には光が入り
風が抜ける開口を設けています        

八丈島の年間降水量は3,000ミリを超え東京埼玉
と比べて倍以上の降水量があります      

雨、風、そして塩害から建物を守るため屋根や外
壁のデザインには大きな意味がもたらされます 




2016年6月29日(水)

<外装>
ガルバリウム鋼板大波葺の屋根が完了
米杉南京下見板張の外壁は施工の途中

<内装>
天井は構造材あらわし
壁は杉板張と石膏ボード和紙貼

「右上」北側玄関側外観
「左中」玄関ポーチ 「右中」中庭デッキ
「左下」玄関ホール 「右下」多目的室 





2016年9月3日(土) <完成引渡>

施主Oさんも立ち合いでの完成検査を行い
完了を確認し無事に引渡しとなりました

施主Oさん、八生建設の工事関係者皆さん
全員笑顔で終われたことに自分の責任も
果たせたように思います

最初は遠かった八丈島ですが
最後には随分近い存在になりました



*竣工写真準備中*







◆八丈島の紹介◆

現場への行き来の中で時々施主Oさんに島内を案内して頂きました
ダイビングと釣りの名所も多くあるようですが
海に入るまでには至りませんでした
八丈島では
時間が少しゆっくり流れているような感じがしました


 『八丈島へ 飛行機で』

羽田空港から八丈島空港へ
ANA便ジェット機で片道55分
朝、昼、夕方、毎日3往復運航しています
なので、意外にも寄居から日帰り可能です

空港は八丈島のほぼ真ん中に位置し
北に八丈富士、南に三原山、東に底土港、西に八重根港
があります

   
 『八丈島へ 船で』

東京竹芝桟橋から八丈島底土港へ
東海汽船の大型客船橘丸が毎日1往復運航しています
東京発22:30〜八丈島着8:50
八丈島発9:40〜東京着19:40

八丈島へは一度だけ乗船(特2等室ベッド)しました
天候が良かったせいか揺れはほとんどなく
心配していた船酔いは全くありませんでした
又船内の設備も申し分なく、一晩快適な船旅でした

ちなみに船は客船のみでフェリーはありません

   
 八丈島は富士箱根伊豆国立公園に指定されています
春には八丈富士の麓に35万本のフリージアが咲き誇ります
毎年時期になるとフリージア祭りが開催されていて
10本程摘んで飛行機で家に持ち帰り庭に植えたところ
なんと翌年春に見事に花が咲きました
八丈島と寄居が繋がったかのような感激を覚えました
 
   
 
八丈富士の中腹にある「ふれあい牧場」 海と山が一望できるのどかで気持ちの良い場所です

   
 
八丈富士の頂上に登りました
ふれあい牧場の先に車を停め、そこから歩いて1時間弱で頂上です
頂上からは町の中心部、空港、三原山、底土港、八重根港、島全体を見渡せます

   
 
「八丈植物公園」
熱帯・亜熱帯性植物を見ることができ、園内にはキョンが4頭飼育されています
昔のがきデカの影響で?キョンは八丈島の固有種で至るところに野生で生息しているものかと思っていましたが
元々キョンは中国台湾からの外来種で、しかも島で飼育されているのは井の頭自然動物公園からのものだそうです
と言う訳で八丈島のキョンは、ここで飼育されている4頭が全てです
ちなみに、伊豆大島や千葉県では動物園から逃げたキョンが野生化し増殖してしまっているそうです

 
「歴史民俗資料館」
建物は旧東京都八丈支庁舎が利用されています
八丈島の歴史と文化の1から10までを知ることが出来ます

   
 
「ふるさと村」
昔の民家(母屋、馬小屋、高倉、トイレ)が移築保存されています
まん丸の玉石を使った玉石垣も見られます
八丈島では暴風から住居を守るため、昔から溶岩や玉石を使って石垣を造りその上に常緑樹を植え防風林としたそうです

   
 
大坂展望台からの景色
右奥が八丈富士、左奥が八丈小島

 
南原千畳敷
八丈富士が噴火した時に流れ込んだ溶岩流で出来た岩場
八丈小島が近くに見える

   
 
八丈小島
八丈島のすぐ西に位置する小さな島
昭和44年から無人島となり
現在はヤギだけが生息しているとのこと

 
登龍峠からの景色
八丈富士の裾野に広がる町並みと
底土港、空港が見えます

   

宇喜多秀家と豪姫の象
秀家は八丈島への公式流人第一号だそうです


太平洋が一望出来る温泉「足湯きらめき」
島内には、樫立、末吉、中之郷の各地区に
計6ヶ所の温泉施設があります