■設計監理日記■


『単身者向けメゾネットタイプ集合住宅』

〜埼玉県さいたま市桜区大久保領家〜



【メゾネットタイプ木造2階建て・各床面積】

建物全体1階床面積=119.24u(36.07坪)
建物全体2階床面積= 97.05u (29.35坪)
建物全体延べ床面積=216.29u(65.42坪)

1住戸あたり1階床面積=19.87u(6.01坪)
1住戸あたり2階床面積=16.17u(4.89坪)
1住戸あたり延べ床面積=36.04u(10.9坪)


【外部仕上】

屋根/ガルバリウム鋼板(素地)縦ハゼ葺
外壁/ガルバリウム鋼板(素地)小波板張
軒天井/フレキシブルボード(素地)  

【1階内部仕上】

床/土間コンクリート金ゴテ  
壁/木毛セメント版(素地)   
天井/フレキシブルボード(素地)

【2階内部仕上】

床/杉縁甲板(節材)    
壁/木毛セメント版(素地) 
天井/亜鉛鉄板小波板(素地)


【その他】

木材/国産材(杉・桧)  防蟻/1階周りについてホウ酸処理

【施工会社】

笹森工務店/埼玉県富士見市渡戸1-8-12







【計画の概要】

始めに、施主Eさんから左写真の木造2階建てワンルー
ムアパートのリノベーションの相談(表面的な化粧直し
ではなく構造設備全般の改修)がありました。    
建物を調査したところ、構造木材の腐朽、受水槽設備の
劣化、隣地を通る排水経路の修正、設備機器の老朽化、
断熱気密の不具合等が見られ、それらを改善するには想
定以上の費用が掛かることから、新築に建替る計画とな
りました。                    
施主Eさんからは「長期的な経営を見据えハイグレード
とは違う他のアパートには無い個性を求めたい」との要
望があり、その考え方を軸に設計を進めていきました。

令和5年5月16日(火) 解体工事


既存アパートの解体工事が始まりました
令和5年5月30日(火) 解体工事


土台や柱など所々白蟻の被害が見られました
令和5年6月13日(火) 解体工事


解体工事の完了
きれいに整地されました
令和5年6月20日(火) 地盤調査

スクリューウエイト貫入試験にて5点計測

<結果>
各測点とも不安定な連続した自沈層があり
不同沈下が懸念されるため地盤補強工事を
実施することとなりました       

令和5年6月26日(月) 埋蔵文化財試掘調査

現場は「大久保領家遺跡」に該当するため重機で
試掘を行い
遺跡の有無を確認します。     
試掘調査は市の担当官が行い、遺跡無しとの結果
で調査終了。このあと工事着工となります。  

もし遺跡が見つかり本調査が実施されると、工事
着工は延期となり、その調査費用(数百万円〜)
は全額施主負担です。埋蔵文化財、恐るべし・・

ちなみに建物が個人住宅の場合は補助
金が適用され施主負担金はありません
令和5年7月21日(金) 工事着工


地縄張りの確認
〜地面に縄ロープを張って実際の建物位置を表す〜
令和5年7月27日(木) 柱状改良工事


地盤補強で深度4mまで柱状改良を行います
令和5年7月31日(月) 水盛遣方


木杭と水貫(板)を用いて建物位置と
基準高さを正確に記します    

これを基にして基礎工事を行います
令和5年8月2日(水) 基礎工事


〜砕石地業〜

コンクリート基礎の下地となるもので
砕石を転圧して地盤を整えます   
令和5年8月7日(水) 基礎工事


〜墨出しコンクリート〜

基礎の基準を正確に出すための
捨てコンクリートです    
令和5年8月11日(金) 基礎工事

〜配筋〜

布基礎仕様で鉄筋はD13&D10です
鉄筋の「定着長さ」「被り厚さ」を検査

定着長さや被り厚さは基礎職人さんと見
解の相違が無いように工事に入る前に打
合せをして確認しておきます     
令和5年8月19日(土) 基礎工事

鉄筋の合間に設備配管用のスリーブを入れます
令和5年8月25日(金) 基礎工事

基礎型枠、アンカーボルト設置位置を確認
令和5年8月26日(土) 基礎工事

コンクリート打設
ベース部分と立上り部分一体打ちです
夏場の猛暑なので急激な水分の蒸発を
抑えるための養生が重要になります 
 ■令和5年9月6日(水) 設備工事

1階床仕上は土間コンクリートになるので
正確な位置出しをして給排水設備の配管を
先行して行います           
令和5年9月15日(金) 板金工事

1階床巾木として亜鉛鉄板を土台と基礎に
被せるように張ります         
土台と基礎の間は気密パッキンを敷き込ん
でいますが、更に気密を高めるために外壁
廻りと界壁廻りに亜鉛鉄板を用いています

桧土台は防蟻としてホウ酸措置をしている
ので雨にかからないようにビニールで養生
しています              

「ホウ酸措置」
 
 ■令和5年9月21日(木) コンクリート床工事

1階床は土間コンクリートになります
土足のまま汚れを気にせず仕事や趣味
のスペースに使える想定としています

誰にとっても使いやすいという視点で
はなく他では出来ない使い方を求める
人に向けた仕様として考えています 
 ■令和5年9月25日(月) 建て方

上棟へ向けて建て方が始まりました
柱や土台をホウ酸処理しているので
雨に濡れることがないように建て方
を三日にかけて行い一日の作業が終
わるごとに養生をしておきます  

*ホウ酸処理は防蟻と防腐の効果に
優れていますが唯一の弱点は水溶性
のため雨で流されてしまうと効果が
落ちてしまうことです      
令和5年9月25日(月) 上棟

無事に上棟となりました
材木は全て国産材
土台は桧 柱梁は杉
 
 ■令和5年10月2日(月) 木工事

上棟後はまず外回りを覆うように屋根外壁下地
令和5年10月6日(金) 木工事

構造補強金物の取付が終わりました
指定の金物であることを確認します

 
 令和5年10月11日(水) 木工事

界壁部の仕様

強化石膏ボード+硬質石膏ボードの二重張
壁内はグラスウール20K105厚を充填

界壁の二重張石膏ボードは1階床から2階小屋裏
まで通しで先行施工してその後に2階の床を施工
遮音のため界壁の縁を切らないようにしています

 ■令和5年10月16日(月) 電気工事

軒ウラ

軒ウラの懐が大きいデザインとしているのでその
空間を電気系統の配線スペースに利用しています

後の点検も容易に出来るようになっています
 ■令和5年10月19日(木) 電気工事

各住戸への幹線引込

配線配管等は遮音・防火上の観点から
界壁内は通さない計画にしています
 ■令和5年10月19日(木) 木工事

2階吹抜部

両側の壁は界壁で
仕上は木毛セメント版になります

天井は下地を石膏ボードで張り
仕上は亜鉛鉄板波板になります

■令和5年10月26日(木) 屋根工事

ガルバリウム鋼板(素地)縦ハゼ葺

足場撤去後は見ることは出来ませんので
今のうちに完全にチェックしておきます
 
 ■令和5年11月2日(木) 木工事

1階部分
玄関、浴室、脱衣洗濯物干、キッチン
トイレ、洗面、フリースペースが並びます

床仕上はコンクリート
壁仕上は木毛セメント版
天井仕上はフレキシブルボード
となります

 ■令和5年11月10日(金) 木工事

2階床 杉板張

音の反響を抑えるため根太
に防振ゴムを貼っています

 
■令和5年11月17日(金) 木工事

2階居室

天井、壁の石膏ボード張が終わりました
 ■令和5年11月24日(金) 設備工事

1階天井裏の状況
図面通りピッタリ納まっています
   ■令和5年12月1日(金) 木工事

2階居室
木毛セメント版の壁仕上
 ■令和5年12月15日(金)

外回りが仕上がり足場が撤去されました
屋内ではは木工事が順調に進んでいます

 ■令和5年12月22日(金) 木工事

2階居室
木毛セメント版の壁仕上と天井の野縁下地の完了
このあと天井仕上は亜鉛鉄板波板張りになります
  ■令和6年1月12日(金) 板金工事

2階居室
亜鉛鉄板波板の天井が仕上がりました
 
 ■令和6年1月26日(金) 木工事

吹抜にある階段が出来ました
段板は杉Jパネル
蹴込板は木毛セメント版
 ■令和6年2月9日(金) 外構工事

落ち着いた雰囲気と雨水浸透処理を
考慮し外回り(駐車場、アプローチ)
は全面砂利敷込仕上になります
 ■令和6年2月15日(木) 外構工事

砂利用下地材を全面に組んで
単粒度砕石6号白を敷込ます
 ■令和6年2月20日(火) 木工事

棚板、金物、備品類の取付
写真は階段下のトイレ洗面

■令和6年3月1日(金) 建具工事

トイレに上吊引戸が付きました
 
 ■令和6年3月7日(木) サイン工事

『けやきハイム』
鍛鉄家加成氏制作
■令和6年3月12日(火)完了検査 15日(金)完成引渡
    
無事に完成となりました!



〜〜〜完成写真はこちらをどうぞ〜〜〜