二人の「墓石」と差別戒名について

    

   ペ・サンド氏の「墓石」          イ・ギユン氏の「墓石」

 虐殺されたイ・ギユン氏、ペ・サンド氏の「墓石」には二人の日本人

式の姓である「春山」、「秋山」から文字を取って「春雪信士」、「秋

相信士」という四文字の戒名が彫られている。そして「墓石」の横面に

は「明治三十五年 月生 鮮人 春山清吉」 、「明治三十年二月生 鮮人

秋山正吉」と刻まれています。ここに刻まれた「鮮人」が当時の朝鮮人

差別を如実に表していることはいうまでもないですが、二人の「春雪信

士」、「秋相信士」という四文字の戒名も当時の朝鮮人差別からつくら

れたものなのです。一般的に日本人の戒名は六文字で構成されているの

ですが、二人の戒名は朝鮮人ということからわざわざ日本人よりも格を

落とし、差別する意味で四文字とされているのです。このような四文字

の戒名は人間に対しては使用することはなく、当時の日本人は朝鮮人を

同じ人間とみなしていなかったのです。