一触即発




ある日、夕飯を作るのがめんどくさいのでコンビニに行った時でした。 僕がコンビニに入ると、雑誌等を立ち読みをしている人が2、3人、 それとは別に、いかにもヤンキー(死語)といった感じの集団が先に店内にいました。 あんまりその手の人間には関わり合いになりたくないので、 その集団がたむろしている所を避けて、 弁当やおにぎりなどが置いてあるコーナーに行きました。 ここでちょっと説明。 コンビニ等によく行く人はわかると思いますが、 コンビニには弁当やおにぎり以外にも、 その場で作りおきしてある食べ物も売ってたりします。 代表的なものは「おでん」や「肉まん」、 コンビニによっては他にもフライドチキンのようなものを ホットケージ(保温効果のあるガラス戸付きの網棚みたいなやつ)などに入れて売ってたりします。 具体例だとロー○ンで売ってる「から○げくん」などがそうです。 これらは当然他の商品よりも日持ちが悪いので、多く作っておくことはあまり無く、 また新しく作るには少々時間がかかってしまいます。 話を元に戻します。 それで適当に弁当などをみつくろって、レジに持っていったところ レジの横のホットケージに一つフライドチキンが作りおきしてあったので、 たまにはこういうのもいいかなと思い、それも買うことにしました。 その後、店員さんがフライドチキンをケージからとりだしたり 弁当を温めてもらってたりしている間に さっきのヤンキー達がレジの近くにやってきました。 やだなーと思いつつ「弁当よ早く温まれ」なんて思っていると、 ヤンキー達がなんか騒ぎだしました。 「おい、さっきまでフライドチキンあったのになくなってるぜ。」 「マジ?だれか先に買っちゃったんじゃねえの。」 「ざけんなよ、オレ買おうと思ってたのによ。」 「新しく作ってもらえばいいじゃん。」 「結構時間かかんだよ、こういうやつって、 畜生、誰だ、先に買いやがったヤツは?」 「はい、僕です」 なんてことは口が裂けても言えません。 ですが、もう後には引けません。 やばいよ、頼むからばれてくれるな、なんて思いながら待っていると 店員さんが温め終わった弁当といっしょに、 明らかに中身がフライドチキンとわかる包み をビニールの中に入れました。 当然、レジの近くにいたヤンキー達もそれを見てました。その途端 背中にザクザクと突き刺さるような視線と 恐ろしいほどの殺気を背後から感じました。 「うおおおおぉ、完璧にバレたーーー!!!!!」 もう頭の中は真っ白になってました。 もうとにかく「逃げる」ことしか頭にはありませんでした。 会計をさっさとすませた後、脱兎のごとくそこから逃げ出しました。 恥とか外聞とかはこの際関係なかったです。 その後、自分の部屋に帰り着くまでは生きた心地がしませんでした。 自分は少しも悪くないのになんでこんな思いしなくちゃいけないのか、 なんだか損をしたようにも感じました。 まあ漫画や小説の真似をしてかっこつけて怪我をするほど 僕は馬鹿じゃありませんが。 この話はノンフィクションです。 みなさんも気をつけて(?)くださいね。
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