思いつき駄小説
某少年推理漫画を読んでいたらアホな話しを思いついたので書きます。
「・・・というわけで謎は全て解けた。 残虐な殺人犯『生え際の魔術師』はお前だ!」 「な・・・? 俺が犯人だって?冗談だろ?」 「いいや、犯人はお前だ、『禿田 禿雄』!」 「は・・ははは、俺が犯人だって証拠でもあるのか?」 「・・・ああ、お前が犯人だと示している物は・・・それだ!」 そういって少年は男の頭を指差した。 「お前のこのヅラが動かぬ証拠だ!」 「な・・・俺はヅラなんかじゃ・・・。」 「あんたには感心させられるよ。 『木の葉を隠すなら森に隠せ』ってね・・・、 そう、お前は『ヅラ』という木の葉を隠すために 『仮装パーティー』という森を作ってしまったんだ!」 周囲にどよめきがはしった。 「そう、この仮装パーティーこそが、生え際の魔術師であるお前の用意した 殺人の舞台だったんだよ!」 「そ・・・そうだよ、今まで隠してたけど俺はヅラだよ・・・、 だけど俺がヅラだからって犯人扱いはひどいんじゃないか?」 周囲の人間は彼が犯人であることには驚いているが 彼がヅラであることには驚かなかった(とっくに知っていた)。 「まだシラを切る気か?あんたは自分がヅラであることを隠すために この仮装パーティーを計画した。 仮装パーティーならあからさまにヅラだとわかっていても 別に気にする人間はいないと思ったんだろう。 だが、あんたにとって誤算だったのは その『中途半端なヅラ装着のテクニック』だったんだ。」 「な、なにぃ?」 「普段ヅラなんか着けてない人間が仮装パーティーでヅラを着けたら かなり不自然なヅラのかぶり方をするはずだ。 しかしお前は、あからさまにヅラだとわかるものの なぜか違和感無くヅラを装着していた。」 「く・・・。」 「そのとき俺はフッと思ったんだ。 『こいつは仮装パーティーじゃなくても、普段からヅラをつけてるんじゃないか』ってね。 その途端俺の頭の中でばらばらだったパズルが組み合わさるように 全てを理解することができたんだ。」 「・・・くっくっくっく、そこまでばれているとはね。 そうさ。俺が『生え際の魔術師』さ。」 「なぜだ?なぜお前は何人もの人間を殺す必要があったんだ?」 「・・・親父の復讐のためさ。」 「親父さんの・・・復讐?」 「ああ、俺の親父は天才的なヅラ装着テクニックを持っていた。 それはまさに髪・・・いや神業というべきもので、 俺や俺の家族が一緒に生活していてもまったく気付かないほどのものだった。 そう、親父はオフクロや俺にはヅラだということを隠していたのさ。」 「しかし、あるとき悲劇は起きた。 俺たちが家族揃って海外旅行に行く途中、 俺たちが乗っていた飛行機が墜落したんだ。 乗客は全員奇跡的に無事だった。 しかし通信機器が壊れていたせいで俺たちは全員 一ヶ月間、無人島生活をしなければならなかった。 食料や水は十分あったので一ヶ月の無人島生活といえども命の危険は無かった。 しかし・・・一ヶ月の無人島での生活は恐ろしい事実を明らかにしてしまった。 一ヶ月間無人島で生活をしていれば、誰でも髪はボサボサ、髭はボーボーになる。 だが俺の親父は髭はボーボーになっていたが、一ヶ月間全く 髪型が変わっていなっかったんだ! そのとき俺やオフクロは初めて気付いた。 親父はヅラだったんだってな・・・。 俺たち家族は親父がヅラであることは気にしなっかった。 だが他の飛行機の乗客は親父がヅラであることを笑いやがった。 ヅラであることがばれた親父はそれ以降酒に溺れ、暴力を振るうようになり 俺の家庭は崩壊した・・・。 その時俺は誓った、親父のヅラを笑ったやつを皆殺しにしてやるってな・・・。 この仮装パーティーの招待客はみんなあの飛行機事故の当事者なのさ。」 「お前は・・・本当にそれで良かったのか、そんなことをして親父さんが喜ぶとでも・・・。」 「うるさい、お前になにがわかる! ええい全員動くな、この俺のヅラには爆弾が仕掛けてあって このヅラを床に『ペシッ』と叩きつけることで爆発するようになっている。 お前ら全員地獄に道連れだぁ!」 「よせ禿田!考え直せ! 今は、マー○増毛法というものがあるんだぞ! それがあればお前はヅラをつける必要がなくなるんだ。」 「う・・・うるさい!もう後には引けないんだよ!」 禿田がヅラを頭から剥ぎ取り、勢いよくに床にヅラを『ぺチッ』と 叩きつけようとしたその時、 「お前はいままで自分の頭に大切に乗せていたそのヅラを床に『ペシッ』と 叩きつけることはできるのか?」 「う・・・うう、できねえ。いつでも俺と一緒だったこのヅラを 『ペショッ』と床に叩きつけることなんて・・・」 「禿田・・・。」 「畜生・・・畜生・・・。」 こうして何人もの死者をだした凄惨な殺人事件は幕を閉じた。 しかし少年の胸のなかにはなにかやり切れないものが残った・・・。
構想30分、執筆1時間の作品です。 執筆後記、そういえば高校2年のときの担任がヅラだったけなぁ(実話)
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