戦争を糧とする者




「人間の歴史は戦争の歴史」なんてことはよく言われます。 これは紛れも無い事実であり、我々の今の生活や文明はその戦争の上に築き上げられているのです。 では、何故戦争は起こるのか? それは各々の思想の違いであったり、宗教の違いであったり、 利害関係からの対立であったり、その理由は様々です。 戦争というものは悲惨なものです。 普通だったら誰だって戦争には反対なはずです。 しかし悲しいことに、歴史の裏側には 戦争で利益を得て、自らの私腹を肥やす人間が必ず存在します。 俗に言う『死の商人』という存在です。 戦争中の国は、その戦争に勝つ為に国家を挙げて全力で戦います。 その過程で、より優れた、より大量の軍需物資を必要とします。 それらの軍需物資獲得は、戦争に勝つ為に絶対に必要不可欠です。 背に腹はかえられない、といったところでしょうか。 そのためあらゆるルートを使ってでも、 そしていくら金がかかってでもそれらの物資を確保しようとします。 それらを斡旋し、そのことで利益を得るのが死の商人です。 この商売は莫大な利益を得ることができます。 大抵戦争で勝った側、いわゆる戦勝国は敗戦国に対し多額の賠償金を課します。 つまり戦争に勝ちさえすれば、戦争中の赤字等をほとんどこの賠償金により解消できるのです。 そのため戦争中はなりふり構わず湯水のように金を使います。 国民の税金を惜しみなくミサイルに変えてしまいます。 はっきりいって異常な状態です。 そしてその異常な状態、つまり「戦争に勝つため周りが見えなくなっている」相手に商売をするのですから、 相手に極端に不利な取引でも成立してしまうのです。 取引相手は「戦争に勝つ」ことしか頭にないのですから。 そして「死の商人」達の売買ルートは一国に限られたわけではありません。 様々な国、地域、民族とネットワークで繋がっており、世界中を又にかけて活動します。 極端な場合、戦争中の双方の国に対し商売を行っている輩もいるでしょう。 そしてそれらのグループが自在に需要と供給を操っている場合も多いのです。 そう、「戦局の泥沼化」ですら彼らの計画の一部という可能性も捨てきれません。 私の考えでは、彼らは許しがたい存在であると思います。 まさに「戦争を糧にしている存在」といえるでしょう。 彼らの利益は、戦争により苦しむ一般の人々の血や涙や命で成り立っているのですから。 人々の犠牲を土台にして、自分達は被害の出ないところで悠々と戦争を眺めている。 まさにこれは、テロと言うべきではないでしょうか? テロリストとは破壊活動を行う者だけを指すのではなく、 戦争を影から操る者たちのことも指すのではないでしょうか? そしてこのような許しがたい存在は現実世界だけでなく、仮想の世界にも存在します。 とある有名RPGに、こういう場面が出てきます。 「わが国では防具が不足していてな、おぬしの持っている防具を売ってくれんか?」 >はい 「どれを売ってくれるんじゃ?」 >てつのよろい 「てつのよろいじゃな、2000Gで引き取るぞ?」 「てつのよろい」の仕入値は1200Gです、ぼろ儲けです。 戦争の用意を着々と進めている国の 物資不足を利用して金儲けするってのはどうよ? トルネコ、お前は鬼だ、金の亡者だ(笑)
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