読売新聞掲載の待機児童数ゼロについて

本資料は1会員から提出されたもので、全体の合意ではありません。
ご注意下さい。


読売新聞3月7日付にて、市長が議会で2002年度には待機児童数をゼロにすると発言したとの記事が載りました。これについては、「川崎の保育園に子どもを入れたい!親の会」をたちあげた猪熊さんなどが抗議をされて28日づけに「親の会」の紹介とともに、一部訂正記事が載っていますが、あらためて私なりに整理したいと思います。
(担当の市保育企画課との話し合いの機会を持ちたいと思いましたが、先方が忙しく実現していません)

1.読売新聞記載の市の主張
記事の数字を拾えば以下のとおりとなります。
2002年度の認可申請数は11970人であり、これに対して、認可保育園3園の増設と定員を越えた受け入れ250人により認可保育園受け入れは11085人となる。さらに、おなかま保育室定員が300人、援護対象地域保育園在籍が600人となると予想されるため、認可保育園申請者数を受入数が上回るため、待機児童はゼロになるというもの。

2.市の主張の問題点
各数値について見ていくと。
申請者数11970人については、昨年の児童福祉審議会への資料よりも若干増加させており、おおむね妥当だと思われるが、短期的な申請増加要因である公立保育園での延長保育の充実の影響が一部考慮されていないと思われる。
認可保育園3園増設により定員は増加するが、この地域の需要を掘り起こす効果もあるので、一概に定員増加分だけの待機児童の解消とはならないと思われる。
定員を超えた受け入れについては、現状でも実施されており、現状からの緩和効果は少ないと思われる。
おなかま保育室と援護対象地域保育園在籍児童を待機児童から除く市の定義は構成労働省定義にも反し、この問題は読売新聞3月28日付でも指摘されている通りである。
おなかま保育室について定員を300人とするが、すべて定員がうまるとは限らない。地域保育園の在籍600名であるが、このうち認可保育園申請者数は100名程度であり、600名を引くことはできず、ここだけで500名の差が生じる。

以上を踏まえての市の主張の問題点をまとめると。
 ・待機が最も少ない4月1日の時点の数字のみしか考慮にいれていない
 ・おなかま保育室、援護対象地域保育園の児童は待機児童から除いており厚生労働省定義に反する。
 ・認可園新設及び延長保育推進によるニーズ掘り起こし効果を考慮していない。
 ・援護対象地域保育園在籍600名のうち、500名は認可保育園に申請していない子である事実を考慮して
  いない。
 ・認可保育園、おなかま保育室とも受入数がいっぱいになることを想定しているが、非現実的である。

3.記事の考え方に従った2002年度4月の私の予測
記事では、おなかま保育室、援護対象地域保育園入所者を除いた川崎市独自定義で算出しているが、百歩譲って、この定義により試算してみると。

申請者数 12100人(延長保育と新設によるニーズ掘りおこしを考慮)
認可園入所者 10800人(若干の定員割れを想定)
地域保育園  100人(今年度の待機児の援護対象地域保育園入所数72人より予測)
おなかま保育室等 290人(目標300に対して未達成分を予測)

以上より、2000年度の待機児童よりさらに多い910名の待機児童がうまれることになり、市の試算は市独自定義によっても誤りということになります。   

さらに、厚生労働省定義による待機児童は数百人多くなりますし、年度途中ではさらに1000人ほど上積みされることになりますので、最低でも認可保育園10園の新設を早急に実施する必要があります。

                                                              以上
 


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