お手紙を拝見いたしました。
民間保育所に対する指導等についてお答えいたします。
保育所は、児童福祉施設であり、運営にあたっては、特に児童に温かい愛情とうるおいに満ちた
雰囲気をつくるように努めるとともに、保育所における保育が、児童の人格形成及び心身の発達
に重要な影響を及ぼすことに留意し、十分慎重かつ適切に行うことが必要です。
保育所が、なんらの基準もなく、恣意的に児童の保護にあたるということになれば、児童の健康を
守り、その心身の健全な育成を図るという保育園の目的の実現が,必ずしも達成されないことが考
えられますので、施設における設備と運営が少なくとも一定の基準以上であることが不可欠な条
件となります。
そのため、国では、保育所において必要とされる施設の設備や運営について、「児童福祉施設最
低基準」というものを定めています。
この基準の主たる内容は,
(1) 乳児室や保育室、遊戯室、屋外遊技場などのほか、調理室、便所等の設備を整備すること。
(2) 職員として、決められた基準に基づき保育士、嘱託医、調理員をおくこと。
(3) 一日8時間以上の保育時間をもって運営すること。
(4) 保育は、保育指針に基づき適切に行うこと。
などですが、これらは、設置時において、適合していなければなりません。
また、設置後においても常時遵守されていることが必要でありますので、行政が施設長等に対し,
必要な報告を求めたり、施設に立ち入り、設備、帳簿書類などの検査し、また、必要に応じ、改善
勧告等をすることができるなど、施設の監督をすることができることとしております。
本市におきましても、これらの規定に基づき、民間保育園に対し指導及び監査を実施しており、指
導につきましては、保育企画課の通常業務として、国からの通知や本市からの連絡事項の伝達、
運営費の支払いなどを通して、また、個々の施設からの相談等を受けるかたちで、実施しておりま
す。
また、監査につきましては、毎年1回、施設において、入所者の処遇、職員の配置及び勤務条件、
経理状況、設備の状況等施設の運営管理全般にわたって総合的に監査を実施しており、基準に
達していない事項があった場合には、適切な施設運営に向け改善を図るよう口頭あるいは文書に
よる指示をしております。
なお民間保育所の具体的な指導・監査にあたっては、児童福祉施設最低基準の遵守の確認を基
本としつつも、それぞれの保育園が、歴史的沿革や立地条件、利用者の要望内容に差異があるこ
と、また、それぞれの園が創意工夫・努力のもとに運営をしていることなどに鑑み、形式的、画一的
な指導にならないよう留意しています。
いずれにいたしましても、保育所は,保護者が働いていたり、疾病等の状況にあるなどのため、家庭
において十分保育をすることができない児童を、保護者にかわって保育をすることを目的とする児
童福祉施設であり、かつ、通所する児童の心身の健全な発達を図る役割も有しておりますので、こ
れらの目的達成を主眼に、これに子育てと仕事の両立など子育て支援施設としての観点も踏まえ、
市民の皆様にとって、利用しやすい保育所を目指し、保育行政を推進してまいりたいと考えております。
平成13年12月19日