前から噂を聞いていた「CUBE」をやっと観ました。
謎だらけの四角い部屋に放り込まれた数人の男女が、わけも分からぬまま脱出を試みるという映画です。
警官、医者、数学専攻の大学生、サラリーマン、老人、という面々が、悩みながら進んでいきます。部屋は正立方体で前後左右上下の六ヶ所にマンホールのような扉がついており、その向こうには同じ形をした部屋があるのですが、ほとんどの部屋には罠が仕掛けられていて、うかつに踏み込むと簡単に命を落とします。
罠のある部屋と無い部屋の法則性や脱出のためのアイデア。登場人物たちは何故に自分がこんな目に会っているのか、そしてこの建物は何なのかということに、苦悩します。

全般にパズルのような作りで、仕掛けや心理描写、ストーリー展開に至るまで拍手をしたくなるような良い映画でしたが、冒頭から最終シーンまで「脱出もの」独特の緊張感がものすごく、終わってからの余韻も独特のため、見ていてとにかく疲れる映画でした。
ただ、老人が脱獄のプロであると解った途端に最新式の罠にかかって無残に死んでしまう等、緊張するシーンと弛緩するシーンの転換が早すぎて、演出としての観客への「脅し」がキツ過ぎるような気もするのですが、しかしそれがこの映画の持つ強烈な印象にもつながっているため、悪いところとも言い切れません。

面白さは保証します。結末や、映画のテーマをどうとらえたかというのは、こういう映画ではキモにあたるところですから、今回は書きませんね。




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