同じ映画を2回紹介するのも反則かなとは思ったのですが、二日連続で映画館に足を運んでしまうほどハマってしまったので、どうかご容赦ください。

今回は、TV版を多少なりともご存知の方に、いくつかの「みどころ」についてご紹介したいと思います。
まずは、大きくデザインの変化した鳳学園。TV版ではまるで前方後円墳のような形をした巨大な丘の上に建つ学校でしたが、物語の冒頭から画面に登場する今回の学園の校舎を見たら、その強烈に打ち出された新しいイメージに皆さん驚かれることでしょう。幾原監督は雑誌のインタビュー等で「皆さんにいままで誰も体験したことのない映像をお見せします」と発言していますが、その象徴たるものこそ、この校舎だと思います。ただし、冒頭のシーンだけで十分に衝撃的なのですが、ここであまり驚きすぎてしまうと、後に続く無数の未体験映像美の群れに圧倒されてしまいますから、どうかほどほどに「構えて」ご鑑賞下さい。

「黒薔薇会編」を皆さんは憶えていらっしゃいますか?あの時の施設も登場します。並べられた椅子の上の交通標識。そして面会室。今回あの面会室に入るのは、なんとウテナ本人です。本来面会室に入るべき「黒薔薇の生徒」との対極に位置するはずのウテナが、あの面会室に入った時、どのような結果が訪れるのか。ずっと抱いていた一つのイフが解かれます。

生徒会メンバーそれぞれの動きも見逃せません。特に生徒会長桐生冬芽はTV版であまり描かれなかったバックグラウンドが初めて描かれ、彼に対する印象が大きく変わること請け合いです。西園寺莢一はいつも通りの一直線野郎で、薫幹はTV版以上に薫梢に翻弄され、有栖川樹璃はTV版以上に悲しく描かれます。ナナミは・・・ナナミでした。そしてもちろん、全編にわたって描かれているのはウテナとアンシーの物語。ある場面ではTV版と同様に、またある場面では予想外の行動を取って観客を仰け反らせてくれます。

真っ赤なボディとスポーティなフォルムが魅力の「アキオカー」も、もちろん登場します。TV版とは少し違った役回りでですが。しかしながら心配は御無用!誰も想像出来ないような登場の仕方をする「ウテナカー」を筆頭に、何台もの自動車が終盤のスクリーンを飾り、激しく疾走します。それらが何を目指しているのか?それがおそらくこの映画のテーマです。


「劇場版少女革命ウテナ・アドゥレセンス黙示録」は、全国東映洋画系で放映中です。意外にお客さんは入っていますがおそらく長くても9月中旬には打ち切られてしまうと思うので、見ようと思われた方はお早めに!


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