簡単なことです。ビデオデッキにこのテープを入れて下さい。
ヒンディー語というのは、なんとも音楽的な旋律を持つ美しい言葉です。今風ではないところがかえって好ましいダンスミュージックをバックに、そのヒンディー語の歌を唄いながら、ムトゥは馬車に乗ってあなたの前に現れます。
老若男女からモテモテの、あるマハラジャに仕える中年男性使用人、ムトゥが、あなたをマサラムービーの世界に引き込みます。
踊り、唄い、恋をし、事件を解決します。特に踊ります。
最初は「何なのだ!」と思うかもしれませんが、ムトゥの力強い歌声と、ヒロインであるミーナの驚くほど甘い歌声、そしてへなへなのアクションシーンを観ているうちに、細かいことはどうでもよくなってきます。

勧善懲悪のメインストーリーに、お昼のメロドラマのようなラブロマンス、そして忠君の人情ものに加えて貴種流離譚と、分かり易い物語のエッセンスが存分に詰め込まれ、観ていて頭を使うことはまずありません。
上映時間2時間半と、気楽に観るにはちょっと長い映画かもしれませんが、のんびりした休日の午前中にでもご覧になれば、その後の半日がなんだかやたらハッピーに過せること、うけあいです。


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