僕は電車に乗っていると、立っていようと座っていようと、すぐに眠くなってしまいます。実際に、よく寝てしまいます。
そんな時、ふと、まわりを見回してみると、結構寝ている人は多いです。昼間に乗れば、買い物のおばちゃんや営業のサラリーマン風のおじさんがグウグウ。夜の電車ともなると、学生さんや御老人、やっぱり会社帰りのサラリーマンなんかが、席に座ってウツラウツラ。
旅行番組なんかで、外国の列車内なんかがよく映りますが、こんなに国民がよく寝ている国は見た事がありません。

もちろん、日本が世界各国に比べて並外れて治安の良い国であることは無関係ではないと思いますが、それはこの現象を可能にする状況、であって、原因ではありません。
では、なぜあんなに寝ている人が多いのか?
かしこまるほどの事ではありませんね。みんなが疲れているからに違いありません。
もちろん、疲れていない人も沢山いますし、車内でやたら元気に友達と喋ったり、携帯電話をかけたりしてる人もよくいます。しかしながら、ある程度の乗車率の列車内で、寝ている人がいないことはまずない、というこの状況には、こういう明確な理由があると考えた方が、分かり易いでしょう。
現代日本人は、なんでこんなに疲れているのか。昔に比べて布団の質が悪くなったのか、睡眠時間が少ないのか、日常に飽きているのか、生きることに飽きているのか。
ひょっとしたら、もともと電車みたいなものに乗ると眠くなってしまうという気質が日本人にはあるのかもしれませんが、いつか、日本人の生活に質的な転換が訪れることがあるとしたら、その結果はこういうところから現れて来るのでは、と思います。
たとえば、みんな目を爛々と輝かせ、やたら活発な列車内。もしくは、乗客全員がすやすやと眠りこける列車内。まあ、これはどちらも極端ですが、国民の意識の指標というのは、こういうところからも計れるような気がしますね。


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