大した話題ではありませんが、お昼の時間なんかにTVでやっている、俗に「ワイドショー」と言われる一連の番組で、ここ数ヶ月、とあるおばはん同士のケンカが延々と取り上げられています。
皆さん大抵そうだと思うのですが、この話題はもういい、と僕も今朝まで思っていました。正確には、半月程前にその心境になって、最近は忘却すらしていた話題です。

しかしながら、今朝方に、たまたまかかっていたTVを見ていたら、ちょっとしたことに気がつきました。もし、この話題がワイドショーで取り上げられなくなったとして、それでもワイドショーは無くならないわけですから、今度はまた、異なる話題が出て来るわけです。芸能ゴシップ、エセ環境問題、一方的な殺人事件報道、渦中の人物の虚像の構築・・・・・・。
ならば、おばはんのケンカ程度の話題でも延々と取り扱っていてもらう方が、まさしく分相応というものでしょう。下手に正義ぶった新興宗教叩きや、ヒステリックなだけの見当違いの自然保護をがなられるよりも、よっぽど害がありません。
せっかくの、多くの人達に情報を発信出来る全国放送のTVというメディアを少しでもそんなことに使わなくてはならないのは甚だ勿体無い事ではありますが、そうせざるをえないシステムがTVを放映する会社や社会そのものに存在してしまっているのでしょう。その中で、いつまでも分相応な話題を扱ってくれるというのは、かえって良心的かもしれません。「この話題をやってる限りは、番組によって苦しむ人もあまりいないだろう」というプロデューサーさんの意図すら、感じてしまいます。

つまらない、くだらないと思ったら、見ないこと。
ワイドショーで面白いものをやってくれるのではないかという僕らの中にある期待が、結局、ああいう番組を作りあげてしまうのです。
人の噂話より面白いものはないと古今東西で言われていますが、それより面白いものを提供出来る番組がお昼の時間にポンと提示出来たら、ワイドショーを無くしてしまうことすら出来るかもしれません。
まあ、そんなものは今現在僕には思い付きませんが、こういった「人間の根源的な卑しい心への挑戦」みたいなものこそ、「こどものくに」が最終的にテーマにするものであると考えています。


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