いきなりですが、戦争を行う場合には、いくつかの段階があります。

「こいつと戦争をするぞ」という気持ちになっても、いきなり襲い掛かったり、宣戦布告をしてはいけません。
まずは、相手との交渉の席を設けます。この場合も、敵意万々で近づくようなことをしてはいけません。この段階では、相手に、こちらの戦争の意志を気取られない方が良いです。笑顔の一つも作れれば上出来です。その席で、相手から譲歩を引き出すための交渉を行います。戦争をすることによって結果的に奪う予定のもの、その数倍の要求を吹っかけるとよいでしょう。最低でも、奪う予定のものそのままを欲しいと要求すべきです。これは、相手を怒らせるための要求、などという生易しいものではありません。この段階はすでに戦争です。この段階で戦争を終了出来るように、まずは全力を尽くすべきものです。
もし、ここで、相手がその要求を飲んだら、用意した矛は素直に納めましょう。あなたは戦闘無き戦争に勝ったのです。

相手が要求を飲まなかった場合、今度は開戦のタイミングを伺います。状況次第では、相手が要求を断った瞬間にナイフを突き付けるのが最善である場合もありますので、交渉中から緊張感を失ってはなりません。
この段階では、とにかく相手の虚をつくことが大切です。センスとスピードが重要です。そういう意味では、すでに戦術の才能が必要な段階であると言えます。

戦争は、相手があってはじめて成り立つものですから、相手をよく知ることが大切です。開戦前に、相手の情報を出来るだけ集める必要があります。孫子曰く、「敵を知り己を知れば百戦して危うからず」です。交渉の席での、相手の対応やこちらからの呼びかけに対する反応などを、細部に渡るまで観察することも無意味ではないでしょう。
また、自分の情報を出来るだけ相手に漏らさないようにすることは、相手のことを知る以上に重要なことです。この時、相手にこちらのコントロールしている虚偽の情報を流せれば、それは強力な武器になりますから、意図的に流すことも考えるとよいでしょう。

それから、開戦前に、戦争が終了する段階を想定しておく必要もあります。相手を、どのような状況に持ち込めたら勝ちなのかということです。自国の領土から追い出せたら勝ちなのか、相手をこの世から消してしまうことが目的なのか、はっきり自覚しておく必要があります。
戦争状態というのは、その母体に大きな消耗を強いるので、自分がどれだけ戦えるのかということを計算しておかなければならないのです。無限定に戦いを続ければ、その消耗は絶大なものになってしまうでしょう。
戦争とは、始めた時から、その終わらせ方を模索するものなのです。


今回述べている内容は、国家間の戦争のみでなく、例えば、インターネット社会での掲示板を利用した「フレーム戦争」と呼ばれるものにも同様に当てはまるようにも考えています。
これを読んでいるあなたが、ちょっとした喧嘩程度のものではなく、「戦争」をしなければならなくなった時、上手にそれを行う手助けになれば、と思います。この続きも、自分なりに研究をしながらだんだんと書いていく予定です。


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