「あまめはぎ」は、東北地方に伝わる「ナマハゲ」と同じ部類の妖怪です。

水木しげる先生のゲゲゲの鬼太郎には、コマ回し妖怪として登場していました。
ナマハゲは随分有名になってしまいましたが、あまめはぎはそれほど有名ではないぶん、
まだ妖怪としての本質である「未知の怖さ」を十分に保った存在でしょう。
あまめはぎは人を襲います。
それも山や海など、人界から離れた異界に現れるのではなく、人里に突然現れます。
雪の降り積もる静かな夜や、大人が出払ってしまってひとけの少なくなった人里に現れて、子供を襲います。
同類のナマハゲは恐ろしげな出刃包丁を振り回して人を怖がらせるだけですが、あまめはぎは実際に子供に傷を負わせるのです。
「あまめ」とは、子供の足の裏に出来るたこのことです。
あまめはぎはそれが大好物で、子供を押さえつけると足の皮ごとそれを剥ぎ取って、むしゃむしゃ食べるのです。

足の裏のあまめは、囲炉裏にあたりすぎると出来ます。
要するに、「さぼりだこ」とか「怠けだこ」なんです。
子供は親の手伝いをして働け、親の手伝いもせず、怠けて囲炉裏にばかりあたっている子供のところには、あまめはぎがやってくるゾ!という、脅し話なわけですね。

実は僕のお尻に、最近すわりだこが出来てしまって、痛くてなかなか困っております。きちんと働いて作ったたこでは無いですから、うかうかしているとあまめはぎが僕のお尻の皮を剥ぎにやってくるかもしれません。SOHOで働いているならともかく、家でごろごろしているわけですから、あまめはぎに言い訳をすることも出来ません。
2月からのアルバイトでは、ちゃあんと立って勤勉に働いて、あまめはぎに襲われないようにしたいと思います。
僕みたいな怠け者が居る限り、それを叱る妖怪も、現代にちゃんと生きて行けるってわけですね。


back