2012年3月号 第313号

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春季彼岸会のお知らせ

3月20日(祝)
第一座 午前7時
第二座 午前10時

■東日本大震災から一年が経ちました。

■あらためて被災された方々に衷心よりお見舞い申し上げるとともに、不幸にも犠牲となられた方々に対し、香風寺としてあらためて追善回向させていただきます。

■この震災がもたらしたことは、現象的には二つに分けられると思います。

■一つは、地震と津波による災害。もう一つは福島第一原発の事故です。

■前者の方は、徐々にではあっても復旧、復興へと向かっているわけですが、後者は日が経つにつれて深刻さが増してきています。

■原発事故は地震と津波がきっかけで起こりましたが、原発事故が日本はもちろん、世界にもたらした影響は重大かつ深刻です。

■小生なりに毎日のニュースや関係する本などを見て思い巡らせてみると、「自然災害と原発事故」という構図ではなく、本質は技術の未熟さ、判断の甘さ、設計や施工の甘さ、管理保安体制や政府などの隠蔽体質によるもので、むしろ「人災」のように見えてきます。

■しかし、この災害が私たちにもたらしたものはそれだけでしょうか?

■私たちの住む「生態圏」というものへも目を向けさせてくれたと思うのです。

■この度の震災は「生態圏ということを前提にしないと人類の生き残りは困難」であることのメッセージであるとも考えられるのです。

■たまたま開いてみた佐久間象山の本に、「人間的な社会システムの変革と天変地異は同時期に起こるのだ」という一節がありました。これは幕末に日本が開国するにあたって総括した『セイケン録』の中の一節です。しかも、当時としては外国から侵略される予兆だとも述べていました。

■これは七五〇年前に日蓮聖人が仰せになられていたことと同じことです。

■現代の日本は侵略というか原発処理やTPPなども含め、国際的な草刈場に日本がなっているような感じです。まさしく今が、そういう「時」なのかもしれません。

■私たち人間がこれからどういう視点に立ってものを見て、考えるべきなのか・・・。

■この未曾有の大震災から一年が経った今、あらためてこれまでの歴史や価値観、死生観などを見直すべき「時」なのでしょう。

■そもそも彼岸会とは本来、そういう私たちの日々の暮らし方を反省・改良する日として古来より大切にしてきた伝統行事なのです。

■震災から一年経ったこの彼岸会。香風寺としてはそういう点も視野に入れながら営みたいと存じます。ご家族そろってのお参詣をお勧めします。 


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