2012年9月号 第319号

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お彼岸会のお知らせ

9月23日(日)
第一座 午前 7時
第二座 午前10時

からぐら伝言板
―― 無縁社会ではなく無援社会 ――

■NHKが「孤独死」などを取り上げて現代社会を「無縁社会」と呼び、一気に社会問題となっておりますが、小生はどうしても腑に落ちませんでした。

■絆が断たれてしまった現代社会だからこそ、あえて「絆」が強調されて喧伝されているような気がします。

■なぜ、絆が断たれてしまったのでしょうか?

■それは戦前まであった地縁・血縁を手かせ足かせとして煩わしく旧弊な「ムラ社会」だと切り捨てて、核家族こそ幸せの世界だと都心にマイホームを求め、今までの縁を切り捨ててきた結果とはいえないでしょうか。

■小生は教務という立場上、お葬式を含めて様々な人生の通過儀礼に立ち会う機会が多いのですが、現代は血縁という理由だけで会社を休むことは不可能になってきているような気がします。親のお葬式でさえ二日間くらいしか休めないのではないでしょうか。

■お通夜とお葬式で最低二日間かかります。故人の遺品などの整理となれば一週間くらいは必要ではないでしょうか。

■つまり、生活スタイルが変化したことが、親子や家族の関わりを疎遠にしている大きな要因になっているのです。

■物理的にも精神的にも、昔に比べればゆとりがない社会になっているのは確かです。ゆとりがあれば、赤ちゃんの出産にも立ち会えますし、肉親の最期にも立ち会えますし、遺品の整理なども家族でゆっくりとしながら故人を偲び、家族の絆も更に深めることもできるでしょう。

■現代社会を「無縁社会」と呼ぶ人が多いですが、具に見てみると縁は今もあるし、気持ちもあります。ただ表現の仕方が変わってしまったのと生活スタイルが変わってしまい助け合うゆとりがなくなってしまったのです。いわば「無援社会」なのです。

■こういう社会だからこそ、今から少しずつでも親子の新しいつながり方を求めて、月に一回は家族揃って食事をしたり、定期的に電話をするなど工夫する必要があるでしょう。

■香風寺は23日に「お彼岸会」を開催します。まずはご家族揃ってお参りされることをお勧めします。せめてこの日くらいは「ゆとり」を持って亡き方々を思い出し、お塔婆をあげて御題目をお唱えすることをお勧めします。


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