2012年10月号 第320号
お導師からのメッセージ
ローソクの芯に火が灯った瞬間が人の誕生とすると火の消える時が臨終です。
ローソクにも長い短い、太い細いがあって、火が燃え続けている時間にも長短があります。それと同様、人の寿命にも生まれながらに長短があるようです。
しかし、せっかく長く太いローソクのような寿命を生まれながらに与えられていながら、そのいのちを粗末に扱ったため、あるいは世の無常の風に吹かれて、途中であえなくいのちの灯びを消されてしまう人もいます。
生れ持っての寿命は短く細いものであっても、それを大事に最後まで使いきって臨終を迎える人もいます。
それにしても、人のいのちというローソクは実際のローソクと違って、あとどれくらい残りがあるかを目で推し測ることができないところが難点です。いや、だからこそ今日一日を一生懸命に大事に生きようという気持ちも生まれてくるのかもしれません。
寿命の長短よりもこの私といういのちの灯びが周りをすこしでも明るく照らす、つまり人さまのお役に立つ灯びとなるよう心がけつつ、与えてくれた寿命を完全燃焼したいものです。
死ぬる日を心に明日と定むれば
今日の一日ぞ大事になりける
生きている日数の中の今日の日を
いたずらならぬように暮せよ
(御教歌)