2013年6月号 第328号
お導師からのメッセージ
三橋美智也さんが昭和五十七年、テレビの「おじゃまんが山田くん」という番組の主題歌として歌った「みんな達者でね」という曲があります。この曲の歌詞の一部を紹介してみましょう。
おふくろ親父いもうとよ
ガッコの先生 ホイヨー
ふるさとは見えないはるばる遠い
ハナのあたまがツンツンいたい
せつない涙は笑顔でかくす
みんなどこかに行く途中
達者でね 達者でね
みんな達者でね
私はこの曲の「みんなどこかに行く途中」というフレーズが妙に心に残っています。
人はこの世にどこからか生まれきて、成長し、学校に行き、仕事につき、過程を持ち、子育てをし、親の世話をし、そうやって泣いたり、笑ったりしながら日々を送っています。考えてみれば、私たちの人生の一コマ、一コマは「どこかへ行く途中」なのです。
ではいったいどこへ行く途中なのでしょうか。ほとんどの人は「どこか」とはどこなのか、知らずに、考えずに生きていることでしょう。が佛立信者である私たちは違います。開導聖人は「吾祖師のまします国へ帰る也」とおっしゃっています。そして、
寂光の都にかえる身ならせば
娑婆の旅ねのうきはうきかは
とも御教歌にして説いておられます。祖師(日蓮大士)のまします寂光へ行く途中と思えば、少々の辛いことも人生の旅路の一コマとして心棒できるではないかとの意です。
さらには、
寂光へ帰るはうれし さりながら
ひと日も長く娑婆の奉公
という心境にもなれるはずです。
お互い佛立信者たるもの「せつない涙は笑顔でかくし」「達者でね、達者でね、みんな達者でね」と声をかけ合い、励まし合って、佛立菩薩の道を歩み続けましょう。「みんな寂光へ行く途中」なのですから。