2013年8月号 第330号

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良 鳳 の 虫 メ ガ ネ 良 鳳 の

―― 暑さの中で準備しておく ――

■この通信がお手許に届くのは夏期参詣初日から8月1日までだと思います。ちょうど「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)の頃で、「溽暑」「極暑」「炎暑」「酷暑」などとニュースなどで叫ばれていることでしょう。
 わたしたちは、それらすべての暑さをまとめて「灼熱(しゃくねつ)」という地獄の一部を味わいながら夏期参詣(わずか10日間ですが)に気張るわけです。罪障(ざいしょう)消滅にピッタリの修行です。とにかく4日(日)の最終日まで体調を整えながら乗り切ってください。

■この原稿を書いている時、庭で小島さんのご主人が枯れたアジサイの花をすべて切ってくれていました。この時期に切らないと芽が出てきませんし、来年に咲くことが難しくなるそうです。今のうちに切って芽を出しやすくし、夏が終わり秋に入ると土の温度が下がります。そこで一応芽の成長は止まり、冬を迎え来年の花を咲かせる準備をするのだそうです。

■この暑さの中で、物言わぬ草木は一段と緑を濃くして準備しているわけです。田畑でも作物が実りの秋に向けて太陽の恵みを浴びながら準備をととのえているのですね。感動しました。わたしたちも夏期参詣で更にご信心を濃く、篤くしながら「実りの秋(とき)」に向けて気張らせていただきましょう。

― 人らしさ ―

■さて、先月(7月)の御講席では「人らしさ」をテーマに御法門を拝ませていただきました。「人らしく生きる」とは非常に難しいことで、開導聖人も多くの御教歌や御指南で人らしく生きることの大切さを教えてくださってます。

■御講席の御法門では「ていねいに」という角度から「人らしく」を考えてみました。

■携帯電話を捨ててから、電車に乗った時などの目に映る風景は「異常」というか「異様」です。子供から大人まで等しく携帯を見ながら指で忙しく操作しています。

■それほど忙しいのでしょうか?

■吊られている広告をふと見上げると「高速○○」という文字があちこちに大きく目立つように書かれています。「自動」「瞬間」などのような言葉がこれからもドンドン取り上げられてくるのでしょう。

■字の通り、忙しくなればなるほど「心を亡ぼす」ようになり、人らしく生きることが難しくなってきます。

■須磨駅の改札では駅員さんが一生懸命大きな声で「おはようございます」「行ってらっしゃいませ」「おかえりなさいませ」「ありがとうございます」など、ていねいに頭を下げながら声をかけてくれます。小さな駅の美点だと思います。私は「行ってきます」「ただいま」「ありがとう」と返事をするようにしています。

■明石の中島さんから聞いたことなのですが、須磨駅はもうすぐJRを辞める方が最後に勤務する場所なのだそうです。いろいろな事情があるのでしょうか?若い駅員さんも結構います。

■せめて返事をして「ふれあい」を感じてくれれば「駅員さんの須磨駅の思い出」も増えてくれるのではないでしょうか。お客さんとの会話が苦情だけじゃ淋しすぎます。

■改札を通る人たちを見てみると、やはり携帯を持ちながら片手で自動改札のタッチパネルにICカードをつけていそいそと通り抜けているのですが、それも品よくタッチする人もいれば、急ぎながら叩き付けている人もいます。

■改札を通り過ぎる時間はわずか0.6秒だそうです。その0.6秒。せめてそれくらいの時間は顔をあげて、駅員さんに挨拶してみるのも「人らしさ」だと思います。

■香風寺のご信者さんは、それほど携帯を巧みに使える人もいないので心配ないと思いますが、この「お盆の月」、少し動きをスローにして「ていねいに」暮らしてみることを提案します。


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