2013年8月号 第330号
編集後記
■さいごに私の好きな詩人 石垣りん。
■彼女の名詩「村」の一節を紹介して終わります。
ほんとうのことをいうのは
いつもはずかしい。
伊豆の海辺に私の母はねむるが。
少女の日
村の目を盗んで
母の墓を抱いた。
物心ついたとき
母はうごくことなく
そこにいたから
母性というものが何であるか
おぼろげに感じとった。
(「村」より)
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