2014年1月号 第335号

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お導師からのメッセージ

あなたにとってのご供養とは

odousi-photo 「ご信者から出された食べ供養は残さずに頂きなさい。」

 年輩の教務は師匠からそういうふうに言われて躾けられました。この言葉には「ご信者の志を無駄にするな」というメッセージが込められています。

 この言葉には、さらに教務に限らず、食べ供養に限らず、「だれであれ、この人生において自分に出されたもの、あてがわれたものは残さず、無駄にせず、生かしきりなさい」という仏さまからのメッセージが託されているように思います。

 では、「この人生において自分に出されたもの、あてがわれたもの」とはいったいなんでしょうか。男性として生まれたこと、女性として生まれたこと、親、家庭環境、国、社会、時代、さまざまな人との出会い、すべてこのたびの人生で自分に出され、あてがわれたご供養なのです。こうしたご供養を無駄にせず、生かしきるにはどういう心がけを持つべきでしょうか。

 日蓮聖人は、私たちが出会う人について、

「方人(友人、味方)よりも強敵(厳しく当たる人)が人をばよくなしけるなり」

 と説いておられます。出会いたくない人であっても、処し方によって、受け止め方によって、その人は自分を磨き向上させてくれる「よきご供養」となるのです。

 また、ただただ自分の境遇を愚痴り、不平不満を口にするだけでは、

 「天にも人にも捨てられ給い候わんずるに候ぞ」と諭しておられます。

 この人生で出会った人はみんなこの私をよくするために出された、あてがわれた「ご供養」、この人生で起った出来事はみんなこの私を鍛えるために出された、あてがわれた「ご供養」、法華経に登場する不軽菩薩もまたそんな思いを胸に懐いて、出会う人ごとに合掌し感謝の気持ちを表されたのでしょう。

 お互い香風寺のご信者も「出されたご供養は残さず頂く」、こういう思いで人との出会いを大切にし、自身に起きる出来事に処していきたいものです。

 今年一年、そういう心がけで一日一日を過ごしていけたなら、今年は幸運、好機があなたに訪れること疑いなしです。

 そのためにも初お講や寒修行参詣にお参りし、今年一年の生き方をしっかり方向付けしておきましょう。

 初お講や寒修行のご供養は残さずしっかり頂くが、ご法門は食べ散らかし、生かそうともしない、そんなご信者は香風寺には一人もおられない。(と思いたい)一抹の不安を覚えつつ、今年もよろしくお願いいたします。


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