2014年3月号 第337号

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お導師からのメッセージ

odousi-photo  先月、二月のイタリア出張で南イタリアを訪れた折、地元のご信者から興味深い話を聞いた。

 南イタリアの田舎町ではある家に死者が出ると近隣の人たちが代わる代わるに食事を作って死者の出た家に運んでくるのだそうである。

 それも一日や二日でなはなく、何日も続くのだそうだ。家族の一員を失い悲しみに打ち拉(ひし)がれている人たちには自分で食事を用意する気力もなかろうという隣人の思い遣りから生まれた慣習である。

 もっとも南イタリアでも大きな町になるとそんな慣習は薄れてしまっているし、北イタリアではもう失われてしまった慣習らしい。

 日本でもかつてはこういう慣習があったはずなのだが、今はどうか。遠い田舎に行けば独自の相互扶助の美風が今も残されているかもしれない。が、都会で見ることは極めて稀である。

 少子高齢化が進む今の日本、南イタリアに今も残る美風を輸入して都会においても、いや都会であるからこそ、相互扶助の新たな在り方を模索する時期に来ているのではないか。

 香風寺のご信者お互いは近隣に住む者同士ではない。が、香風寺所属の信者同士という意識をもってお互いに助け合い、支え合い、励ましあう、そういう美風を培っていきたいものだ。

 さて、では具体的にどうするか。これはかかって住職の局良鳳師、局長の浅田和良さんの双肩にある。期待しておりますぞ。(と、プレッシャーをかけておくことにしよう。)


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