2014年8月号 第342号
お導師からのメッセージ
小包の紐の結び目をほぐしながら思ってみる。
結ぶときより、ほぐすとき、すこし辛抱が要るようだと。
これはある本に出ていた文章である。
贈り物や注文した品物の入った小包が届けられる。小包に結わえられている紐をハサミで切らずに解くのは存外難しいものである。
結ぶときより、ほぐすときのほうが難しいといえば喧嘩もそうだ。
深刻さに程度はあるものの喧嘩は家族間でも隣人の間でも、職場の同僚、親戚間でも起きることがある。喧嘩はこちらから売ることもあるし、相手から売られることもある。
そうした場合、喧嘩は売るよりも買うほうが難しいようだ。さらに難しいのは喧嘩によって拗れ、もつれた人間関係をどう解すかである。つまりどう修復するかである。拗れた人間関係を修復するために中に割って入ってくれる人が必要になることもある。が、中に割って入る人も選ばないと関係を余計に拗らせてしまう人もいる。
安易な人頼みは禁物である。やはり拗れた人間関係は自分でほぐしていくしかなさそうだ。すこし辛抱が要るようではあるが。幸い私たちは佛立信者である。御題目口唱とご法門聴聞を通して、人間関係の拗れた紐の結び目の簡単なほぐし方を学ばせて頂きたいもの。