2016年3月号 第361号

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彼岸会のご案内

3月20日(祝)

第一座 午前 7時
第二座 午前10時

 ― 物語の最終章 ―

■人間はそれぞれに「物語」を生きています。

■一人ひとり、出自も環境も家族などの関係性も、文化も異なる個別の物語を生きているわけです。
わたしだけの、あなただけの物語。

■物語であるなら、せめて最終章は最高の幸せで締めくくりたいものです。

■ノンフィクション作家・柳田邦男さんは、人生という自分の物語の最終章をどんなふうに書き上げるかをずいぶん取材研究された方です。

■そして柳田さんは、ある高僧の俳句を座右の銘にしています。
 「浜までは海女も蓑着る時雨かな」

■雨が降っている。どうせ濡れるのだから蓑など着る必要はないのだけれど、水際まではきちんと身だしなみを整えようという「けじめ」をたとえにして、死の瞬間まではしっかりと「生の証」を立てるのだという死生観を詠んだものです。

■この俳句のような、自身の物語の最終章をよりよく生きるために彼は「十の心得」を作りました。これがいろいろな病院、施設などに貼られていますので紹介します。

 最期のときまでよりよく
   生きるための「十の心得」
           柳田邦男

一、たとえ病むとも、動かせる身体の機能や知的働きを活かすように心がける。

二、やっておきたいこと(生きる目標)を絞る。

三、他者のために役立つことをする。

四、病気や喪失がもたらしてくれた「いい面」(気づき、反省など)を探り、気づいたら書いておく。

五、いろいろな人々との「出会い」によって得たものを思い起こし、その幸運をかみしめる。

六、懐かしい思い出は「心のゆりかご」。深く味わう。

七、自分の人生を大河ドラマととらえて、節目節目の大事な出来事やエピソードを、一つずつ章のタイトルにして、目次を作ってみる。

八、自分の人生を目次に沿って、じっくりと書くか誰かに傾聴してもらう。
  短歌や俳句を詠むのもよし。

九、ユーモアの心を忘れない。自分で川柳やお笑いコントを作る。
新聞・雑誌の川柳で、特に面白いものをノートに書き写しておく。

十、次の世代に自分として遺すものを考える。

■一人ひとりの人生の最終章は、みな違うはずですし、個性的であるはずです。他人のマネをしようと思っても、さまざまな条件の違いによってできません。

■では、どうすればよいか。

■香風寺へお参詣して御法門聴聞させていただき、ヒントを得ましょう。

■それと香風寺には実に多くの個性的なご信者がおられます。そして自身の人生を語っておられます。みなさん笑顔で語っておられますが、その修羅場を生き抜いてきた内容に、私(良鳳)もずいぶん驚かされ、感心し、勉強させられております。

■確かに自身の物語をしっかり生きてこられてます。

■そういう人生の先輩たちの体験談である「物語」をたくさん聞いておくことも自身の最終章を創りあげるうえで参考になるのではないでしょうか。

■そして最後にもう一つ。
 出会いの奇跡を信じることです。香風寺にはたくさんの出会いがあります。その出会いを大切にすることによって、また新しい奇跡が生まれます。

■春の彼岸会、たくさんのお参詣をお待ち申し上げます。 


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