2016年10月号 第368号
お導師からのメッセージ
仏教は「慈悲」の心を持てと説きます。
「慈悲」の「慈」は他の人に楽しみ、喜びを与えようとする心のことです。
「慈悲」の「悲」は、他の人の苦しみ、悲しみを取り除いてあげようとする心のことです。こういった慈悲の心は、他の人に関心のない人には懐きようがありません。
いろんな人といろんな接点を持ち、交流があってこそ、慈悲の心は発動されます。が、同時に我々、凡夫は他の人といろんな接点を持ち、交流があると、人にたいする恨みの心、憎しみの心も発動されます。
凡夫の心の愛憎は、あざなえる縄の如しです。人を恨み、憎んだことのない人は、人をいつくしみ、いたわる心も持てないのかもしれません。
ただし、死ぬまでには、愛憎の憎のほうの縄だけは切り取って、捨て去っておきたいものです。