2016年12月号 第370号

kofuji-News-Header-img

少年の詩

 岩手県奥州市立
  木細工小学校五年生

「クマが来た」

牛のえさをねらってクマが来た

えさのタンクを手で器用に開けて

牛のえさを食べている

両手を使って上手に口に運んでる

パクパク食べている

僕がいるのに知らん顔

食べた後は、ゴロンと昼寝

小グマが二頭、近くで遊んでいる

散らぱったえさの上で

ゴロゴロ転がって遊んでる

かわいいけれど

牛のえさがやられてしまった

父が草刈りをしていても

堂々とクマは、やって来る

「こら、あっち行け」

のそのそ

再び座り込んで、父を見ている

「もっともっとあっち行け」

軽トラックで追いかけると

やっと山へ帰って行った

誰もいなくなるとまたやって来て

えさを食べて遊んでる

毎日毎日やって来る

牛や人間がおそわれたらどうしよう

「かわいいけれどしかたない」

父の提案でワナをしかけることになった

とうとう親子の三頭がつかまった

親グマの胃は空っぽだった

以前つかまえたクマは肉に脂がのり、

胃も栗やキノコで大きくふくらんでいた

母グマは自分の身をけずり

命がけで山を下りて来たんだ

二頭の小グマを守るために

小グマは山に帰された

あの二頭は今頃どうしているだろう


objectタグが対応していないブラウザです。

objectタグが対応していないブラウザです。