2017年12月号 第382号

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お導師からのメッセージ

odousi-photo  先月(十一月)の十四日から二十一日までネパールに行ってまいりました。ブラジル、スリランカ、そして日本から計四十人教務さん、信者さんの参加を得て実施された団参(団体参詣)に加っての旅でした。

 以下はその最終日の夜の会食での私のスピーチです.

 今回の旅ほど日本と他の国との文化、風土の違いを強く感じさせてくれる旅はありませんでしたね。その上、ブラジルとスリランカからの方が加ったことで、時間感覚がだんだんおかしくなってしまいました。(笑)

 日本から参加された方の中にはネパールに来られる前からおかしくなっている方が1人おられました。お名前は申しあげられませんが、横浜方面から来られた方です。ご住職をなさつておられます。(笑)

 一昨日もこの方は私に「ここから宿舎まで車で二十分ほどで着きます。」とおつしやった。実際には一時間かかりました。どうもネパールでは二十分間は一時間という意味らしいです。(笑)

 時間が三倍に伸びるんです。私もこの時間感覚に染まってきております。日本に帰るまでには清く、正しい日本的時間感覚を取り戻しておきたいと思います。そうしないと朝の起床が午前八時半、朝参詣が午前十一時半なんてことになりそうです。(笑)

 ネパールのご弘通活動は横浜妙深寺の長松清潤師、スリランカのデリーパ良潤師の意欲的なご奉公、活動によって展開されてきました。

 その間、小原旭君の不慮の死という不幸な出来事がありましたが、ネパールにおけるご弘通をこういう団参を通して推進させていくことが旭君へのなによりのご回向になっていくのではと感じております。

 団参というのは参加された方々が楽しみ、喜びを分ち合うものでありますが、今回のネパール団参は苦楽を分かち合うものでありましたな。とりわけ、その事を強く感じたのは四輪駆動の車での移動です。

 日本ではもう存在しないようなひどいデコボコ、ガタガタ道の連続。七台の車に分乗した方々が同時同刻に全員、激しい全身マッサージを受けつつ進行している。(笑)

 この体験が参加者全員の佛立宗の信者であるというアイデンティティを一層高め、絆を強くしてくれました。

 それにしても今回の団参に参加された女性の方々はしぷとい方が多いですな。(笑)いや「しぶとい」という方は失礼ですな、達者なかたです。

 佛立宗のご弘通はこういう達者な女性のご弘通によつて支えられているのだ、ということを今回は再認する旅でもありました。

 三橋美智也さんの歌に「みんな達者でね」という歌があります。この歌は、昭和五十六年に放映されたテレビ漫画ドラマ「おじやまんが山田君」の主題歌なんですが、この歌の二番の歌詞がいいんですね

おふくろ おやじ 妹よ

学校のセンセ ホイヨー

背伸びをしてもふる里は

遠い はるばる遠い

鼻のあたまがツンツン痛い

どっこいやるのさ 明日を見てろ

みんなどこかに行く途中

達者でね、達者でね

みんな達者でね

 田舎から都会へ出てきた少年の心情がよくあらわされた歌詞なんですが、この心情はどこかしら佛立信者の心情でもあるように私は思いました。

 私たちはこの娑婆という世界でいろんな人と出会い、いろんな苦労をしながら生きていく。けれども佛立信者とならせて頂いたんだから最後は手を取り合って寂光というふる里へ帰らせて頂こう。それまでみんな達者でいようね。

 この達者という言葉は本来は仏教用語です。人を導くことのできるレベルにまでご信心が到達した人のことを「達者」と言うんです。

 人間はどこから来て、またどこか去っていくもの。しかし、佛立信者は最後は行く先を寂光に定めて達者なご信心をと心がけたいものです。

 今回の団参はその思いを強くさせていただく機会になりました。有難うございました

 それでは、お待たせいたしました。今から三橋美智也を歌い継ぐ会、関西支部長の福岡日雙が「みんな達者でね」の二番を歌わせて頂くことにしましよう。(笑・拍手)


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