Lee's Wordsの今後について


2001年2月1日に「Lee's Words」が更新された。(斜線引用)
退任後、次の活躍の場を求める李氏は「(Jリーグの監督には制度上なれない)それならば、サッカー人として、今後のサッカー発展の為、自分に出来ることは何か? 随分と悩みました。私の立場で考えると、韓国と日本の架け橋になる事は出来ないか?」 と考えられ、実際に韓国でのマネージメントの話などもあったようだが、残念ながらお流れとなってしまった。

氏のホームページと実際の活動とは密接につながっている。
「私のホームページは、皆さんもご存知のように、ヴェルディの総監督として始まったことです。そのきっかけは、私がS級ライセンスが無いために、試合後の会見が出来ず、コメントの場を求めていたところ、マネージメント会社から、ホームページを作ることを提案されました。そして、現役の総監督が試合直後に、そのことについてコメントする・・・そういうことにトライしてみたかったからです」
確かにヴェルディの総監督を務められた期間からみると、ホームページのコンセプトは変わらざるを得ない。ホームページ上での活動開始が就任2年目からであったため、多くの試合について、氏の意見が伝わらなかったことは残念である。上述のコメントについても、氏ならでは、という切り口(選手の採点が行われた)が見られたのは、2000シーズンの天皇杯においてである。もちろんそこに至るまでの文章が平凡だった、という意味ではないが。

では、どのように変化して行くべきか、ということになるが、読み手の意見、要望というものを重視されているらしい。ご意見をお持ちの方は是非とも直接メールして欲しいものであるが、私なりに読み手から見た氏の特徴、そこから期待される話題をピックアップしてみたいと思う。

  1. ヴェルディ(読売クラブ)の総監督・選手であった・・・今後のヴェルディの分析、試合についての意見を発信する
  2. 高校サッカーの指導歴がある、若年層の指導に関係が深い・・・現在の若年層の指導方法のあり方についての意見を発信する
  3. 韓国と関係が深い・・・韓国サッカーの紹介、日本との比較についての意見を発信する
  4. サッカーの指導者として、理論が確立されていると高い評価を受けている・・・自らのサッカー理論を実際の試合のレビュー等から発信する
  5. お酒が好きだ・・・おいしいお酒とサッカーを絡めて(冗談です、むしろ私の芸風でした)

等々、であろうか。この中からどんな話題が最も耳目を集めるか、と考えてみたい。

まずTであるが、これは個人的に、もしくはここ2年のうちにヴェルディを応援し始めた人にとっては、興味深い話題であろう。氏の理想としたサッカーと現在の違い、選手個人個人の評価の変化など、願ってもない人物に応援するチームを客観視してもらえる。試合も頻繁にあるし、更新材料が多いというところも魅力的だ。マイナス面としては、ヴェルディを応援していない人には楽しめないと言うことである。応援していなくとも、少なくとも試合を見るなりしなければ話題を共有できない。また、正直ヴェルディという素材事態が一般性がない、いわゆる集客が見込めないということも考えられる。
蛇足に全く想像の範囲内だが、今現在現場において問題に対処している人間については、寡黙になられるのではないかという気もする。

次にUである。Jクラブのユースやスクールが各地に出現し、各都道府県のレベルの低下が危惧されたが、やはり強豪県は大きく変わっていない。最近のクラブユースやユース代表の情勢を見てみても、以前よりも優秀な選手が継続的に育ってきていると思われる。クラブの下部組織と学校のどちらかがいいとか勝ったとかではなく、お互いのあり方、好影響を与えるに至った背景を分析するというのは面白そうである。
こちらの場合は、もしどこかの学校の指導を始められたりすると、書きづらくなってしまうかも知れない(杞憂か?)プロ選手と違って、若年層の選手はメンタル面で微妙なところがあると思われるので、何とも言えないところである。

さてVであるが、これは短期的には極めて興味を集める話題であるはずだ。ワールドカップに向けてお互いのテストマッチが数多く行われる。何だかんだ言って、気になる存在である共同開催国の現状は多くの人が知りたいだろう。韓国代表も監督が替わって、今後の展開が不透明であることもあり、的確な予測や情報は価値があると思われる。
マイナス面は、ワールドカップが終わったら、途端に興味を失う人が多そうだと言うところか。「韓国より強いのか、弱いのか」という短絡的なところに視線が集中しがちだろうところも気にかかる。私としては、韓国の現状を幅広く紹介して、(歴史や文化等)日本との比較やサッカー界の今後を考察していく、というサイトも魅力あるものだと思えるが、ワールドカップが韓国への興味をかき立ててくれるものであればいいと思うばかりである。

最後にWである。これは実際の表現の場を持つか持たないかで違いがある。前者なら、Uで上げたように書きづらい点が出てくるかも知れない。後者だと、理想に近いか、全く逆の試合等を探さなければならない。もちろん現実のチームや試合に頼る必要もないのだが、万人に分かりやすく、を目指すとすると具体例が欲しいところだ。集客面なら日本代表の試合を取り上げるという方法もある。強弱はあれ、誰でも知りたいものであることだし。おそらく氏のサッカー理論を基礎から系統立てて読みたいというのは、私の個人的な願望であって、不純な動機からお薦めしたいところである。

・・・とつらつらと考えてきたが、
「彼ら(韓国人記者)が日本について感じていることは、日本のJリーグの素晴らしさが、代表の成績につながっているということ。それと、何よりJリーグ下部組織の力が大きいということだった。韓国は学校スポーツには限界がある!と認識しているようだ。ただ、私は、彼らが思っている程、Jリーグの下部組織だけが、素晴らしいとは思っていません! 皆さんはどうお思いですか? 現在の代表選手達の出身クラブを見れば、答えがあるのではないかと思いますが、やはり、学校も、クラブも双方が必要なのではないかと思います。合理的、現実的に見ていく必要があるのではないでしょうか」 とホームページ上でも述べられている。やはり上に上げた特徴を複数発揮できる方が話題としても深みが増す。そこで、
「日本の若年層について、特に学校サッカーとクラブ下部組織の関係と、韓国の若年層との比較、これを文化的、社会的な面からも考察してみる」というのが、私の希望である。そもそも、日本人は韓国の歴史や日本とのつながりを知らない。世界的なイベントを曲がりなりにも共催するというのに、これではちょっと悲しい。ぜひ李 国秀氏には両国の架け橋になるようなご活躍を期待したい。

2/6 2001 byさわ

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