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池田亮二著
はぐれもののお墓
 
 前回の「お墓まんだら」につづいて、あいかわらずの墓めぐりの中で、出合ったお墓の主人公は「はぐれものの」
の勢ぞろい。

今日の人物評価の眼からみると、うっかり付き合うと火傷しそうな、魅力と不思議をたたえた人たち、生前はなやかな脚光を浴びていた人が、生前はお邪魔虫、厄介者、お尋ね者であったのが、死んでから怪しい光を放ちはじめるというのは、面白い。はぐれた人たちの姿は、陰影が深く、かれらが屈折した思いで生き、果せなかったこと、思うようにならなかった野心について、野次馬的な想像力をかきたてられます。

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 内容

 丸橋忠弥。天下泰平の世に、酒の勢いで幕府転覆を図った酔いどれ。
 平賀源内。学者、発明家そして戯作者としてあり余る才能を振りかざしながら、山師ペテン師とののしられ、不平のままに死ぬ。 
 大田蜀山人。下級武士の地位に甘んじながら、万巻の書を読んで学究の成果をあげ、一方世の中を斜に見て洒落本や狂歌の遊びの世界に住んだ。
 勝小吉。幕臣のくせに喧嘩やばくちに明け暮れて、最後は座敷牢に閉じ込められた札付きのワルなのに、なぜか勝海舟というすごい息子を世に送った。
 清河八郎。明治維新を一人でやろうと企んだかのようなテロリスト。
 勝海舟。幕臣なのに坂本龍馬や桂小五郎など勤皇の志士らとも付き合い、幕府からは嫌われ、何度も登用されてはクビになり、「おれのような大不忠、不義のものもいなければならないのだ」とイキがって最後に官軍との交渉役に使われて、一世一代の大役を得る。
 鬼薊清吉。れっきとした盗賊なのに、なぜか今人気の幸運の守護神になって受験生や結婚相談の参拝者を集めている。
 辻潤。ダダイスト、ニヒリストと称し、おれは天狗だと唯我独尊の小宇宙に住んで窮死した詩人
 長谷川利行。思いのままに絵を描くことだけに生きて、最後は行路病者で死んだ
その他、境事件でムリヤリ切腹させられた土佐の兵士たち。遠山の金さんこと金四郎景元。などなど


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