1月13日神子元島
明けて13日、下田フィッシング前には何台もの車が止まっていた。よくよく見ると背中に某有名クラブの名が書いてある人達ばかりだった。しかも有名人もいた。目的地の神子元島に着いたときは暗かった空もすっかり明るくなっていた。20人程いた釣り人のほとんどの人は本場3号に入磯した。しかし穣が前回別の場所に渡してくれたと言っていたのでのんびりしていると、江の口に渡してくれることになった。ここでは某有名クラブの二人と僕らの4人だった。その人達の話では前日にここで50p級が出たとのことだった。40p級を釣ってみたいと思ってきた僕らとは狙っているサイズが既に違っていた。
磯に下りると4人であそこを流そう、などという説明を聞いていたらもう一人の人に美味しそうなサラシを取られてしまった。しかも50p級狙いの彼らはサラシには目もくれずに僕らの前まで沖に向けて扇形に探り釣りを始めた。一番風上で直接風の当たるところにしか釣り座のとれなかった僕は仕方なく磯際から狙い始めた。しかし釣れてくるのはタカベばかり。俺もグレを釣りたいよー、と思いながらも風が強くて沖にも流せないし、サラシも払い出しもないしで時間だけが過ぎていった。
さすがに穣のたまりかねてサラシの反対側に移動した。いくらサラシを狙っていないとはいえ、すぐそばに行って竿を出して良い物かと僕も悩んでいたんだけど・・・。しかし穣の釣り座からはハエ根が邪魔でサラシを狙うことは出来なかった。僕もいい加減嫌になり更に風上の先端に移動した。いい感じの潮目が出来ていた。しかしもろに向かい風のその釣り座では狙うことは出来なかった。わずか7,8メートル先のサラシでさえ難しかった。結局またしても磯際を狙うしかなかった。しかしやっと念願の1匹目をゲットすることが出来た。その時余りも荒れているために引き上げと言われていた11時30分に後わずかだったので納竿した。しかし船長が常連連中と話し込んでいたからか12時を過ぎても船は出なかった。更に隣の釣り人は僕が移動した後、何故かサラシを狙い始め40p級が入れ食いとなっていた。「ほら見ろ、最初からそこがベストポイントだって分かっていたことだ」と心の中で叫びながら彼らの釣る姿を長いこと見ていた。僕らを乗せた神子元丸が本場の方に向かうときも彼らはまだ撤収する気配がなかった。
ド素人の僕らは船長の言うことは守って迷惑を掛けてはいけない、なんて思っていたのに、そんな事はないのかなあ。彼らは何一つ注意もされなかった。帰りは台風並だと船長が言っていたとおり座っていても体が飛び上がってしまうくらい荒れていた。この日は穣はボウズだったので何とか面目が保たれた。