作　品　解　説

第３２回　埼玉書道三十人展作品ー２

武蔵国の歌　（平成1９年　第３２回埼玉書道三十人展出品作）

題名　「武蔵国の歌」

　　伊利麻治能　於保屋我波良能　伊波為都良　比可婆奴流奴流　和尓奈多要層祢

　　　　いりまぢの　おほやがはらの　いはゐづら　ひかばぬるぬる　わになたえそね


　　　　　　　　　　　　　　出典　万葉集巻十四　３３７８東歌　武蔵国歌より

解説

万葉集の東歌。「入間道の大家が原」（いりまぢの　おほやがはら）とは、現在の坂戸市、旧大家村あたり、高麗川（こまがわ）が豊に流れ、今でも素朴な雰囲気を残している。
歌の意は、「私との仲が絶えてしまわないように」という単純なものだが、地名を読み入れたところに不思議な霊力のようなものと、朴訥とした調べに東人の素朴さが感じられる。
歌の舞台が、私の住む川越とも近く、今回の題材としてみました。

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