[ RETURN ]


◆◇◆ 不安と嘘 ◆◇◆

はは、そうですね。 」


いつの頃からだろう?
こんな、愛想笑いをするようになったのは?

学校を卒業した後かしら?
それとも、もっと前?

上司や先輩、婦長にナースと上辺だけのつきあい。
問題が起きないよう、いつも笑っている私。

もしかしたら、学生時代の友人にさえもそうなのかもしれない。
本当の私を知っている人は少ない。

もともと人付き合いは得意じゃないけど、
最近の私は特にニセモノ。

どんどん嘘で固められていく。
私の気持ちが壁を作って。

私っていったい何なのだろう?
本当は誰?

人と接して、気を使うのは嫌。
話しかけてこないで欲しい。

もう誰も構わないで。
1人でいたいの。

.....嘘。
本当はかまって欲しい。

寂しくてたまらない。
優しくしてほしいの。

分かっている。
だからもう、ここから出たいの。

でも傷つくのが恐くて、その一歩が踏み出せない。
ねぇ、どうしたらいいの?

誰かが優しく扉を開けてくれるのを待っている。
私はここで。

誰か早く気づいて。
ずっと待っている、いつも同じ時間、同じ場所で。

臆病な私。
いつか現れるあなたを想って。


[ RETURN ]