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◆◇◆ 8月○日(晴れ)◆◇◆

8/○ (晴れ)

今日はありがとう。
月並みだけど、とっても楽しかったよ。

あのね、実は私、お父さん以外の男の人とデートするのって初めてだったんだ。
昔、好きな人はいたけど、ずっと年上で、私、妹のようにみられてたから。
始めてだからちょっと緊張しちゃった。
私から誘っておいて、何、言っているんだろうね? えへへ

それで、あの・・ゴメンね。
私、嘘ついてた。
・・・里中先輩のこと。
「ああいう趣味の人はちょっと・・」とか「ちょっと苦手」みたいなこと
あなたに言ったよね?

本当は先輩のこと、凄く羨ましいんだ。
ネットとか、アニメ、コスプレや同人っていうの?
世の中の多くの人は「おたく」とか言って、ああいう事を変な目で
見たりするじゃない?
それでも先輩、好きなことを 『 好き 』 って胸を張って言えてるから。

私、実は歌手になりたいんだ。
観覧車の中で、つい言っちゃったけど、
あなたは、笑わないで真剣に聞いてくれたよね?
うれしかった。
私の小さい頃からの夢

あのね、私、小学校の時いじめられてて、
・・・それからかな?、人の顔色を見るようになっちゃって。
時々、こんなの自分じゃないって思っていても、つい人の意見に
左右されちゃったりすることも多くて...
こうしてると衝突することも少ないから、友達は出来るけど、
でも上辺だけのつき合いって感じがするんだ。
だから一緒にいても疲れちゃったり、いまいち楽しい気がしないんだ。

けれど琴梨は別。
私にとって、始めての親友だと思ってる。
ねぇ、知ってる?
琴梨って、ああ見えても頑固なの。
だから時々、言い合いになっちゃったりもするんだけど。
琴梨って、普段ボーっとしているように見えるから、意外でしょ?
あっ、でも知ってるよね?
親戚って事は、小さいときの琴梨だって知っているんだもんね。
何か羨ましい。

琴梨と仲良くなったきっかけって、やっぱり始めてカラオケに行ったときかな?
琴梨ね、私の声、気に入ってくれたんだ。
そして、私になんて言ったと思う? うふふ
「鮎ちゃんは、歌手にならないの?」だって。
めちゃくちゃ、嬉しかった。
だから、琴梨には「私の夢」を、話そうと思ったの。
でも話したら昔のようにバカにされるんじゃないか?って不安だった。
それでもこの子、琴梨とは絶対「親友になりたい!」ってかったから、
思い切って私、話したよ。
「私は、将来、歌手になりたいんだ」って。
うーん、今思うと、不安とか自信が持てなくて、あなたの時よりは言葉にごしてたかもね?

その時の琴梨は、笑ったりバカにしたりしなかったよ。
それに無責任に「鮎ちゃんなら、なれるよ」とも言わなかった。
少し考え込むように、間があって
「鮎ちゃんには夢があるんだ? でも歌手になるって大変なんでしょ?
もし良かったら私、今度お菓子作って応援に行っても良いかな?」

だって。
私、嬉しくなってその日カラオケ2人で5時間だよ。
名付けて「川原鮎 ファーストライブ!」(あはは)
初日にしては、ちょっとやりすぎちゃったかな? 反省〜

・・・話を聞いてくれた時の琴梨の目は、あなたと似ていたよ。
だからかな? 夢の事、話したの。

あのね、このことお父さんとお母さんにも話していないんだ。
あなたと琴梨の2人だけ。
でも、お母さんは勘がいいから、薄々気が付いてるかもね?





だー、なんだこりゃー!?

読み返してみたんだけど、これじゃ、もう日記じゃないよね?
第一、こんな突っ込みみたいなことを書いてるし。

ま、いっかぁ、これが今の私の正直な気持ちだし・・・
うんうん、日記は他の人が見るものじゃないからね。
それになれてないんだ、まだ日記を書くのは二日目だし...っておい!
だって昨日、あなたと出会ったから、書こうって思ったんだもん。
うわー、でも明日から合宿だから書けないじゃん?
これって2日坊主?3日坊主以下じゃない!(あはは・・)
帰ってきてから書くぞ! たぶん・・きっと・・・・・

うわっ、もうこんな時間!!
あなたは、もう眠りましたか?
いつか、今日、思った気持ち、あなたと話せる日が来ると良いなと思って。


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